[本来の性質か否か、大げさに吃驚したような素振りをみせてから]
やあ、気を取り直して、今日は。
貴方が……
[獏の言っていた男だろうかと。確認しかけ、相手自身に言っても意味がない事に思い至ってか、やめた]
私はライデンという者です。
以後お見知り置きを。
そういえば、今……何といいましたか。
「ひとりの時間」?
どこから……どこまでが。
[かわりに挨拶した後、今しがたの声を思い出すように言っては、首を傾げる。テンマが何か反応を返したなら、ふうむ、と口元に手をあて]
何やら謎かけのようですね。
一人でいるならそれは一人の時間か。
一人でいないならそれは一人の時間ではないのか?
そういう問題であるのならば、難問だ。
そもそも一人という状況自体も概念の定め方次第で変わってしまう。
そうでない意味なら、……ふむ。
どうにも推し量るというのは苦手なようです。
[ぽつりぽつりと零しつつ、肩を竦め、僅かに眉を下げて笑う。そのうち眠たげに去っていくテンマを見送ると、己は少しく思案してから、向かっていた方に再び*歩き始め*]
ん? 何か……良い匂いがするな。
この匂いは……カレーかね?
[ふと漂ってきた匂いに、一旦止まって辺りを見回し。匂いのする方へと歩いていっては、一つの扉の前で立ち止まる。
こん、こん、と二度ノックをしてから扉を開け]
[身長と同じくらいの高さの出入口。頭をぶつけないよう、慎重に中に入り]
やあ、今日は、お嬢さんがた。
美味しそうな匂いがしたものでね。
余っていれば少し貰ってもいいかな?
[室内の面々を見てから問い]
と……失礼、挨拶が遅れたが。
私はライデンという者だ。
[初めて見る顔には名乗り、宜しく頼もう、と挨拶する。
胸の下辺りに腕を横にあて、丁寧に*一礼を*]
ええ、送る事ができれば送りましょう。
また会う時を、……カナメに?
[最後の言葉に向けた疑問符は、
相手には恐らく、届かずに]
君、彼と知り合いなのかね?
[テンマが去ってから、「声」に問いかける。
「そうともいえるし、そうでないともいえますね」
抽象的な返事に、むうと眉を寄せ]
自分も私が俳優のようだと思う?
それは……何、三枚目なら似合う?
――全く、手厳しいね。
[誤魔化すような冗談には、やれやれと]
― 回想終了 ―
[返される挨拶と礼に、人差し指を立てて何度か横に振り、ふ、と笑って]
そういう時は「また会ったね」と言うのだよ。
やあ、また会ったね、プレーチェ。
[相手の名前とおぼしきものを*口にし*]
……。
あいたた……
私とした事が、うっかりまた眠りにつくところだった。
[ずるずるとその場に座り込み、後頭部を押さえつつ]
……アン?
[ペケレの声に反応してか。ユウキの方を見上げるように見て、ぽつりと]