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――私は、東京のアジトで新たな指令を受け取った。{3}{5}(昨日のガセの分)
心ならずも、最初の4文字で事件の重要性を知った。
私のコードは0031、組織と契約する際の条件として私が要望したものだ。
そう、掛布が阪神に入団して以来の私のラッキーナンバーだ。
こんな仕事をしていれば、いつ美人の死神が訪ねてくるか分からない。
げんを担ぐのはごく当たり前の話だ。
だが、>>#10だった。
掛布と同じ時期で33番といえば、暗黒仲間のダイエーにトレードされた大野久が思い浮かぶ。
……ふっ、ヤバい仕事になりそうだぜ。
――私はタシュケントへ向かう機内にいた。
ちょうど海外旅行シーズンとかぶったのが幸いとなり、紛れるには充分な乗客がいた。
今が幸運だからこそ、不幸は目の前で待っている――そんな危機感は私のシャツを汚すことだろう。
そう、その不幸はすぐに訪れた。
油断していたらいつのまにか隣の乗客に肘掛けを奪われてしまったのだ。
私は身を隠すためにエコノミーを選んだことを激しく後悔した。
フライトは、長い――
――私はタシケントのユジュニー空港に降り立った。
……暑い。
探偵のトレードマークであるトレンチコートを早々に諦めた私は、まず0026に連絡を入れ、合流したい旨を伝えた。{6}
通信の傍受を考えればやりたくなかったが、どこでどんな格好をして何をしているのか分からない以上はやむを得ない。
砂の舞う熱風から身を隠せる場所を探し、まずは街の散策に出た。
東京にいたと思ったターゲット、次は逃がさん。
>>73
――通信を終了した私は、直ちに移動を開始した。
暗号にあった「カカシの隣の大学」は、灰色の単細胞を持つ私にとって極めて簡単な謎かけだった。
旧ソビエトの一員だったウズベキスタン、となればカカシが指すのはレーニン像に違いない。
もちろん独立後に残っているとは思い難いが、旧ソと縁が深い大学を指しているのは明白だ。
私は適当な服装を調達し、大学に潜り込むことにした。
――私は0026を発見したが、特に話しかけることもせず校舎に入った。
目的も目的地も分かっているのなら、打ち合わせは必要がない。
むしろ下手に連れ立つと逆に怪しまれる。
気付けば勝手に連動するだろう。
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