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ううん、でも―――
…その犯人がアンちゃんなわけない。
[ふるふると首を振る。
事件当時、彼女はまだ子供なのだから、と。]
―――― 私…清治くんの所に、行かなきゃ。
私は、 家族を…守らなきゃ。
[彼から聞いた「外」の話。それはこの村の風習とは異なるものだけれど、それはそれでいいのだという思いは変わらない。]
ンガムラさん、清治くんを探そう。
きっと、彼が ―――― 犯人だから。
っ…ハ、 んく、…はぁ。
[小さな体に体力はあまりないが狭い村を回る程度はなんとかある。
とはいえ息の上りは早かった。
それでも走るのは、村の民であり医師として、そして ――――家族のために。
ンガムラの走る音も背後から聞こえていた。]
あっ、あそこ!
あれって、せーじくんかな…
一緒にいるのって、―――――
はぁ…ッ、ダンちゃんっ…、逃げて!
殺されちゃ… やだ。
[息を上げながら走りにくい畑へと向かい、ダンケの方へ駆けよれば肉切り包丁を持つ清治を睨みあげた。]
清治くん、…
―――― そうやってアンちゃんも殺したの?
食べてあげれば、ちゃんと転生できるんだよ。
清治くんは命の重み…解ってると思ったのに
[白衣のポケットに手を突っ込む。
診療所に戻った時に念の為と思い入れたメスを内側で握る。]
―――― 残念。
ダンちゃん…、っは、…私は逃げない。
…、…逃げないよ。
清治くんを…、抑えてて。
―――― 私が …殺してあげる。
[ポケットの中から鋭いメスを握る手。
握り過ぎた手は白と赤い色が目立つ。
暑い中、走ったせいで額には汗が滲む。
その手が狙うのは―――清治の頸動脈。**]
[きつく唇を引いてから、右手を振り上げ]
―――― どうか、
清治くんの罪が清められますように。
[僅かな抵抗の後、皮膚を突き破り
容易に血管までたどり着く鋭利なメスの刃。]
……あ、 ダン ちゃん。
ううん、ダンちゃんだけじゃなくって
ホズミさんにも助けてもらったからだよ。
ありがと。
[頭を撫でられれば、血の飛んだ顔で
ほにゃりとしたいつもの顔を向けた。**]
あ、アンちゃん…食べる準備もうできたんだ。
早く食べてあげなきゃね。
……ダンちゃん、行っても いいよ。
私は、清治くんを ―――
…… して、 あげなきゃ。
[赤い罪が足元にも流れ、それは畑の土にも吸い込まれていく。]
うん、また後でね。
[ダンケを見送ってから]
ん、しょ…
[倒れた彼の腕を自分の首に回し、身体を持ち上げる。ずるずると引きずるように歩けば、赤黒い血液が後を追う。
ンガムラがどこかへ歩いて行くのが見えた。]
村長のとこ、いかなきゃ…
マシロちゃん、ありがと。
[それならと、もう片方でだらりと下がった清治の腕へ視線を送る。]
…… マシロちゃん?
[村長の家へ向かう足取りを止めないまま、少しだけ低い声で]
それが清治くんの意志だから食べたくないの?
―――― それとも、…マシロちゃんの?
だめだよ、マシロちゃん。
清治くんのことが大切なら、ちゃんと食べてあげなきゃ。
そうして彼の罪を清めてあげよ?
[ね、と年上らしくマシロを諭すようにやんわりと言う。]
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