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自分の都合で居なくなって、
自分の都合で帰ってきて。
あんた、アタシがどういう気持ちだったか、
知ってたのかって、胸倉掴んで…
[其の後も言葉を紡ぐつもりだった、が]
――。
[何も言えず]
あはは!お前らしいや!蹴り倒すか!
いい女だねぇお前!あはは!
[爆笑……無理矢理してみた。]
いいなぁ。お前みたいな奴ばっかなら。
世の中もっと楽しいだろうな。
……わりぃ、変な事言ったよな。
[ひとしきり笑った後で、イマリにはそう謝って。]
俺さぁ、アンの事好きだったんだわ。
あいつが死んだ日、初デートだったんだ。
あいつが事故ったの、待ち合わせ場所に来る途中。
笑えるよな?俺が誘わなきゃ死ななかったんだぜあいつ。
好きだって言ってもなかった。
知らなかったから、病院にも行けなかった。
馬鹿だべ俺?忘れたつもりだったのに。
帰って来やがったんだよあいつ。
[自分でも、泣いているのか笑っているのかわからずに]
…でしょ?
いい女過ぎて引く手数多だから困っちゃうよ
[合わせる様にくすくすと、小さく笑い]
ダメ。
私みたいなやつは、蹴られる側が居ないと
成り立たない様に出来てるんだから。
だから今のままでいいの。
[冗談半分に、ふざけた調子で言った。
だが、後に続く言葉に]
別に。変な事言ってるのは何時もの事じゃないの?
[小さく笑い、彼の言葉を黙ってきけば]
言ってろ、誰が引く手あまただ。
お前引っ張ったら、逆に引きずられちまうよ。
[軽い冗談を言ってみて]
蹴られる側の人間はビクビクしてんだろうなぁ。
俺も蹴り倒されないように気をつけにゃー。
[クスクス、彼女の笑い声に合わせて]
ばーか。
ばーか、ばかばかばかばーか。
[馬鹿、馬鹿、と幾度かふざけて紡ぎ]
……馬鹿だね、ホントに。
[はぁ、と一息つくかのようにしみじみと云った]
馬鹿だけど、ジュンタらしいよ。
いいんじゃない?……それで、さ。
…本当に。
なんで今頃、なんだろうね…
[良いだとか悪いだとかではない。
ぽつり、自然と口から零れた呟き。]
[引き摺られちまう、などと言われれば。
電話越しにくすくすと小さく笑い。]
見境無く蹴らないよ。
愛の証だから。
[笑ったままに、冗談を紡ぎ続け。]
はいはい、どーせ馬鹿ですよぉー。
俺は、馬鹿な生き方しかできねぇしな。
……なんでだろーな。
もっと早かったら、俺全部捨ててでもアンと一緒にいた。
もっと遅かったら、きっと綺麗に忘れてた。
今、この瞬間だからこそ……俺は動けないんだよ。
誰かが引っ張ってくんなきゃ、もう動けないんだ。
[ぽつり、ぽつりイマリに答えた]
―コンビニ―
そうさな。
…けど、きっとみんなは大丈夫。
[頭痛は止まない。
こめかみを軽く揉んで、少年を見守る。]
もしあれなら、俺のトコ来るか?
[不安そうな少年を誘って。
壁の時計。針が逆回転をはじめたのにはまだ気づかない。]
[引っ張ってくれなきゃ動けない。
そう、零すジュンタに]
ふぅん
[何処かニヤついた声]
ふぅーーーん
ああやだ、やだ、この人、寒い事いっちゃって!
[ひゃー、とふざけて見せる]
でもさ、動けないっていう事を自覚してるんだよ。
動けない自分、をわかってる訳。
…そこまで来たらもう、答えってさ。
案外、近いトコにあるんだと思うな。
[ぽつり、ぽつり、ジュンタに応えた]
…アタシ、尽くすタイプだから蹴るなんて出来ない…
[ついでに、ぶりっこしてみたり]
ちぇ、寒くて悪かったねぇー?
[電話越しに肩をすくめた]
ん……近いとこにね……あるといいんだけど。
これは、俺だけが頑張ればなんとかなるわけじゃ………
ねぇんだよなぁ、やっぱり。
[はぁ、と深いため息をついた。ついでに]
お前が尽くすタイプなら、世の女は皆尽くすタイプ。
[真顔で言ってみて]
[寒くて悪かったなと声がすれば、にやにやと。]
まぁ、いいんじゃない?
面白いし。
[そんな所に落ち着いたらしい]
あのね。
人、一人が頑張れる範囲なんて限界があるの。
ジュンタが幾ら頑張ったってダメな事がある。
アンタに今できんのは自分をしっかり理解して。
んで、選択すべき時に、後悔しない方選べばいいよ
[半ば投げやり気味に云うが]
アタシはだいたい、不味い方選んで、
うわぁーってなるけど
[あはは、とあっけらかんに笑う]
…おい。
もう一回、言ってみな。
[が。皆尽くすタイプなどと言われればドスを効かせ]
[ピンクマ携帯を確認。
スケジューラには【明日は大事な日☆】の旗印。]
…明日?
まだ、一日?
なんで、明日が来ないんだ?
[困惑。
視界が赤く染まるほどの頭痛。
よろけて座り込む。
少年が驚いたかどうかも、わからなかった。]
選択ねぇ……
[いくつか選択肢を思い浮かべてみる。]
選択肢1、アンと地獄まで駆け落ち。
選択肢2、美夏ちゃんたぶらかして大人の階段登る。
選択肢3、お前と今みたいにずっと笑いあってる。
選択肢4、優等生を拉致監禁して改造する。
選択肢5、女はやめてズイハラさんとラブラブ
さて、どれがいいと思う?
[どれがいい?と問われ]
クールなジュンタくんは何処に?
[思わず真顔で小首傾げ]
んー
[選択肢を前に、一応悩むらしい]
3も捨てがたいけど、5かな。
5が一番、アタシ的には面白い。
[真面目に言い放った。だが、堪えきれなくなったか]
っていうか、バカ!!!!
[大声で罵り]
……そんだけバカいえるなら大丈夫だね
[相手の空元気だろうそれに合わせ、
気付かない振りで、あははと笑った]
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