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―三等客車→食堂車―
[華やかな式典は離れた後部の三等客車からは、別世界の様で――、
ゆっくりと走りだす汽車の規則正しい揺れに体を寄せて。]
この旅は、私に何を見せてくれるんでしょうね。
[並べたタローを集め、箱に入れようとして、ふと一枚のカードを手取り、にっこりと笑みを浮かべる。
――LA LUNE
そのカードを箱に戻す。]
星は時期早々と言っているし、カードもその時期ではないと言っている―…‥、
もう少し様子を見て、見定めないと。
[鞄を手に食堂車に向かった。]
―食堂車―
[食堂車に辿りつくと、三等客とは思えない優雅な振る舞いで、席に着くとブリヌイと付け合わせにサワークリームとジャム、飲み物にクワスを頼む。
流れ行く車窓に時折目を向けて、ゆっくりと物思いに耽るながら。]
ロマネス家の秘宝―…‥
どんな内容が書かれてるのかしら?
[窓に映った女の顔は、どんな表情だったか――。]
[賑わいだした食堂に、見渡す様に視線を流して、ブリヌイにサワーミルクをのせて、口に運ぶ。
そして時折、乾いた喉を潤す様にクワスが入ったグラスを口にして、]
(使う薬はそう沢山要りそうも無いわね―…‥、
――薬より、香の方がいいのかしら?)
[蒼い瞳を瞼で隠して、思いを馳せる。
光が黒髪に流れて、玉虫色の蒼みを流れさせる。]
[食事を済ませた後のテーブルの上にはチップを加算した料金が置かれている。]
ご馳走様、美味しい軽食だったわ。
[給仕に声を掛けて、優雅な笑みを浮かべる。
ゆっくりとサロンの方に向かうと、記者らしい風体のレイヨに足を止める。]
物書きの方ですか。
何か興味深い題材でも、例えばロマネス家の秘宝とか―…‥
[冗談めかした台詞に、クスリと笑みを乗せた。]
私の紡ぐ言葉は、その人が何らかの一歩を踏み出す為のきっかけの為の言葉。
星も、カードもその手助けに―…‥、
哀しい事にそれは事実に基づいたものではありませんけどね。
もしかして迷っている答えがありのではと思うと―…‥
これは真実を見極める記者さんには余談ですわね。
[長い黒髪を右手で弄ぶ、一瞬髪で表情は隠れる。]
私は少しお仕事を致しますので――。
この長旅で他の方々の暇潰しでもなれれば幸いと思ってますの。
では失礼致しますわ。
[優雅にサロンから立ち去る。そして係員に声を掛け、話しこむとそのままサロンから出ていく**]
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