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[寝癖のある少年が暗闇でぼんやりと立っている]
>>8 ネギヤのにーさん。まだ食うんかい。
確かに生前メタボ気味で食べられなかったからって……まぁいいや。今たくさん食べておくといい。
そして、生まれ変わったら──。
[なんと続けたものかと首を傾げた]
──太らない体になると、いいな。そう祈っとくよ。
さて、この家の人たちを送るのに、おいら以外の人も居るって聞いたんだけど。
おいらは、みんなが幸せな気持ちであの世に行って欲しいなって思うんだよね。
たださー……おいらちょっとやらかしちゃって……いま猫、なんだよね。
みんなにうまく聞きだせるかちょっと不安だね。
[にゃあんと鳴き声が聞こえた]
[虚空を見つめた。
彼方には何も見えない]
さて、
闇が恋しいのは何故だったか。
忘れてしまったな、
まるで霞がかかっているようだ。
[独り言ちる。
ゆっくりと視線が移ろう]
うん。何か聞こえたか、……歳かな。
おいらスイって言うんだ。よろしく。
>>*1 おいらも記憶がぼんやりとする。
ギンが家にいるのは分かるし、ちょっとしたこともお願いできるんだけどなんでかは思い出せないんだ。
[虚空をみつめ*思案顔*]
ふむ?
ギンとスイとは、知り合いか。
俺はユウキ。
うん、その名前だったはずだ。
よろしくな。
お願いか、さっきの送るとかいう話と関係あるのか、
いや、待て――あの世?
[眉根を寄せる。
財布をしまったポケットを見やった。
中に入っていた、覚えのない貨幣。
*失われたピースの欠片を拾う*]
>>*5
うん。おいらはギンの友達なんだ。
ユウキにーさんよろしく。
あの世ってねいいところなんだよ……確か。
おいらね、みんなをそこに送らないといけない……ううん。送りたいんだ、と思う。
みんなに幸せになって欲しいんだよ。でも、なんでだろう。
[考え込むが、ユウキの取り出した貨幣を見て目の色を変えた]
あ。それネギヤにーさんに渡そうよ。
それがあれば、あの世の入口に行ける筈なんだ。
ネギヤにーさんもう満足するほど食べつくしていると思うしね。
[屈託なく笑った]
あの世に送るってことは命を奪うってことか、
いや、違うような気がするな。
幸せになって欲しいというのは、もっと、あたたかい。
[目をしばたかせる。
手のひらに容易く収まる貨幣を握り、ポケットに片手を突っ込む]
いつの間にか持っていたんだが、そういうものなのか、これは。
ネギヤ義兄さんはよく食うよな。
まるで、何かに取り憑かれたみたいに。
[短冊を飾り終え、なんとなしに天を仰いだ]
いのちを奪うのは……奪ったのは、むかしのおいら。
食べたくなくても食べずにはいられなかった。
あったかくて苦くて、美味しくて、切ない。
だから、おいらは、この家のみんなに、あの世に行って、生まれ変わって、幸せになって欲しい。
[とつとつと言葉を紡いだ*]
奪う――ああ、そうか。
奪うのが嫌で、救いたかったんだったかな。
それとも、救おうとしたのに、奪ったんだったか。
なんにせよ、皮肉な話だ。
[*笑いは乾く*]
ああ。
俺も、幸せになって欲しい。
奪った後に後悔したのが辛かったよ。戻って来ないからね。
救いたかったのかな……?
皮肉だね。おいらたちは奪う側だったものね。
でも、幸せになってくれたら嬉しいよね。もちろん、ユウキにーさんもね。
[ふわりと笑った*]
……夢を見ていたような気がするな、懐かしい夢を。
いや、もしかしたら、今、このときが夢なのかもしれない。
[虚空に、咲くような笑みを見た]
さて、どっちだったかな。
そう願うことは、俺に許されているんだろうか。
自分がなるにせよ、他人がなるにせよ。
まあ、なんにせよ。
俺は、俺に出来る事をやるだけだな。
[指の爪で貨幣を弾いた]
ネギヤ義兄さん。
悔いは、少しでも、果たせましたか。
[食事に耽る男に、そっと声をかける]
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