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何でおれに見回り係とか、そういう面倒くさいことをやらせるわけ?
誰が決めたの?
そいつ、何かおれに恨みでもあんの?
こんなんに任命されちゃ・・・。
晴れてどころか、おれの心は曇り空だってば。
[それでも多分通知を無視したら、ますます面倒くさいことになる。
それだけは分かるから、ムカイはやる気の無さそうなグダグダ歩きで委員室へと足を運ぶ。
そしてやる気の無さそうなウダウダした動きで、認証システムに掌を翳した。]
[入り口が開く。]
あ。
おまえらも、面倒くさいこと押し付けられちゃったの?
アンに、牧野下、・・・と、知らん人。
[同じ高等部の生徒達の他、うさんくさげに見慣れぬ男の顔を一瞥後、モニタにも目をやって]
ふんふん。
結城センセー、ね。
[真面目にファイルに目を通す彼らの姿を見て]
なーんだ。
しっかりと働いてくれそうなのが、こんなにいるんじゃんか。
こんだけいればさぁ・・・、
おれ、働かなくても十分じゃねえ?
見回り委員だとか何だとか、そんな大げさな・・・。
[ふわわぁと、早くもこみあげる大欠伸を隠しもせず。]
ふぁーあ・・・眠いな・・・。
・・・・・・寝てていい?
[自分の席と決めた椅子に座ると、腕を枕に机へと顔を*埋める。*]
役に立つ資料がある気配がないんだが。
[次に手にしたのは『365日の献立』]
誰の忘れもんだよこれ。
[現れたムカイの声に顔を向けて]
知らん人とは随分な言い方だな。
仕事してていいか?
どうせ適当に巡回報告書でも出したら終わりだろこの仕事。
去年やってた奴こねぇのかな。
覗いちゃダメだかんなー。
[軽い口調で形ばかりの釘を刺し、膝の上に開いたノートパソコンを*操作し始めた*]
[再び入り口が開く音にファイルから視線を上げる。]
あ、向井もパンパカ仲間なの? よろしく。面倒臭い事…ってやっぱりおめでたい事じゃなかったのね。
[ファイルを閉じて眠そうに欠伸をし眠りこける向井を少し残念そうに一瞥する。見回り委員って確かに何を見回るんだろう? 宇宙人?]
誰かの忘れ物なんですね、これ…。
[役に立つ資料が無いと結城に言われると、確かにこれも役に立ちそうが無いなとファイルに視線を落としクルミは思い直す。]
結構面白かったのにな。火星人の特徴…。
報告書を出すだけで済む仕事なんですね。見回り委員の仕事って。
[少しだけ残念そうに呟く。覗く事を制して持ち込みの仕事に向かう結城をちらりと見ると]
じゃぁわたしは投球フォームの勉強でもしますね。
[誰に言う訳でもなくつぶやくと、クルミはファイルの横に埋もれていた誰かの置き土産、『オレ流野球 2007』を引っ張り*出した*]
やる気あるなら、十手でも持って校内見回ってくれ。
[手の動きだけで部屋の片隅を示す。
戸棚に並ぶ時代劇セット]
……人は殴るなよ?
というか、やけに古くないかそれ。
[トレーニングを開始しかねないクルミに告げた]
・・・んんー?
[実に眠そうな眼で、顔と名前を一致させたばかりのユウキへと目をやって]
随分な言い方とか言われちゃったってー。
ついさっきまで知らんかったもんはしょうがないでしょー
[ノートパソコンを操作する姿には、思いきり顔を顰め]
仕事させられにこの部屋に来て、待ち時間の間まで更に他の仕事片付けちゃうわけ?
・・・やだやだ。
脳が溶けても知らないよ、仕事人間。
[言われなくても覗かないよと、舌を出しながらも・・・
わざわざ釘を刺す辺りが気になったらしい。
えろい画でも見てんのかなと後ろから細目で覗きつ]
まあテキトーにやってりゃいい仕事なら、それに越したことは無いね。
・・・去年受け持った奴がいるなら、今年もそいつらに頼めば良かったのに。
[パンパカ仲間呼ばわりのクルミにも、顔を上げて]
ははは、パンパカ仲間ときたか。
・・・チーム名はおめでたいみたいだけどね。
[火星人の特徴?
ファイルに視線を落としていると思いきや、謎の言葉を呟くクルミに首を傾げて。]
ああ、そうなの?
報告書を出すだけで済む仕事なの?
・・・なら木野下さ、報告書余分に一枚多く書かない?
それにおれの名前書いて、提出してくれりゃいいからさあ。
[やる気無さそうにそんなことを頼むムカイだが、果たしてクルミが真面目にファイルを見ているのかどうなのか、分からなくなってきている。]
と投球フォームて。
[ユウキの手の動きにつられ部屋の片隅を見てみれば]
・・・なに、アレ。時代劇セット?
[良く分からない品揃えである。
しかし髷をかたどったカツラを発見、じっと見つめると]
ああ・・・殿になりたい。
着替えから食事から入浴から、黙っていても下々の者が何くれと世話を焼いてくれて・・・
なあーんにもしなくても、不自由なく暮らせる・・・
・・・そんな殿に、おれはなりたい。
ああほら・・・、
労働過多脳溶解現象の、初期症状が・・・。
[ユウキがむせ込むのが聞こえると、わざとらしく脅しつけて遊んでいた。
が、ふいにそっと髷のカツラを手にとって、頭へとかぶりつつ・・・]
・・・勤労の義務?
人に押し付けるためにあるもののこと?
[・・・そらっ惚ける。
訂正を受けると、ばつの悪そうに目を逸らして]
何だよー。
細かい男は嫌われるよ、結城センセー。
ちょっと噛んだだけじゃん。
・・・ほら、おれ疲れてるしね。いつも。
牧野下だって間抜けじゃないんだから、まが抜けたくらいじゃ怒らないって。
十手ですか?
[ふとボールを投げる仕草を行おうとした所に結城の言葉が掛かる。視線を辿った先には時代劇セット。]
…結城センセーはわたしに岡っ引きになれと?
[高揚の感じられない、淡々とした声を上げた彼女はしかし機嫌が悪い訳ではなく元来の性格の為。]
[見ている本の古さを指摘されると、こくりと頷き]
確かに古いですが…なかなかいい事が書いてありますよ。「落雁が無いなら山吹色のお菓子をお食べ」とか。
[オレ流を机に置き、時代劇セットを手に取る。]
殴っちゃいけないなら、投げては良いですか?
[カツラを装着し手にした十手を向井めがけて投げようとする。]
見回りは良いけど報告書はお断り。だって水星人と金星人の見分け方、まだ把握していないから。
[そう呟きながらも、向井を見る表情は変わらない。]
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