[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
[向かったのはやはり手洗いだった。
そう、その店に警察の影はなかったのだ。]
どうやら目は付けられていなかったようだな。
[用を足してから、テーブルに戻ると、
食後のコーヒーを味わってから、紙幣をそのカップの下に置いた。
もちろん、次見た時にはその姿はいつのまにかない。]
― トロワ・シティへ向かう街道 ―
宇宙の支配者か。
あいつは10年前もそんなことをいっておったな。
[ミル・シティ観光のCFを[特急電車]できいている。
それから、しばらくして、到着したバスに乗った。]
ブラックキャットを手にすれば、それも夢じゃない、か。
まぁ、それほどのものだからな。
[今回のターゲットに対して、そう一人でつぶやきながら]
[明らかな躊躇いを見せれば、ウミはどんな顔をしただろう]
……まったく、スリーピングキャッツにはかなわないわ。
[表情を落とす。
ポケットに入れたままの手が、スマホのボタンを、押した]
[数分後には、大勢の警官が古いホテルへと駆けつけたろう。踏み込んだのは数人でも、周りを私服の警官が取り囲んでいる]
……どのみちあなたには、ブラックキャットは渡さない。
[ホテルの階段を下りながら呟く。表情がどこか苦々しいのは、ウミの腹の中を探りきれなかったから]
― トロワ・シティ ―
[その街についたのは、どのくらいだったか。
ともかく、そういう情報屋の界隈に足を向けると、話題になっていたのは、捕まった輩のことだった。]
ほう、
つい先日会ったばかりだったよ。
あの人が捕まるとはね。
いや、本当に捕まったのかねぇ。
[彼の情報網をみれば、捕まることなどありえないに近しい。
だから、それは、なにかしらの意図があるようにも感じている。]
誰にも。
[ホテルを出る頃には、来たときと同じ観光客姿。
一度だけホテルを振り返ると、あとはトロワ・シティを目指す]
― トロワ・シティ ―
[この街は、列車の街だ。
特急、急行、普通、様々な種類があり、乗り間違えると大変だが、悪い街じゃないと思う]
“B”<32>系、通称赤い[包帯]号!
素敵!
[移動中は、トロワ・シティのホテルを出る際、周りを警戒していなかった不注意を反省していたりもしたのだが、この街に降り立てば、すっかりそのことを忘れた]
[トロワ・シティではなく、ドゥ・シティの古いホテルを出るときと言いたかった気がするがそれはさておき]
――ええ。ミル・シティまで。
[券売員に笑いかける。
目的の街へ向かう列車、一等席の切符を手に入れれば、さらに笑みは深くなった]
ありがとう。
[良い旅を。券売員の言葉に頷く。
年代物腕時計を見る。出発は、まだ先だ]
[駅舎を歩きながらスマホを取り出す]
……。
[開くアドレス帳。
暫く指を彷徨わせると、選んだのは、数日前に連絡を取ろうとした相手]
……さて。プロフェッサーは知っているかしら?
[どこにいるかも知れない相手に、コール音聞きながら、呟いた]
[ポッケに入れていたスマホがぶるっと揺れた。
発信者は先日会ったばかりの歌姫。]
はーい、ごきげんよう?
[トロワ・シティの駅のどこかの柱にもたれかかって、通話をはじめる。今日は白衣を着ていないので、歌姫は気づくかどうか。
気づくといえば、ウミが警察に捕獲されたことを彼女は知っているのだろうか。諸般の事情でドゥ・シティのホテルへ遅れて到着したのは警察が一仕事終えた後だった。
ネギヤがヘマして捕まったと教えてくれたウミが…。同じくヘマをしたとは思えないのだがさてはて。]
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ