[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
>>110
知らない。
[ユウキの問いに振り向くと、首を左右に振ってまた歩き出した。
ぺたりぺたりと響く足音は、徐々に間隔が縮まって、駆け足の早さになる]
―泉―
カナメ?
[肩で息をしたまま、泉の端に腰を下ろす。
水に足はひたさない。
抱え込んだ膝に顔を埋めて、何度もカナメの*名を呼んだ*]
誰に?
何を?
[“手向ける”ことを尋ねても、答えは聞こえない]
カナメ……
[泣かないで、という声は風に飲まれるほどの*か細さ*]
[キッチンに響く小さな足音。
ぺたぺたぺたとシンクへ向かい、続いて物音と水音]
しゃぼんだま。
[ふぅ、とストローに息を吹き込むと、ぽたぽたと滴が垂れる。
しばらくそれを繰り返すと、いつしか綺麗な球体を作り出せるようになった]
[シャボン玉は空へ飛んでいく。
見上げ、「ら」でも「あ」でも「な」でもないような音で浮かんだメロディーを口ずさんだ。
古い古い、童謡の一節]
変、だよ。
[視線は、見える限りの空を端から端へ辿る]
[ふわりふわりと、シャボン玉は舞い上がる。
一息吹き終わると、ストローをコップに戻した]
知らない……
[ミナツ>>150へ即答する]
ミナツは知ってる?
“おやすみ”はいつだったのか。
>>153
テンマ、つめたかった。
[自分の右てのひらを見下ろして、瞳を伏せる]
時は……。
[ときは人が作るもの。
呟く声はごくごく小さい]
>>156
繰り返し、繰り返し、何を、誰に手向ける?
[カナメは答えなかった問いを口にしてから、新たな疑問を付け加える。
ただし、それは語尾の上がらない形]
何のため。
>>162
悲しい?
[言葉を飲み込むミナツの表情を見つめていたが、ゆっくり瞬きをしながら空を見上げる]
“空”はこんなに、小さくない。
[言って、見上げた格好のまま瞳を閉じた。
人工の風が頬を撫でてゆく]
[岩に腰掛けたまま、鳥の鳴き声がする方へ視線を向ける。
佇むユウキの姿が見て取れた]
“せんせい”。
[音になるかならないかの大きさで言って、眼を細め薄く笑った]
>>168
変わらないことなんてない。
[シャボン玉用の液体が入ったコップを岩に置いて、羽織った上着のボタンの辺りを握り合わせた]
時が流れるのはそういうこと。
>>171
とても穏やかな気分。
[ユウキへ照れたような笑みを向ける]
お父さんとお母さんはいつ来るの?
[決り文句のような流暢さで言った]
『別れの儀式は、死者の為に行われるものではない。
自分を言い聞かせる為の物。
それならば何故、墓碑で記憶を留めようとするの?』
[すらすらと、いつかのカナメの問いを諳んじる]
答えは簡単。
前提が間違っているか、結論が間違っているか。
[事務的な平坦さで言うと、そこで深呼吸した]
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ