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[電子レンジの音がやむと、すぐにご飯をお茶碗に盛り、出てくる]
はい、ご飯お待たせいたしました。
…お疲れ…のご様子ですね。目赤いだけじゃなく、顔にも出てますわよ。
ちょっと、心配。
え、読んで下さったんですか。
[意外そうに]
興味深い……それは喜んでいいのかな。
[ダーツセットはお堅い推理小説。
自分のいつもの作風だが、新鮮味が足りないといつものように言われてしまっていた]
ええ、興味深いというかリアルですよね。奇抜すぎるのがあまり好きではないので、安心して読めますわ。
あれは…[チケット]が凶器だったってことで良いのですよね?あと、犯人の動機が[白雪姫になった]だったと。
あらぁ、小説家さんなんですかぁ?
[耳を傾けていた話に首を突っ込む]
チケットが凶器ですかぁ、面白そうですねぇ。
[読んでみましょうかぁ。なんていったり]
[ご飯を受け取り、礼を言う。
ポルテの言葉に、ため息が聞こえてしまったかと思い]
すみません。
この店であまり暗い顔はしたくないんですが。
[一拍の間]
編集に言われて新しいジャンルに挑戦しているんですが……なかなか上手くいかなくて。
[自分は元々推理小説を書きたくてこの世界に入った。
だがなかなか売れず、なかば強引に勧められ頷かざるを得なかった、というのが正直なところだった]
[内容を話し出すポルテに]
ああ、ダメですよ。
そちらの方に犯人がバレてしまいますから。
[すっと自分の口に人差し指をあて。
エビコの問いに、村下冬樹です、と改めて名乗った]
白雪姫は……。
案外ロマンチストなんですねと笑われました。
[チケットを水に浸し凍らせた凶器。
犯人が主役を演じるはずだった白雪姫の舞台のそれは、物語の重要な鍵だ]
あらぁ、犯人が分かってても楽しかったりするのが推理小説ですよぉ。
驚きも大切ですけどねぇ。
村下さん・・・ですかぁ。
私はエビコって言いますぅ。
[秘儀・自己紹介返し]
新しいジャンルですか。
難しいですね。村下さんの作品タイプからいうと、あまり奇抜な手法とかはファンに受けないような気がするんですよね。
[村下の作品は<<02>>作は最低おさえていた]
エビコさん、ですか。
時々こちらにはいらっしゃっています……よね?
[見かけたことがあるような。
多分話したのは初めてだと思う、酔っていて記憶が無い限りは]
手法というか、ジャンルが違うものです。
僕が恋愛小説を書くとは思いませんでしたよ、本当。
[あはは、と笑いが出る]
えぇ、いらっしゃってますよぉ。
あれ?ご一緒したことあったりしましたっけぇ?
それじゃもしかしたらお久しぶりかもですねぇ。
[細かいこと細かいこと]
んーでも恋愛推理小説ってのもありますよねぇ。
探偵が事件解決しつつ助手とーみたいな奴ですぅ。
そういうものも多いですよね。
犯人探しだけではなく、そちらの掛け合いや恋愛描写を楽しめるという。
自分の場合探偵側に恋愛要素を入れるのがどうもうまく出来なくて……そこが受けないんだとよく言われます。
[ちなみに読むのは好きだった]
雑誌は“オ”“ズ”“ブ”“ダ”、題名は『[球場]の森』です。
……少し恥ずかしいですね。
[作家のクセに、ではあるが]
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