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[昭和86年8月 都内 某所]
生温い部屋の片隅、
机の上に無造作に広げられたノートが一冊。
申し訳程度に付けられた空調の微風に、
ゆらりと揺れている。]
[ノートの持ち主は、平家 直海。
数十年教鞭を執り、教育に従事してきただけの
ごく在り来たりな一介の教師である筈の彼女が、
何故此処まで熱心に、
村の謎へのめり込んでいるのか。
当の本人しか、知る由は無い。]
[ふと、動く空気にページが大きく捲れ、
新たな文字が夏の日差しに晒された。
「ツチノコ」「土着信仰」「受け継がれる民話」
「外部との接触を頑なに断ち」「独自の文化」
「三十五年前」「災害」「傷害事件」「眠り姫」]
[凡そ日常ではあまり目に触れることの無い単語が、
そのノートには、極当たり前のように*記載されていた*]
[昭和86年9月 都内 某所]
[残暑厳しくも、冷房はゆるくそよぐ風は変わらず。
一角に置かれた机に広げられたノートもまた、
持ち主不在のまま、同じ場所に居住まう]
[緩くうねる風に、ノートがまた一枚、
音も無く捲れる。
几帳面な性格が窺われる文字が、
無駄な隙間もなく列ねられた片隅にもまた、
奇妙な文字がいくつも並んでいた。]
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