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[誰かに、呼ばれたような気がした。
ぱらぱらと、雨のように、硬さを持つ何かが降るような、軽い音を聞いた。
一瞬、視界が暗転して]
……あれ。
[再び見えた景色は、何故だか真夜中のように暗く見えた。輝く太陽が白い月のように感じられた]
夜? まさか。
今まで明るかったはずだ。
……と。
[床に落ちている白衣に気付き、どうしてかと思いながら、それに手を伸ばす。
しかし指が布を掴む事はなく、何かに触ったという感覚すら、起きなかった]
あれ……。
どうした? 何だ?
何か……
[戸惑ったように呟く様は、白衣がないのも相俟って、外見そのままの弱齢であるかのようだった。周囲を見て]
……何だ。
……「神隠し」?
[ぽつりと、単語を零す]
そんな。
[手にしていた鞄を開けると、中には金平糖が詰まっていて、すぐに溶けるように消えてしまった。空になった鞄も、後を追うように消え]
……、ああ。
[...には夜空のように見える空を、仰ぐ。そこにゾウサクの姿があったなら、困ったように笑みかけて]
……
[診療所の方へ、進んでいった]
[診療所に着くと、どうやって中に入ろうかと悩んだ。扉に手を伸ばしてみる。す、と、指が入り込んでいき]
……幽霊のようだな。
[独りごち、すり抜けて中へと入った。診療所の中を、少しうろつく。看護婦の姿を見つけると]
やはり、君にも、見えないかね?
[届かない呼びかけをして、複雑そうな笑いを作り]
本当に神隠しなら、危ういかとは思ったが。
ああ。
困ったものだ。
[診療所を後にして、どこかへと。
たゆたうように、*歩き始めた*]
[途中で見かけたグリタの姿には、少し驚いた顔をしてから、手を振り返した]
……やはり、消えた者同士なら見えるのだな。
[彼を見送ってから、呟く。続けてペケレに会えば]
ああ。久し振りだ。
元気、というのは違うだろうが……
今はそれほどうろたえてはいないな。
[そんな事を言って。イマリに会ったという話など聞いただろうか。それから、彼女とも別れ]
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