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――女子トイレ・花子さん――
…――――
[器と一緒に、引っ張りあいをしていたけれど
間接的じゃ力が入らずに。疲れてきた]
あー…―――
もう、仕方ないなぁ
[器から、ふらりと離れて
トイレの中で笑っている、少女の霊の前に]
おいたしちゃ、ダメ
[ぴち、っとデコピンをした]
――女子トイレ――
[一瞬、引き入れようとする力が緩んだ]
おっ…――――と
[ぐい、っとマシロを引き寄せて
マシロを抱えたまま、女子トイレから出た]
あ…――――
つかれた
[外に出たら、ぺたりと座りこんだ]
ん…――――?
ああ、仁
大丈夫だよ、代償さえ貰えればね
一度失った何かを取り返すのは、大変なの
それだけの何かを、支払うなら大丈夫
[げしげし、花子さんをふんづけている
私を疲れさせた、罰]
いうなれば、自分の人生を買うんだもの
怖い思いをしました、じゃダメだよ
[ぺしぺし、花子さんを叩いた
びよーん、と花子さんを伸ばした]
悪魔と取引をする時は、肉体の一部とか
死後の魂とかを、交渉材料にするね
私は、悪魔じゃないけれど
死後の魂を、悪魔に喰らわれると言う事かな
転生の権利を失う、と言う事だね
[ぶんぶん、花子さんを振りまわしている
ぽい、っと窓の外に捨てた]
でもまぁ、自分で考えるといいよ
自分の人生に、見合う何かを
魂に刻んだ呪印は、転生しても消えないよ
魂に刻まれたまま、何世代も受け継がれる
貴方の魂が、失われない限りね
…――――
その代わり、女の子にはもてなくなるかもね
[くすくす、笑いながら説明した]
[肩に顔を埋める、マシロ
照れくさい、と言う感情も確かにあったけれど]
…――――
[そっと、彼女の背中に手をまわして
ひとつ、ふたつ、ゆっくりと背を叩く
彼女が落ちつくまでは、ずっと*そうしていて*]
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