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[青いマフラー、紺色のハイソックスに茶色のローファー。高校生にとって、制服は"普通"で"日常"の象徴みたいなもの。そのはずなのに]
落ち着かない、なあ
[おばあちゃんもいない。
顔見知りの患者や看護師はちらほらと訪れたのに、最近顔を見ないと思っていた医師も来たのに、会いたい人には、会えない]
[朝も、昼も、真夜中も。
眠ることなく病院内を彷徨い続けた。
真夜中の病院は、静かかと思いきや、息をひそめた人が沢山で、ざわついた空気が実体をなくしたはずの少女に迫ってくるのだ。
それらから逃げるように、ラウンジや屋上や中庭や…星が見える外へ、ともう動くことのない肺に、胸いっぱい息をすいこむために、飛び出した]
[久々に訪れた眠気に、少女はラウンジにある椅子に、深く沈みこんだ。最後に笑ったその場所で、ゆっくりと瞼を下ろし――――
意識は潮風に吹かれ、溶けていった]
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