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[がさがさとツツジの植え込みから体を引き抜く。空を仰ぐと日はすでに高く]
ここらじゃないのかな…先生が他にぶらつきそうなところって…。
――昨夜、合宿所を飛び出してから向かった雑貨屋で見た幻を思い出す。無邪気に頼み込むあの日の自分と困ったように微笑んだレベッカさん、そして差し出された指輪。
[何かが動く気配に顔をそちらに向けると、白い猫が校舎の陰に消えるところで]
[立ち上がると、誘われるように校舎の玄関口に向かった]
[角に消える白猫を追いかけて二階への階段を昇る。先に階段を昇り終えた白猫が左に折れるのを目にして動悸がする]
あの先は、教室と…科学室。
[階段を昇り終えて左を見やると、予想したとおり白い尻尾が科学室へするりと滑り込むところで。急いで幻が霧散するのを恐れるようにゆっくりと科学室に向かい、ドアの前に立つと取っ手に手をかけて開く]
[そこには猫の姿はなく、借り物の指輪をはめて嬉しそうに目の前にかざす自分の姿]
レベッカさん…わたし…ただ貴女やマリーみたいになりたくて。
[目を背けたいが逸らせない。6年前の自分が指輪を外して箱にしまったのと同時に背後の扉が開く気配。入ってきたのが誰かは振り返らなくても覚えている。アーヴァイン先生はあの時『おや、いけませんね』と言ったのだったか]
[待って、お願い、あの日の自分と同じ台詞が喉に出かかるが]
え……?
[箱を手に取り開いたアーヴァインの肩がぴくりと震えるのが背後からでもわかった。そして、振り返った先生のいままで見たことのない神妙な顔つきに思わず声がもれる]
先生……?
[返事はもちろんなく、アーヴァインの幻が自分の体を通り抜けて行くのを呆然と見送った]
[我に返って科学室を飛び出す。しかし廊下にも、覗きこんだ職員室にも先生の姿はなく、代わりにアーヴァインの歓声が聞こえてくる]
下からだわ。
[脱げそうになるサンダルをもどかしく思いながら階段を駆け下りる。声に向かっていくとそこは視聴覚室。ドアを開けると、机に顔を伏せたハーヴェイを認めて]
ハーヴェイ?
[一歩歩み寄ったところで再び湧き上がる歓声。スクリーンを見やると、体育祭の様子が映し出されていた]
[ハーヴェイから今朝の様子を聞かされて]
二人だけが?
まだ直ったといっても本調子じゃないのかしら。
[デボラとモーガンの名前を聞くと、じゃあもう時間がないな、と呟く。文化祭の話には頬を緩めて]
柱時計の役が良いって言ってハーくんに却下されたよね。
着ぐるみを最後、キャンプファイヤーにしようって言うのをノーマン先輩が必死に止めて大事そうに持って返ってたのも意外で可愛かったな。
文化祭のテープもあるの?
[そう言ってテープの山を眺めて、その中に古びたテープを見つけて手に取る。『○○年卒業式』タイトルは文字が擦れて判読できない。ハーヴェイの呟きには]
あ、うん。アーヴァイン先生は行事に命賭けてるって感じだったもんね。
[熱心に体育祭の録画を見詰めるハーヴェイに釣られて再びスクリーンに目を向ける]
わたしたちが1年の頃のかぁ。
あ、先輩達も映ってる。
[椅子を引いて座り込む。場面は2年生のマスゲームに移っている。頬杖をついて先輩達の懐かしい顔を眺めているうちに猛烈な眠気が襲ってくる。抵抗するように二、三度目をしばたかせたが、結局、万国旗のはためく夢の沼に*沈んでいった*]
[寒さに震えて目を覚ますと辺りは薄暗く、スクリーンの青い光の中でぶぅんと低い映写機のファンの音が部屋に響いている。部屋をぐるりと見回すとハーヴェイの姿は既になく]
そうだ、テープ。
[体の下敷きになっていた古いテープをケースから取り出すとデッキに入れ再生する。映し出された映像は音声の無いコマ送り。私的な記録なのか、ある男子生徒の卒業式の風景を追っているようだった]
この人…どこかで…。
あ、あの写真の。
[ポケットからフォトフレームを取り出して写真を眺める。中央に写っているのは確かにスクリーンで快活に笑う男子生徒]
[映像はさらに進み、科学部の部室が映し出される。男子生徒を中心に数人の男女。デボラやモーガンの姿も見える。二人ともまださほど白髪が目立っていない]
うわ、先輩達若いなぁ。
これいつ頃のなんだろう。
[と、男子生徒の隣に1人の女生徒押し出されてくる。その顔立ちは]
レベッカさん?!
……でも、そんなはず、ない。
[呆然とスクリーンを見つめていると、男子生徒がカメラに向かって手招きをしている。カメラを机に置いたのだろうか、画面が揺れ、撮影者が群れに駆け寄る。手招きした男子生徒に首を抱えられて振り返った撮影者の顔は、あどけなさの残るアーヴァインだった]
[そこでテープは終わっており、巻き戻される音が視聴覚室に*響いた*]
[とりあえず落ち着こうと部室棟でシャワーを借りて人心地ついた後、もう丸一日合宿所に戻っていなかったことに思い至る]
そろそろ戻らないと。
いくらなんでも自分勝手しすぎたわ。
[まだ少し濡れた髪を両手で押えて縛ると合宿所に向かった]
[ニーナに手を振り返して同じく調理場を覗くと鉢皿に料理を盛るシャーロットの姿]
三日会わざれば、ね。
もともと筋は良かったんだろうなぁ。
[自分の出る幕はないと判断して引き返すと、テーブルを拭き始めた]
[料理を運んできたシャーロットに]
テーブル拭いちゃってるからこっち置けるよ。
[皿を覗き込むと煮崩れも無く]
ずいぶん上達したんだね。
こないだが嘘みたい。
[心から感心しつつシャーロットの健闘を称えた]
[シャーロットの様子に二人の不在を意識して]
二人だけ先に戻ったんだってね。
逆にこっちのこと心配されてたかもしれないよ。
でも、ロッテが切り盛りしてくれてる様子が向こうから見えてるなら、マリーも少しは安心してるかな。
[シャーロットが見つめる方向をみやる]
え?
あぁ、なんでだろ。
クリスマスっていうと弟や妹に何かあげる日っていう刷り込みがあるからかな。
[とうとうトナカイに確定したギルバートに似合ってるよ、と笑うと]
札束かぁ…札束も良いけど愛が欲しいわ、わたしは。
[箸でテーブルにうずまきを書いている。クリスマスにはあまりいい想い出がないらしい]
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