情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[鳥が光って弓を放った。人は鳥に向けてすがる様な目線を向けたまま、弓の犠牲になっていく。]
あーあ、そんなに殺したら、ご飯が減っちゃうじゃないか。
鳥は、きっと馬鹿なんだな。
にいさまは、食べる分だけ殺しなさいって言ってたもん。
[死にゆく人には何の感情も覚えず、バラした足を咥えながら、鳥をじーっと見ている。]
ふーん、あの人達は「すくわれたい」のか。
「すくわれる」ってよく分からないけど、あの人達、ちゃんとご飯食べてなさそう。
食べ物はここにいっぱいあるのにね。
[座り込んで足をバリバリ食べていたら、そこに弓が飛んできた。]
うわぁ。
[座って食べていたので、避けきれず脇腹を掠める。]
な…、なにするんだよう、馬鹿な鳥!
んあ、話もせずいきなり弓を打つのは野蛮な馬鹿だよ!
[血塗れの口にむかって矢を放ってきた鳥に、怒りを込めて咆哮する。
みるみる身体が変化していく様子は、他人に嫌悪を抱かせるだろう。
異様に長い手、体毛一つない身体、赤い目に大きく裂けた口、黒い皮膚と、もしかしたら鳥=天使と対局の存在を連想させるかもしれない。]
痛いじゃないか!
[口を手で守り、刺さった矢から血が染み出す。矢を引き抜き、バリバリと食べ出す。]
馬鹿な鳥、黙れ!
[鳥に近寄って、長い手で相手を引っかこうとする。空中にいる相手に届くだろうか?]
化物じゃない化物じゃない化物言うな!
[力任せに振った手には手応えがあった。手には血痕。もう一発殴ってやる、と思ったところで、鳥から新しい矢が放たれる。
避ける事もせず、もう一つの手で防御する。新しい傷口から血が噴き出す。]
痛いよう、痛いよう。
[異形の顔が痛みで歪んでいた時、横から鳥めがけて、歪な槍が飛んできた。マティウスの槍!]
[馬鹿な鳥が悲鳴をあげて逃げていく、いい気味。
しかし、マティアスの能力には驚くばかり。物を変化して飛ばす、まさに人外人知の及ばない力。
家を探すまでの間、途中でお腹が空いたら食べてやろうと思っていたが、下手すれば返り討ちに遭いかねない。
形容し難い恐怖にぼうぜんとしていたら、傷口をペロリと舐められた。]
う…、んあ、何する。
[異形の身体を震わせる。相手の意図が分からず、恐怖が増幅されていく。]
[舐められた傷口、腕を引っ込め、半分涙目になり、あふれる感情を物にぶつける。]
うあ、うあ…、怖くなんかない!怖いなんて僕には分からない分からないんだからー。
[腕をぶんぶん振り回して、辺りの物を破壊する。それに巻き込まれた人間はご愁傷様だが、同情する人は誰もいないだろう。]
[長すぎる腕を振り回しながら暴れているが、傷口から腐臭と共に組織が剥がれ出す。身体を維持するには、捕食が必要だ。辺り一帯は形容し難い悪臭が充満する。]
餌…、餌…、お前もお前もお前もみんな餌だ!
[変化を解いて、辺り構わず人間を襲い食い続ける。いつものように食事に感謝する事もなく、只々飢えに対抗する為の捕食。]
喰ってやる、みんなみんな!
[そう、マティウスだって。こいつは【食べても大丈夫な肉】だ。喰う時までは仲良くしてやる。]
はぁはぁ…。
[怒りと生命の危機に急かされた捕食は、心が満たされない。荒げた息を整えながら呟く。
マティアス…、これからどうする?
お腹はいっぱいになったよ。
僕…、1、2…、いっぱい食べた。
[ぼーっと上を見上げながら、呟いた。]
一人しか食べてない?すぐにお腹が空くよ。
[お腹はいっぱい、でも機嫌は悪い。
でもそもういどうでも良くなり、周りが見えなくなる。]
そうだ、お家に帰らないと…、お家。
[マティアスの事を忘れたかのように、外套を引きずって、ゆっくり歩き出す。マティアスがついてくるか、否か、それは感知せず、だらだら歩く。]
[しばらく黙って歩いている。
マティアスが言う楽園とは何か?どうも、お家の事らしいのだが、何故知っているのだろう?僕とにいさまだけの家の筈なのに。]
楽園…、ああそうかもね。
[ぽつりと呟く。]
鳥の血の匂いがする、ような…。
ああ、あの鳥は許さないよ。マティアスが食べたいならあげるけど。
あいつの羽根をちぎってやる。
[屋上庭園の近くを歩いている、ような。もちろん、自分がどこを歩いているかは分からない。]
んあ、甘い?
[「きょうだいしまい」にはわかる、甘いという間隔。なぜ、僕には分からないのだろうか。もしかして、僕は完成品では…、いやそんな事ない。]
へー鳥は甘いんだ。僕も食べてみたい。
んあ、なんか鳥臭い。臭い臭い臭う鳥の臭い。
[マティアスを無視して、屋上庭園の方へ向かうだろうか?]
[>>92 マティアスの「すぐ戻る」は多分聞こえない。]
臭うんだ、甘い鳥の臭い。血が滴っている。
[屋上庭園への階段、といっても瓦礫の山だが、それを這うようにずるずる登り出す。]
[身体中に擦り傷を作り、屋上庭園にたどり着いた。
とはいえ、庭園の体を保っていたか?]
んあ、鳥だ鳥だ。
[もう一人の人間には気付かず、鳥の方へゆっくりと歩き出す。手には、肉切り包丁。]
んあ、なにこれ。
[脆弱なレンガ床に、大きな亀裂が走り、いまにも床が崩落しそうだ。]
ちくしょう、鳥、お前の血を羽根を肉を食わせろ。甘いという感覚を味わせろ!
[包丁を持った腕めがけて飛んできた矢を、横に転がり何とかかわす。矢は地面に突き刺さる。]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了