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[店先からは少し離れて、「3人」を見ながら、両手で耳をおさえ]
ああ、またじゃ。また、合うとらんラジオの音……。
ボタン婆ちゃんの、声が、聞こえん。
この……キンキンする音、何じゃ!
……ジャマすんな、って言ってんのに。
[呟きの直後に一瞬浮かぶのは、苦笑い。
けれど、それはすぐに消えうせる]
『解放を阻む者には、容赦はしない』。
[零れる声は、少年のそれとは異なるもの]
『もうひとつ』 『いるわ』
『お社の力が』
『うふふ』 『くやしいから』
『どうするつもりかしら』 『うふふ』
『あのひとが』
『アンも』 『だいじょうぶ?』
『ふふふ』 『セイジを』 『プレゼント』
[耳を苛む、何かの声]
[家に戻ると、父親がヌイにサマーセーターを渡していた。
そこで初めて、自分の身に起きている異常に気がついた。
誰もキクコがいないかのように振舞っている]
あれ、どうして?
私、ここにいるのに。
[そこで気がつく。
自分の体が透けていることに]
――え?
私……どうなっちゃったの?
―裏山―
ホズミちゃん帰ってきて残念でしたね。
[社の前の人影に声をかける。
冗談に怪訝な顔をした月下は、ボタンのことをぽつりと零した]
煮物が固い?
俺も思いましたよ。
[賽銭箱へ105円を投げ入れて、手を合わせる。
願い事は口には出さない]
[川原の手間で降ろされれば、きっと前を睨むようにして歩き出した。探すタカハルの姿は、すぐに認められ]
……タカハル君。
タカハル君と一緒にいる、誰か……
もう、誰も消さないで。
[身構えながらも、ぶれない調子で言う]
……“好きには、させん”
[解放を望む者に応えるような。
ふと、低く漏れた声は、...とは違ったものだったか]
……やーだなぁ、ヌイっち。
そんなん持って、どーすんのさぁ?
[櫂を拾い上げるヌイの様子に、軽い声を上げる。
いつもと変わらぬ、少年の声]
……ジャマ。しないでほしーんだけど。
[続く言葉は、少し冷えた響きを帯びていた]
[耳を抑えたまま、小さく叫ぶ]
やかまし……!
……あ。
[雑音混じりの声をかき消すのは、ヌイの静かな、低い、問い>>44]
そうか。
そこにおるのは、ボタン婆ちゃんで、そんで、別の何か、じゃな。
タカハルも、その何ぞわけわからんもんに……。
ネギヤさんを消してしもうたのも、そいつらか。
セイジが聞いた声は、それを教えてくれよったもんか。
五穀豊穣を担う神様は多そうですけど、その一歩前として、『いい天気』だけ担当の神様って珍しいんじゃないですかねー。
[軽トラへと戻る途中、枯れた花が視界に入ると、酸性雨という言葉が脳裏に浮かんだ。
家まで送ると月下に声をかけてみたが、やんわり断られ一人、村の道を走りだす]
そー言われても、さ。
ここまで来て、「んじゃやめるー」ってのは、言えねーよ?
[セイジに返す言葉は淡々と。
続いた低い声。
ふ、と表情が失せる]
『『堰』は間もなく飲まれる。
……邪魔は、させぬ』。
[応ずる声は、氷の冷たさを帯びていた]
[車から川へ移動する途中、羽音に振り向いたが、すぐにまた川辺へと視線を戻した]
よう。
何してんだ?
[ぴりぴりした空気に気付いていないような口調]
上るか、下るか 知らんどん。
[連日の雨で増水した、川。
櫂を拾った移民の男は、師匠さえも舟を出さないその川へ
――がこん、引っくり返していた高瀬舟の舳先を向けた。]
堰、 越える みちが ひとつだけ ち
思い違いしとる 阿呆は 見ちゃおられんが。
ヌイ、頼む。
ワシ何もせんで、頼み事ばっかり、勝手じゃけど。
頼まれんでも、そうするんじゃろうけど。
[セイジを担ぎ上げ、足を速めるヌイ>>51を、遥か遅れて追いかけながら呟く]
セイジを、タカハルを……みなを、助けてくれ。
[天を仰ぐ]
なあ。
ワシらを、ほんまに匿ってくれとるんなら。
神さま。
こんなときばっかり祈って、勝手じゃけど。
ワシより、みなのこと、護ってくれや……!
[まるで、応えるかのように。トランクから飛び立った紫色の蜂たちが、ギンスイの周りを包む。それから、空へと舞い上がった]
[自分の口から出た声に、戸惑ったような表情をしたが、すぐにはっとして]
……それでも、駄目だよ。
たとえ、どんな理由があるにしても……
人を消すなんて、駄目だ。
人を、悲しませるなんて……
[きり、と鋭く目を開く。強い光の宿った双眸]
“「空」を侵す者を――
主らを、見逃してはおけん。
誤りし者め――”
川くだりの前に、自分とこの蜂はちゃんと手懐けとけよ。
[蜂を見ないまま軽く指差してヌイへと向ける]
タカハルは、こういうの好きか?
[取り出したのは、てるてる坊主ひとつ]
“ネギヤ 廃屋”って書いてあるんだけど、何これこの村独自の流行?
……なこと、言ったって。
[悲しませる、という言葉。
ぎ、と唇を噛んだ]
オレ、そんなん、わかんねぇもん。
[正確には『忘れたつもり』。
そうしないと──耐えられなかったから。
誰もいない家とか、話もろくにしない父親とか、そういう冷たさに]
『何をして正と、何をして誤と成すか。
我は、我の在り方のままにゆくのみ……!』
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