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――私は校長室に素直に入らず、様子を伺っていると0026が堂々と入っていくのを確認した。
いつもながらあの度胸には恐れ入る。
あの表情は素なのか自信の表れなのか……どちらにしろ、騒動の物音が鳴らなかったので私も足を進めた。
……?
部屋の中央で固まる0026を訝しんだ。
――本部へ報告をしている0026を他所に、私は落ちているTシャツから目が離れなかった。
シャツにカエルと言えば例のアレだが、そんなセンスがこの中央アジアの二重内陸国に伝わっているとはどうしても思えなかった。
衝撃度で言えば、かつてエジプトに潜入した際に露天の兄ちゃんがバザールでござーると連呼していたのを見たのと同じぐらいだ。
ターゲットは東京にいるという情報はあったがガセ、そして追ってきたここはもぬけの殻でこの日本のセンス溢れたTシャツ。
……これは東京から持ち込まれたものであり、ターゲットが東京からここに来たことに繋がらないか。
とりあえずTシャツを回収し、その場を離れた。
私はこのTシャツがターゲットの遺留品である可能性と解析の必要性について本部に連絡を入れた。{5}
他所ではデジタルに頼らねばならないのが心苦しいがやむを得まい。
解析次第ではもう一山あるかもしれず、この地を離れられない私は宿を探した。
道路を挟んで向かい合わせの宿の、両方に宿をとり、私が滞在しない方の部屋にTシャツを放り込んだ。
あからさまな見つかり方に罠の可能性も考えれば、Tシャツ自体と共にあるのは危険すぎるからだ。
私は向かいの宿の動向を窓からチェックしながら一夜を過ごすことにした。**
――私は通信を終了し{4}、デカイ山を掘り当てる方策に思いを馳せていた。
幽霊屋敷。
そう呼ばれているだけあって周囲から孤立しており、中がどうなっているか見当がつかない。
見た目はボロっちぃくても防備は完璧と見るべきだろう。
正面突破は無謀、どうにかして潜入したい。
私は現地エージェントに陽動と脱出の支援を頼むよう要望する{6}と、街へ情報収集へ出た。
潜入の取っ掛かりがほしい。
――私は街中で情報を集めていた。
幽霊屋敷は人気がないから幽霊屋敷であり、防備が堅くなればなるほど噂は広まる。
人が居れば食料が要る、多くの人数を揃えるならなおさらだ。
普段が幽霊屋敷なら大量の備蓄は考えにくい。
大量の食材を買い込むか交代で外食に出るしかないのだから必ず糸口はある。
1:納入業者を知る
2:買出しの店を知る
3:外食の行きつけを知る
4-6:わからなかった
さて、結果は……{4}
――私は砂まみれの熱風に打ち震えながらうなだれて宿に戻った。
探偵は足で稼ぐ人種だから空振りは当たり前だが、どうにか情報を得られないと潜入のしようがない。
明日もう一度調べるか、これ以上やれば勘付かれるか……思案していると窓に伝書鳩が来ているのに気付いた。{4}
――差出人は0099からであったが、彼女の消息は掴めていないことになっている。
99というと暗黒の象徴とも言える中込伸の背番号であり、その本人は起訴されたばかりということもあり、私は不安感を抱かずにいられなかった。
証明のため、私は時間をおいてから鳩を飛ばし返した。
さて、どこに飛んでいくか……。
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