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― テントの中 ―
[狼の遠吠えが聞こえたのはいつだったか。
赤いオーロラが見えた時さえ、空を睨むように見上げただけで小さく息を吐いて自分のやるべきことを成し。
ほどなくして、狼を操るものがいると告げる長老により此処へ来たのはいましがた。]
よぉ。
[中で一番に見たものは、出入り口を見ていたらしきビャルネ。
にこりともせず短く告げる挨拶を置き、出入り口の近くの位置に腰をおろし、やがて集まるだろう面々を確認していくの*だろう*]
[長老の孫たる娘はこの状況でも気丈に見えた。
テントの内を眺める視界の端で、動いた娘の影が俯き加減に帽子を深めるならひとつ瞬き、やがて彼女の口元が動いたのには気付いただろう。
僅かに目を細めたけれど、やはり言葉はなく。]
ドロテアの代わり、ね。
[訪れたレイヨの言葉に呟く声は感心も何もない。]
ドロテアが潔白だとして、己を差し出す意味は?
――容疑者から長老や第三者が選ぶ事になら
意味があるかも、な。
[そう至るまでの想いや理由は言わぬまま。
思考の先にある自身の結論を置くだけ。]
[呟いてからはその話から興味が消えたように炎を見つめ、アルマウェルが戻ったらしきにはお疲れさん、と一言。]
[炎を見つめていた瞳は伏せられ、遠く聞こえる狼の声に耳をすませてまた開けばまた揺らめく赤が映る。]
[遠く聞こえる遠吠えはこの辺りを囲むだけ。]
……何とも嫌な気分だ。
[吐き捨てた其れは独り言。]
集めたからには話があるんだろう――
供犠の理由まで話してくれるかはわからんが
[長老に向けた声は今は返答を期待せず、先ほどのドロテアの様子にかはたまた他のことにか、思考は刹那逸れ言葉は止まるけれど]
……話を聞いてから、だ、な。
[想いは多く語らず、炎を見つめる冷めた瞳を今はただ伏せると、暫くはそのまま待つ*つもりで*]
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