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……退屈、か。
生憎と私は飽いてはいないので、
終焉をもたらされるは大いに迷惑だ。
[気狂いと処刑人と交わす言葉を見比べて、
視線は一度虚空を見遣る、
死に至ったがゆえの穏やかなる眼差し]
君のようにはならんよ。
まだ満たしたことのない欲も、あるのでね。
……悪霊、
[聞こえる笑い声は、その言葉は、
生者のものか死者のものか、境界線は曖昧だ]
[血塗れた僧と此方へ歩み寄る処刑人と、
そしてその背後で深海から釣り上げられた魚のように、圧に押し潰されていく若者の体]
は、っ 、……確かに悪霊か。
何故殺す、やはり殺すは愉悦かね?
処刑人。
[重石にかけた手。常は引き摺るだけの金属の柄に、巻きつく鎖がじゃらり解かれる。びっしりと甲殻類の張りついたハンマー。ふるりと震える指先の、昂揚]
さて……絶望から放たれることを救いと仮定すれば、苦痛伴う生からの開放を示す死は救いに置き換えられるのかね。
しかし、死しても呪いは生きる。
[生きているのか死んでいるのか、
どこぞから聞こえる死を支配することへの、執着。]
……ああ、だが、そうか。
そうか。
[狂人の呟きに、男は吐息を零す。
酷く、熱い。血の滾るような昂揚]
……愉悦もないとは、
ああ、実に勿体ないことだ。
いまだ私が夢想に留める欲を、
存分に満たしているというのに。
[ぎりと柄を握った両の手に、筋の浮く。
奇しくもその凶器は、水底より来るといわれる魔物と同じく水底より引き上げられた物だった。
ずる、と重量のある鈍器を振りあげれば、
男は幾度となく望んだ光景を思い描く。
儀式でもなく、慈悲などなく、
救済も、そう何の意味さえもなく。
ただ、己の悦楽の為に他者の命を奪う。
ひび割れた眼鏡の下、男の表情は知れず]
私は人だよ、人を殺すのは人だろう。
[ただ欲の滲む熱い息を零す口元は、蕩けた笑みの形であった*]
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