[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
――絵を、ありがとう、と。
『あやまらないで。ミナツの絵、好きだから。
描いてくれて、ありがとう』
そう、ミナツに伝えてって。
レンが言ってます。
それと…獏。
[ミナツ越しに獏を覗き込んで、
大きな瞳が瞬く]
ミナツを守って、って。レンが、頼んでます。
それから。世界の歌を聞いてみたい、と言ってます。
[少し不思議そうに
ミナツと獏とを、交互にみた]
[頷くともなくミナツへ頷くと、
いちど温もりを握り返してから離し、
膝をはらって立ち、アンの墓標の方へ向かって*]
アン、ここですか?
えっと…?
[赤い花をかき分けのけてみると、
西欧の文字で記された下、花に隠れていた、
東洋の文字の綴りと、5桁の没年が露わとなる。
数字には、どこか覚えがあるかもしれない。
その傍の墓標に刻まれた、数字は4桁]
アン…?
[確かめるように振り返り、かろうじて届いた囁きは…幽かで、とても聞き取りにくかった]
ら く え ん …? と、何…?
もしかしてアンは…
眠る前のこと、覚えてるですか?
[刻まれた数字を見比べ、また向き直る。
すると長い髪の少女は、
肯定も否定も伝えず、手を挙げ今度は上を、
硝子の天井を包み込む素振りをして。
そして空中へ溶け込むように去って行った]
[その時ひときわ、
カナメの声が高まる]
カナメ…?なに…。
ルリが、生き延びる為に…?
ミナツ…?
ミナツが、どうしたですか…?
ミナツの所為でレンが…?
そんなこと、ミナツ、言ってたですか…?
わかりま、せん…。
なにを…はい、
ミナツには、死者になってほしくない、です…
[やがて声は、優しげな調子を湛えてきて]
手向ける。
[扉の前でしゃがみこみ、、
幾度も幾度も吐かれる言葉]
どうして、ですか――。
死者って、なんですか。
[地を這う蟻へ、差し出された指]
[見えぬものとの対峙は続く]
――いいえ?
カナメは、良いものだとおもいます。
それにカナメだけじゃなくて……
…さわげばいい。
ただし ちゅういぶかく。
[含蓄じみたこれは、
ルリ自身の言葉ではない]
せかいが かんまんに ちんもくしていく…?
[蟻を手に乗せたまま。
届かぬ扉を、knockするフリ]
……ずっと、思ってたです。
テンマは、いぢわる です。
そのくせ――
[あとは、口をつぐんだ]
鍵はまだ、かえしてあげない。
[ポケットの中身へ触れて独り言。
いましばらくは必要と。思ったか]
振り回したら、
…蟻、目を回してしまう、です。
[立ち上がる際には、よろめいて。
より緑が茂る所へ、蟻を連れて行こうと
樹の間に消え行く姿*]
[木漏れ日の下、
土へ下ろされた蟻は急いて行く。
どこかへ帰って行くのかもしれない]
[見送って唇をひらいた]
――カナメ。
アンは、どうして…
[突然さいた、赤い花]
[アンのようになりたくないでしょう、カナメが優しく語る]
……わかりません。
レン、「そちら」のせかいは……うつくしい、ですか。
[いつか獏が口にした形容詞を、
問いかけて僅か空気を震わせたものの、
その答えを恐れる具合に、顔を下げて。
むしろ彼に聞かれていない事を、期待していたかもしれない]
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ