[自分も一度検査室の中に入ってポットを給湯コーナーへ置くと、
壁に立てかけてあるパイプ椅子を指差して]
椅子は適当に出してください。
お茶も適当に。
僕は飲まないけど、コーヒーも戸棚にあった筈です。
僕、事務室行っておやつさらってきますから。
[手をひらと振って検査室を出る。
事務室にはいろんな所から菓子折や土産物が集まってくるのを知っていた]
うう、さむっ。
[ポケットに手を突っ込んだまま白衣の前を閉じるようにして、
廊下を事務室に向かって小走りで進んでいく]
ちわーっす。なんかおやつないですか?
[事務室の扉から顔だけのぞかせて事務員に声をかける。
寒いから入って、と手招きをする事務員にえへらと笑みを見せて]
しっつれいしまーす。
[立ち上がって戸棚の方へ歩く事務員の背中に期待を抱きつつ、
事務室の暖房器具の前に立って*軽く足踏み*]
え?まぁ…ぼちぼちっすかね。
なんとかやってますよ。
[戸棚から饅頭の箱と煎餅の袋を取り出した事務員は、
当たり前のようにこちらに茶を淹れて寄越す]
……頂きます。
[仕方なくそこらの椅子に腰掛けて茶をすすりながら、
口の開いた煎餅の袋から煎餅を取り出して銜えた。
いつもなら事務員が対面に座って世間話が始まるのだが、
今日は例外らしく帰る支度を始めていた]
珍しいですねー、もう帰るんすか?
デート?
[にやにや笑いながら軽口を叩けば、事務員は窓の外を差して
帰れなくなりそうだから早く帰るのだと言う]
泊まっちゃえばいいのに…え?
研究してる連中とは体のつくりが違う?
んー、まぁ僕らは研究中は泊まりこみなんて当たり前すけどねぇ。
[ずず、と茶をすすりながら帰り支度をする事務員を目で追う。
事務員は背中越しに必要ならお菓子は持って行っていいからと
戸棚を指差した]
[はーい、と返事をしながら立ち上がって戸棚を物色する]
こんなにいっぱいいつ必要になるんすか
カップラーメンとか缶詰とか…食うんです?
…はぁ、なるほどね。
[たまに研究員や助手達が泊まりになったときに
漁りに来るのだという]
うちの研究所とはえらい違いだー。
あ?はーい。お疲れっしたー。
[じゃぁね、と軽く手を振って帰っていく事務員に手を振り返す。
とりあえず饅頭の箱と煎餅を手に自分も事務室を*後にした*]