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…こっちもか。
突発性入眠症候群としか言いようがないな。
[異常が無いことが異常とばかりに首を傾げ、ライデンの体を毛布でくるむ。]
ねぇ、キミ!
手を貸してくれないか?
彼を運ばないと…
[近くにいた少年に声をかけた。]
…そんなところで眠らんでくれ、クランケ。
頭を打った後遺症で意識障害が出たかと心配になったぞ?
[ようやく目覚めたライデンに苦笑い。]
夢というのはね、覚えていない方が正常なんだ。
脳内の整理整頓をするために、睡眠中に頭の中で広げた記憶の断片。
それが夢だからね。
必要なものをきちんと棚に仕舞ったら、残りかすは獏がきちんと掃除して、すっきり目覚める。
その作業の途中で目が覚めるから、頭の中がちらかりっぱなしのまま。
それが夢だと学術論文にはあるね。
[ふ、と思い]
忘れているのは、夢の途中で散らかったものをちゃんと片付けられてないからかな?
夢を捕まえる方法は、あるよ。
眠りを誰かに見張ってもらい、うなされていたら起こしてもらうんだ。
…きっと最悪な気分で目が覚めるから、積極的にはオススメしないね。
…いや、わからない。
[胸ポケットのペンを手に取り、じっと見る。]
書いた気がするんだ、その名前。
白い書類に…何枚も。
[名を呼ばれてもすぐには気づかず、白衣のすそをつかまれて、ようやく少女に目をやる。]
ん?…どうした?
[幾度か瞬いて、少女に問う。]
…匂い?
あぁ、薬品の…
[少女の言葉に首をかしげて。]
キミも…僕のクランケ?
[何かがずっと、引っかかっている感覚。]
[去る少女をぼんやりと見送る。
目に見えぬ少女には気づく事もなく。]
…後悔が、沢山ある気がするんだ。
助け…られなかった?
[手の中のペンを、じっと見る。]
…おかしいな。
[袖をめくり上げて撫でる左手首には、淡い色の部分がバンド状に残る。]
腕時計を、していたはずなんだ。
腕時計どころか…何処にも時計が…。
[必要が無い、と声はささやく。]
…隠したい、のかい?
[いすから立ち上がる彼へと返す声は無い。]
手向ける。
だが…何のために?
[部屋を出、あの赤い花を目指す。]
アン。彼女は…手向けられた?
それとも…
[廊下に響く、サンダルの靴音。]
[公園を小さく切り取ったようなビオトープ。
日差し降り注ぐ下には、二人の少女。
少し離れた場所から、ぼんやりとそれを眺める。]
彼女も…僕のクランケだったとしたら。
[白衣に染み付いた香りを、知っていると告げた少女。]
彼女はちゃんと、僕のところから巣立ったんだろうか?
それとも…
なぁ、カナメ。
感情と記憶が結びつかないんだ。
漠然とした事実と、奥底に残った思いと…
それがうまくつながらないのは、意識がまだ剥離しているから?それとも、記憶統合野に障害か?
[少女がこちらを向いたのに気づいて、小さく手を振って傍へ行く。]
調子はどうかな?プレーチェ。
今日はちょっと顔色も良いみたいだ。
[さらりと出てきた言葉は、きっと以前と同じもの。]
次の面会日にはまた来てくれるんじゃないかな?
もう少し数値が安定したら、一度帰省……
[プレーチェとの普段どおりのようなやり取りを、
横から入った金髪の少女の声が断ち切る。
我に返ったか、それとも呆けたか、
それ以上は続けられなくなって目を瞬く。]
…あ、あぁ…
確か、そうだった気がするんだ。
今、何か捕まえかけてたような…
[額を押さえて頭を振った。]
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