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[階段を上る、靴音が響く。
窓硝子を叩く、雨音が幽かに聞こえる]
12年も経って、今頃、なあ。
[パイプを吹かしながら、物思う]
本当に、言いがかりも甚だしい。
が。
[手すりに寄りかかり、一階を見下ろす]
誰も否定しなかったな。
今の宇野は医者なのかね?
それとも皆、友と言うほどの仲ではないのか。
あるいは――
[宇野は医学生だった、そんなのは嘘だ。
自分の過去を、隠すための嘘]
捜すべきは屋敷の中ではないのかもしれんが、それなら一体誰に化けたというのか。
[食堂でのグリタの言葉を思いだし、煙混じりのため息を*吐いた*]
[二階廊下]
もし、あの面子の仲に居るのなら、一緒にいるのが安全なのかどうか。
いやしかし他人の目が在る場所で事に及ぶことも在るまい。
[憚ることなくパイプを吹かしながら、廊下を歩く]
しかし……
[客室、閉まっている扉はノックし、開いている扉は中を覗き]
ボタン殿はどの部屋で休まれたのだろう?
[二階のどの部屋にも、その姿は見つけられず]
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