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動物じゃないんですから。
[アンを呼ぶホズミを呆れた視線で見詰める]
はい。行ってきます。
[空になった器を片付けると、一旦自宅に寄ってから、学校に向かった]
―学校―
こんにちはー。
あれ、万代さんは?
[教室に入るなり口に出す。
彼女は音楽の授業の時はいつも参加しているので、姿がない事を疑問に思ったのだ]
『マシロ先生、今日は来てないよー』
『セイジ先生、朝まで一緒に居たんじゃないの?』
……それは誤解だ。
[ませた子供の質問をばっさり否定しつつも、この事態を放置していいものかと思案顔になる。
ここでいきなり自習にするのも、与えられた役割の放棄と見做されそうだ]
困ったな。
[結局この授業は否応なしに自習となるのだが、それはもう少し後の出来事である]
―学校―
[明らかに学生ではない若者が、こちらへ駆けて来るのが見えた。
昇降口から教室まで回って来ると、清治を名指しして集会所へ来るようにと告げる]
え、今からですか?
その、一体何が……
[事情を訊いたが答えははっきりせず、ここでは言い難い事らしいと察せられた]
わかりました。今すぐ向かいます。
授業はとりあえず自習な。縦笛の練習しておいて。
[生徒たちに手短に指示すると、学校を出て集会所へ]
―回想―
……別に、口封じって訳じゃないよ。
ただ、計画を開始する前に捕まるのは困るから、さ。
ごめんね?
[アンに向けた言葉は平静そのもの。
手にした凶器と似つかわしくないその様子に、哀れな獲物は更なる恐慌を来たす]
さよなら。
[ざくり。ざくり。
命を絶つ。
紅が広がって、娘は動かぬ肉となる]
僕だけは、君のために祈ってあげる。
――二度とこんな村に生まれて来ないように。
[娘が完全に動かなくなった後、死体を見詰めて呟いた]
『次』の時に、この村がまだ存在するとは限らないけどね。
[無論、返事が返るはずもない。
肩を竦めると、他の村人に見付からぬうちにその場を離れた]
―集会所―
[学校を離れた所で、漸く明かされる。
村で起こった、一つの『殺人事件』。
生贄ではない娘が、人間の手で殺されたのだと]
それは、……え、アンさん?
そうだったんですね……。
[詳しい状況を訊く内、集会所に辿り着く。
戸を開ければ、そこには自分以外にも容疑者の顔があった]
こんにちは。
[栂村に挨拶を返して]
そうですね。
少し前から、様子がおかしいとは聞いていたけれど……まさか、こんな事になるなんて。
[儀式から外れた殺人。
未だ信じられないという表情で、集められた面々を見回す]
[ホズミから熱い茶を受け取って、一口だけ啜る]
何かを、察していた……。
[首を傾げているうちに、村長が集会所へ現れた。
湯呑みを置いて姿勢を正す]
疑わしきを……殺す……?
それって、つまり……。
[ここに集められた6人。
容疑者。疑わしき者。
それを殺していいと、村長は言った]
そんな……。
罪人が裁かれるのは当たり前だけれど、これじゃ……。
[無実の人すら殺される可能性があるのでは? と。
口に出すのはすんでの所で留まったが、不安は確実に胸の奥に存在していた]
そうですか……。
[集会所を見れば確かに女性が半数を占め、片腕のない栂村も呼ばれている。
力の有無は余り関係がないようだ]
……ん?
[手元で息を吸う若葉を見る]
匂いでわかるんですか?
[若葉の片目で見詰められて、ゆっくりと瞬く]
……はあ、お好きにどうぞ。
[じっとりと見詰める視線に両手を挙げ]
可能性ですよ、可能性。
複数の犯人が口裏合わせてるのを真実だと思ったら、犯人にいいようにされるかもしれないでしょう?
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