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――さて、
君は性質の悪い病持ちだったりするのかね?
[後悔、海鳴りにまぎれて届く声に返して後、
桟橋近く置かれた薪束にずず ずと近づく。
生臭い血の匂いは処刑人ではなく夜警姿より匂う。
おのずと眉根を寄せた]
流れ者ばかりのここで、果たして儀式の意味など生きているのか。……あの帽子の、なんといったか……ああ、海に落ちたのか?亡骸が見つからないとは、おや、身もついていたし使い出もあるだろうに勿体ない。
しかし死肉を食らう魚もいない海だというのに、
水底に引きずり込まれたの、か――
[ゆるりと檻へ目を移す、僧は死に行く者へ告解でも齎すのか。期待するような昂揚招く事態は起こりそうにない。ずず、ずと重く足を引き摺る]
ああ、死肉を喰らうのは――、
魚ではなく、鳥か?
[血肉を取り込み、その力を己の裡に。
学者が噛み締め飲んだは、鳥ではなく。
ず、ずず、ず
霜交じりの地面に後をつけながら、
男が引き寄せられるは――]
……あれは、そろそろ動かぬ肉の塊となったかな。
[動いた姿を最近目にせぬ司祭の住処、ずず、と引き摺る重石は腐った床板を砕く]
[気狂い男は既にそこにはいない。
残に肉の剥がれた司祭の躯、男には昂揚も嫌悪もなくただそこにある対象を見遣る]
少なくとも今の私には儀式的意味などない。
あるのはただの、餓えだ。
――巫女の儀式的秘術に触れる昂揚がなかろうとも、人の血肉は甘いものかね?
[さて、あの気狂いはこの肉の所有権なるものを主張するか。知ったことではない]
[そぎ落とし、口にする。
甘くも柔くもなく、己の裡に沸く感覚は不快ですらある。噛み締め、飲み込むには口を押さえ込むが必須だ]
……ああ、何が ちがうのか。
[かつて感じた昂揚のないまま、
落胆すら感じながら男はその場で死肉を貪り続けた]
――……ッ、
やあ、ご相伴に預かっているよ。
……いささか、乱暴な挨拶じゃないかね。
[痛みに歪む表情に薄い笑み、しかし抗わぬのは気狂い男の求める対価は――今は命ではなかろうと知っている、からだ*]
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