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[風が吹いた。
地面から吹き上がるような風が]
あ……
[髪を留めていたリボンが流されていった。
瞬く間に見えなくなったが、茫然と星空を見上げたままでいた]
[にぶい光を放つ黒い石を持って森を歩いていく。石にはひびが入っており、そこから黒いもやのようなものが漏れ出している]
『へんなのが入ってきたぞ。食べられるかな』
『食べ物じゃないよ。おいしくないよ、きっと』
――木陰を縫うようにして蜘蛛ような足の生えた卵が囁いていた。
[風に踊る髪の毛を押さえ、辺りを見渡す]
あたし、いつからここに――?
あれ?
[不安を顔に覗かせながら、羽根の生えた魚の跳ねる湖面を*見つめた*]
[視界に入るのはうっそうと茂った森とその合間から見える星空だけだった。夜空に浮かぶ月を見つけて]
あ、もうすぐ満月。
月の光も森の中までは届かないんだね…
[ざざざ]
[ざざざ]
[何かが引き摺られる音]
[ざざざ]
[ざざざ]
…迷ったかの。
この老いぼれにこの暗闇は辛いのぅ…。
[杖を頼りに歩を進める]
[ざざざ]
[ざざざ]
[暗い森に木霊する音。それは老婆の服の裾なのか、それとも森に潜む何かなのか]
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