42 狂い咲きの村―ハナミズキ―
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- 回想・管理棟側(ハナミズキの真下) -
〔獏、と名乗った少年を見送った後。
緩やかな風に吹かれ、杏奈は立ち尽くす。
時折運ぶ、花の香りは優しく彼女を包んだ。〕
……おはよう、ございます。
〔(>>1:58)挨拶をされれば、気持ちほどの会釈。
返しはするものの矢張り無愛想は変わり無い。
その後、紹介しあう事無く女性を見送り また暫くの間立ち尽くすが、〕
――。
〔(>>1:65)声をかけれれば、振り返り無言で凝視。〕
(41) 2009/02/20(金) 04:14:08[→管理棟側(花水木の下]
文学部 アンが接続メモを更新しました。(02/20 04:14)
〔何を見ているのだ、と問われれば。
たっぷりと彼を見つめたまま指をぴんと立て。
緩やかに持ち上げて頭の上まで移動させると〕
木。
〔ぼそ、と一言。
指は背後のハナミズキを指し、視線は彼に。
緩やかに続く呼吸が口から白を紡ぎ〕
凄く綺麗、です
良い匂い
〔感想らしきものを続かせた。〕
(42) 2009/02/20(金) 04:20:40[→管理棟側(花水木の下]
〔その後も何か言葉を続けようと、
口を開きかけるものの、唐突に移動する白。
それは杏奈の視界の側を通り男の顔へ。〕
―― … あ。
〔ぽか、と口を開けて漏らす音。
何の準備も無く、其れは男に直撃した。
表情にこそ表れぬものの、心配はしているのか。
投げた、と思しき相手と男を交互に見つめ〕
―― … ?
〔知り合いなのだろうか、と首を傾ぐ〕
(43) 2009/02/20(金) 04:25:10[→管理棟側(花水木の下]
〔雪を投げた男と、其れを受けた男。
二人の男は杏奈の側で攻防を続け、
杏奈は其れを呆然と、見つめている。〕
―――。
〔言葉は無かったが、眼鏡に髭の。
(>>1:78)人の悪い笑顔を浮かべる男が
不意に漏らした"風雪"という音に、〕
…… え?
〔少しだけ見開かれた瞳。〕
(44) 2009/02/20(金) 04:30:25[→管理棟側(花水木の下]
〔(>>1:76)此の男は今確かに。
"月乃風雪"、"原稿を"と口にしなかったか。
杏奈は自問を繰り返しながら二人を凝視。
先程までの視線とは違う、視線。〕
――。
〔無言である意味合いも、先程までとは違う。
何か、興味深いものを窺うような沈黙。〕
つ、きの…。
〔そしてか細い声で、繰り返される名を
噛み締めるように繰り返す〕
(45) 2009/02/20(金) 04:34:02[→管理棟側(花水木の下]
〔暫く続くやりとりを。
杏奈は二人に興味深い視線を向ける事に、
終始し過ごすが、段々と其れは変質する。
会話の流れを必死で追いながらも、
二人、に向けていたものは風雪へ。
風雪のみを、熱の篭った視線で見つめている。〕
――。
〔彼らの会話の合間、口端が緩く動き。
空いた手が緩やかに握られ、開かれ。
何かを熟成させる様な挙動が見え隠れする。〕
〔"まさか、あの月乃風雪センセイなの?"〕
〔味気なく表現された杏奈を捕らえる言葉〕
(46) 2009/02/20(金) 04:41:28[→管理棟側(花水木の下]
〔疑惑の言の葉。
其れは幾枚も降り注ぎ杏奈の深淵に積もる。
行く宛ても、返答も無い葉は積もるばかり。
出してみようかと口から漏れ出そうになるが、
其れが葉書として出される事は無い。〕
――。
〔沈黙のまま、幾枚も、幾枚も。
降り注ぐ葉はやがて彼女の内を満たし、
逃げるように視線を逸らしては、
彼らの言葉を追い、共にハナミズキを仰ぐ。〕
(47) 2009/02/20(金) 04:45:18[→管理棟側(花水木の下]
〔彼らの楽しげなやりとりは耳に入って居ない。杏奈の心は降り積もる葉に覆われ、それ所ではなくなってしまっていたから。だから一言も紡ぐ事無く黙り続けては、まるで其れがハナミズキから降り注ぐ葉の様に、何処か切なげな表情で仰いでいる。〕
――。
〔結局、彼女が言の葉を出す事は無かった。
二人が管理棟へ行く、と言い出した後。
風雪が杏奈へ誘いの言葉をかけた時、〕
あ。
〔ようやく一人の世界から此方へ戻った程なのだから〕
(48) 2009/02/20(金) 04:51:53[→管理棟側(花水木の下]
〔きっと杏奈が風雪の挙動。
木へと語りかける様子を見ていたのなら。
彼女は降り積もる葉以上に、
こみ上げる想いに耐えられず涙を流した。
けれど、其れを知らぬ杏奈は〕
いえ。あの、私は。
〔誘いの声に、恥ずかしそうに俯き首を左右に振った。〕
独りで、大丈夫、です。
〔何処かズレた返答をする。
シーツに包まる身体は微か、震えていると云うのに〕
(49) 2009/02/20(金) 04:55:36[→管理棟側(花水木の下]
〔杏奈は二人を見送り、再び独りを噛み締める。
彼女の頭上を覆うハナミズキ。
其れは背を撫でる様に、優しく揺れた。〕
?
〔どれ程の時が流れたか。
次に彼女が人を認識したのは老齢の男性。
優しそうな顔立ちの挨拶に、〕
おはよう、ございます。
〔杏奈もぼそりと返し、軽い会釈で見送る〕
(50) 2009/02/20(金) 05:01:57[→管理棟側(花水木の下]
〔(>>1:70)そうして老齢の男性を見送り、
はためくシーツは再び独りに。
何故だか彼女は此処から離れない。
寂しげな表情でハナミズキを仰いで居る。〕
……。
〔次に訪れた男性の挨拶に対し(>>1:144)、
無言のままに会釈をしたようだ。
きっと名を聞いたなら杏奈も返答した。〕
(51) 2009/02/20(金) 05:11:30[→管理棟側(花水木の下]
〔男性の後は、再びの少年(>>1:163)。
曰く、がけ崩れが起こっていると云う。
緩やかに瞬く瞳が少年の言葉を聞くと、〕
ありがと。
〔小さな声で、ぽつり。
気遣いに対しての礼を零した。
そして去り行く少年の背を見送る杏奈。
ハナミズキは優しく、揺れるだけ。〕
- 回想・了 -
(52) 2009/02/20(金) 05:56:42[→管理棟側(花水木の下]
- 管理棟側(ハナミズキの真下) -
〔寂しげな表情は変わらない。
何かもこもこと口許が動くが音は漏れなかった。
不意に男性の声が掛かり其方を向く(>>1:201)〕
……わざわざ、すみません。
〔笑顔は無い物の、
杏奈がお礼らしきものを口にし、
しずしずと礼を取るのは御飯のせいか。
男の後について歩き出そうとするも、
何か具合の悪そうな姿を見て首を傾ぐ。
心配を言葉にしようとして(>>0)
灯りが消えた(>>9)のを呆然と眺め。〕
(53) 2009/02/20(金) 06:23:45[→管理棟側(花水木の下]
文学部 アンは、会社員 テンマと共に管理棟の中を覗きこむ。
2009/02/20(金) 06:26:23
〔男性の後に続き、棟内へ。
遅れて共に入る炊事場で、見て、聞いて。
触れ行く人の名残をぼうと眺めている。(>>19)
あくまで無表情であるため、
思考が面に現れず恐れていないように見えるが〕
……っ
〔きゅ、と拳を浅く握るのは恐怖のせいか。
其れでも唐突な声が声が(>>22)あがれば〕
!!
〔びく、と身を竦ませ距離を取った〕
(54) 2009/02/20(金) 06:31:26[→管理棟側(花水木の下]
〔耳に届く微かな声でおおよその察し。杏奈自身が繰り返す呼吸が、自身で一際強く感じてしまうのは、常では無い状況に惑う心のせいか。〕
――。
〔周囲の人のやりとりに耳を傾けては黙り。
瞳が窺う様に、ちらちらと合間を行き交う。
殺人、はじまりのくらく、と聞こえれば〕
――。
〔すぅ、と細まる瞳。
暫くは場に留まっていたが、
やがて人が散り行くのであれば
続いて割り当てられた家屋へ戻るだろう*〕
(55) 2009/02/20(金) 06:40:15[→管理棟側(花水木の下]
文学部 アンが接続メモを更新しました。(02/20 06:40)
文学部 アンは、作家 フユキやペケレを見れば意味深な視線を向けたかもしれない*
2009/02/20(金) 06:49:42
文学部 アンは、編集者 グリタに対してもすれ違う折、意味深な視線を投げたろうか*
2009/02/20(金) 06:54:40
- 朝・割り当てられた家屋前 -
〔2度目の逢瀬は必然。
杏奈は一人、ハナミズキを見上げ涙を流す。
頬に伝う温もりは、顎先に触れ地に落ちる頃、
その温もりを失ってゆく。〕
……管理棟の前の子じゃない
〔呟く言葉と共に、ゆらりと伸びる手。
昨日まで纏って居たシーツは家屋の中だが、
今日はシーツの代わりと言わんばかりに、
その身のあちらこちらについている、羽毛。〕
(129) 2009/02/21(土) 15:09:54[管理棟→家屋(予定]
文学部 アンが接続メモを更新しました。(02/21 15:10)
此処だったんだ、ね…
〔触れた手は更に奥へと伸び、
その木を抱きしめる様に優しく回される。
きつく抱きしめ、瞳をとじて〕
ごめんね…
ごめん、…ごめん、ね…
〔辛そうに零す言葉。瞼は微か、震えている。〕
(130) 2009/02/21(土) 15:14:02[割り当てられた家屋前]
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