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「モミジちゃん!」
[あの日からまた数日後。
引き寄せられるようにして足を踏み入れた横丁のお社の前で]
あれ? ゼンジさん? こんにちは。
[彼女は再び奇妙な出遭いをする]
[交わした言葉は他愛のないものが大半だっただろうか。
それでも彼女は、ふとひとつの疑問にかち当たる]
ねぇ、ゼンジさん。
思い出屋さんってどこで思い出を仕入れているのかしら?
それと…
[その後古き知り合いと分かれた彼女は]
あ、焼き鳥屋のおじさんこんにちは。
え? 新しい噂?
お饅頭屋さんのこし餡が?
でもそれは…
はい? Tシャツに蛙って…
それはある意味思い出屋のお仕事っぽい感じが、しないこともないわよね…。
[新たな噂話を耳にする。
こし餡を抱えた夕日色のジャンパーらしき男。
そして懐かしいアニメのような悲劇に遭った、マフラー男らしき姿。
それはある意味思い出屋の仕業にも思えた。
懐かしい、という意味で**]
[あれからまた数日がたち。
山場を越えて疲れた編集者がゆっくりと路地を行く。
結局どちらともつかずふらふらといったりきたりしている男は、芸人や探偵の噂を耳にして首をかしげた]
……漉し餡にカエル?
[首をかしげて呟き]
思い出屋にあえたんだろうか。
[仕事で向かったテレビ局で見かけた芸人は、路地で見るときとは違った顔を見せているから、よくわからなかった。
だが、今日此処で会わないのなら、きっと会えたのだろうと、そう思った]
こんにちは。
それともこんばんは、かしら?
[社から出て横丁の路地。
ひとり路地で子どもらしい遊びをしているプレーチェへ声をかけた。]
思い出は、買えた?
それとも――売れた、かしら?
[モミジに声をかけられて、
立ち上がって、彼女を見た]
心は、決まった?
[モミジの問いには答えず、グリタに目線を移し二人ともに、そんなことを言う]
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