―小料理屋―
おはよう。ポルテさん。
[若葉が学校へ向かったすぐ後、小料理屋に着くと、水の入った木桶を台所に置いて]
水ここに置いておくから飲んでね。また後で野菜も持って来るよ。
[若葉が来た事や病状を聞いたりした後、残りの木桶を手に畑へと向かう。]
―道端―
[ほずみの家に向かう途中、村長の使いの者に声を掛けられると立ち止まって]
ああ、こんにちは。野菜ですか?今、ほずみさんの家に届ける所だから、これを届けてから…って違う?
アンちゃんが…?
そういえば、最近あまり姿を見なかったけど…
集会場へ?はい。分かりました。
[この村では先天性の疾患や異常で、若くして死ぬ村人も少なくはない。しかし、普段とは違う様子の使いに困惑した表情を浮かべつつも、集会場へ向かい、アンが殺された事を知った。]
こんにちは。本当に、大変な事になりましたね…
[栂村に挨拶を返しつつ、集会場に集められた面子を見回す。ほずみからお茶を渡されると、ありがたく受け取って]
ありがとうございます。ほずみさん。
ああ、丁度野菜を届ける所だったんで、この集会が終わってから持って行ってください。
[と、足元に置いてあった木桶を掲げて見せた]
[若葉によるアンの死体状況の報告。それに続く村長の言葉を聞きながら]
どう言う事ですか。この中に犯人が居るって…そんなはずは…
[あるはずがない。そう続けようとしたが村長に逆らえるはずも無く、困惑した表情で集められた人たちを見つめる]
複数犯…というのは考えたくないですね。
[清治の言葉に苦笑いを浮かべて]
それにしても、本当に困りましたね。
アンちゃんはまだ若かったのに…
[唯でさえ閉じた村の中、貴重な若者が居なくなるのは辛い。]
ここに居る人も比較的若い人ばかりだし、早く犯人を見つけないと大変な事になりそうだ。
[今回集められた面々を思うと、思わずため息が漏れた]
ははは、栂村だって。まだ十分若いですよ。
[集会場を出て行く人たちを見送りつつ、栂村に声を掛ける。]
お帰りなさい。ほずみさん。
ん?ほずみさん。何か言いました?
[かえって来たほずみに声を掛けつつも、何か呟いたのは分かったが、上手く聞こえずに聞いてみる**]
え?うーん。まあ、確かにあんまり信用されないかもねぇ。
この状況で犯人が自白する理由が無いし。
[ほずみの言葉に考え込みながら、斎場へ向かうほずみを見送る。暫くはそのまま集会場に残っていたが、手持ち無沙汰になり]
あの、畑に戻ってもいいですか?世話が終わったら戻って着ますから。
[村長に許可を得て、一度畑へと戻る。]
いやー、解散になったわけじゃないみたいだけど、なんか。皆出て行っちゃったから、僕も畑を見に来たんだ。
なんだか、大変なことになっちゃったねぇ。
[言葉とは裏腹にいつも通りののんびりとした口調で。]
…?僕の顔に何か着いてる?
[清治の視線に首を傾げる]
まあ、確かに。あそこに居てもあまり進展は無さそうだったし
[そう言って苦笑いを浮かべつつも、清治からの父親の事を聞かれれば]
チチオヤ…?うーんそうだねぇ…
[暫く考え込み]
よく分からないなぁ。今まで考えた事もないし…
[少し困ったような表情で頭を掻く]
それにしても、なんでまた父親なんて?
[逆に清治に聞く]
うん。そうだね。
僕だって気付いていないだけで、誰かの父親になっているのかもしれないし。
[双葉の父親である事には気付かぬまま]
どうだろ?多分居ないんじゃないかな…
なに言ってるのさ。まだまだ若いんだし、清治君には頑張ってもらわないと
[曖昧に笑う清治を茶化すように言う]
何を…言ってるんだい?
[突然の清治の言葉に思わず聞き返す。しかし、罪人の子供と聞くと驚いた表情を見せて]
まさか…清治君が…?
[それしか言葉にできぬまま、清治の返事を待つ]