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[止まった列車を降りると、協力者の男が真新しいタローカードを差し出す。
一番上にあるのは――、
――『L'IMPERATRICE-女帝-』の逆さ位置]
これは私に対する嫌みかしら?
[黒髪をかき上げて、占星術師らしからぬ、色っぽい濡れた様な瞳を皮肉っぽく向ける。]
今度は失敗しないわよ。
私の信頼の為にも、そして自分の為にも―…‥
―何処か―
[扉を開ける音がする。
横に寝ている男を起こさない様に、ゆるりと起き上がる。
そして寒さを感じる素肌をバスローブだけを羽織り、ゆっくりと扉の方へ――。]
何か御用かしら?
[僅かに開けた扉の隙間から、怪しげな男の瞳が覗き込む。
『占星術師、いや毒婦イェンニ。死神が運命の輪を回し始めた。
月の下で生きるか、それとも太陽の下で生きるか、審判を仰げ―…‥』
怪しげな男が言霊を紡ぐ。]
決まってるでしょう、私は世界を求めるわ。
前回の汚名を晴らすまでは―…‥。
[眠る男の口に小瓶の中身を垂らす。
そして小さく呟く――、]
イェンニは遠い所に行くわ、だから忘れてちょうだい。
思いだしても追って来ないで―…‥
[そう暗示を掛けると、手早く着替えて、荷物を纏めた鞄を持って部屋を出る。]
次の仕事は何かしら?
[女は暗闇の中へと消える。]
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