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[横丁の路地裏に佇む古い焼き鳥屋の壁には、
「ニッカウヰスキー」「イカリソース」等、
赤錆たブリキの看板が打ち付けられている。
現代に似つかわしくない街並み。]
…。
[狭い空を見上げ、白い息を吐く。
黒い鞄を重そうに抱え直す、背広姿。]
常盤木は鮮やかで美しい緑
彼女によく似合うと合わせたのだが
アレを着て、どこかに行ったきり戻ってこんのだ
三味線の稽古も放り出してどうしたものか
[編集者が足を踏み入れたのは、古臭さがそこかしこに残っている路地。
錆びた看板があれば、青いポリバケツが無造作に置かれていたりもする。
そんな路地に視線を運らせれば、ふと香ばしい匂い>>11が路地を行く風にまぎれて届く]
――焼き鳥、か。
[“噂の店”の近くに何があるのか。
それもまた噂として流れてはいたが、その内容は様々で。
噂を口にする人によって変わるものだから何があてになるのかすらも不明だ。
噂のあやふやさに、ため息を隠すようにずれた眼鏡を押し上げる。
言葉をかわす二人の人影は見える距離にあるが――]
焼き鳥屋の角を右、小さな社の先……だったか。
[鼻腔を擽る匂いで思い出した噂の一つに気をとられ、二人の会話は耳に届かない]
それは、…ご心痛なことで。
[背広姿は、辺りを見回す素振りをする。
視界にはいくらか人の姿も入るけれど、
彼の言う鮮やかなみどりは映らない――
路地を歩み来る眼鏡男の、
鮮やかな緑のネクタイは見なかったことにした。]
[上着の隠しから、
かさりと紙片を取り出す背広姿。
傍のお社でひいた神籤には、
『失せ物:出ず』と書いてある。]
探されたがっておいでだと、いいですね。
…常盤緑の、そのひとが。
[相手の雰囲気に何を想ってか、深く問わず。
そう言い添えて――会釈と共に歩き出す。]
[緑のネクタイは幾分くたびれている。
抱えた書類袋を持ち直して、路地の先を見る。
会話をしていた二人のうち、一人が紙片を取り出した後歩き出すのは視界に入った。
約束を果たしたいという男の声がようやく耳に届く。
他に路地を行く人もいるのが見える]
……寂れた路地だと、聞いたのだがな……
[人っ子一人いないイメージがあった。
思ったよりも人が居るのをみやり、噂の聞き込みをするか否か。
*しばし考え込んだ*]
[目に入った駄菓子屋で
大人買いした駄菓子を店先でぱくつく。
ヨーグルトのミニチュアのようなそれを
木べらのスプーンで口に運ぶ]
これもなっつかしいよなー。
よく一緒に食べに行ったっけ。
こういう場所、今じゃまず見ないよな。
[周囲の景色。
もしここにきた理由が違っていたら
目的を忘れていたかもしれない]
[鉢合わせて、見上げる。
落ち着いた瞳の、背広の男。]
――ごめんなさい。
少しだけ、よそみをしていたの。
[取り落とした紙片を拾い上げて、
ふっと思いついたように、彼の瞳を見つめ直す]
ねえ。あなた。
このあたりに、詳しい?
では、お相子です。
僕も余所見をしていました。
[世慣れていない雰囲気の娘が見上げ来る
その視線を受けながら、背広姿は返答する。
彼女が何か拾うらしきを
一拍待って、首を傾げた。]
…「詳しかった」んですけどね。
今は、うろ覚えです。
行き先はどちらで?
そう。
[理解したのかどうか、少女は首肯する。
なら少しは判るのね。そう呟いて]
私の、行き先は。
[そこまで言いかけて、口を一文字に結ぶ。
紙片を握る手に赤みが差して、
息を吐いて、また吸って]
そうね。
……大通りまでの道は、知っている?
[瞬きも少なく、相手の逡巡を容れる。
視線は、娘が口を開けば其処へと戻り]
ええ、知っています。
[言いながら、背広姿は辻の中央へ進み出る。]
床屋さん、
荒物屋さん、
牛乳屋さん、の順に辿っていけば
大通りに出られますよ。
辿れればですが。
[手にした黒い鞄は、重いまま。]
焼き鳥屋で、
砂肝を7連続で注文すると
[やがて横丁を抜け、雑踏に紛れる間際。]
「思い出屋」の裏メニューが…
というのは、ハズレ。
[まるでビジネスマンという
記号のような男が口にする、そんな*ひとりごと*]
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