[その光に起こされて、心地の良い微睡みに別れを告げた。
窓際の日当たりの良い暖かな席。
そこは寝るには最適な場所だった。
薄く目を開いて、やっと外へ目を向ける。
眠りについた頃はまだ青かったはずの空が、すっかり黄色がかっていた。
もうこんな時間かと体を起こし徐ろに辺りを見回してみるが、まだ人はちらほらといるらしい。
それならば、もう少しだけこの席を堪能していようか。]
[別段急いで帰らなければならない用事もない。
寧ろ、あまり家にいたくはなかった。
煩いのは好きじゃない。
教室は部活動に奪われてしまう。
だからこうして、授業が終わるとここに寝に来る。
もはやそれは日課で、今日もその予定に狂いはなかった。
ぼんやりと図書室内を見渡すと、あまり見ない顔も、いつも見る顔もいる。
自然と後者に視線が縫い止められた。
そんなに本が好きなのだろうか。
飽きはしないのだろうか。
図書室には寝に来るだけだから、その魅力はイマイチわからない。]