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あー、じゃあ、すぐに届けて正解でしたね。
[大事なものだった、と言われて>>66にぱ、と笑った。そちら方面の知識はないので、木槌を何に使うのかはわかっていないが。
物言いが曖昧になったのは、どうしても『撮れないもの』があるからで。
幸い、そこを突っ込まれる事もなく、話題は流れていく]
うん、ここにはそれ目的で入り浸ってますよ。
[問いかけに、こくりと頷いて。
それから、ふとある事を思い出してぽん、と手を打った]
樹木医の樹村さん……って、あー、職員さんからもたまに聞くなあ、名前。
ここの植物が元気いいのも、樹村せんせのおかげだー、って。
[屈託ない笑みと語る口調は、純粋に父親を尊敬してるのかなぁ、と思わせて。
それもそれで、少し複雑なものはあるが──まあ、出しても詮無い、と押し込めた。
そんな制御は、ここに来てからはいつもの事]
ほんとに、大事にされてるんでしょうねぇ、ここの木って。
[なんて、適当な相槌を打ちつつ。
友幸の視線の先を追う事はしなかったから、彼が何を見たのか>>78には気づく事はなく]
え?
あ、そーっすか。
[顔色の変わった様子に、どしたんだろ、と首を傾げながらもその意を問う事はせず]
これから、お仕事っすか?
頑張ってくださいねー。
[妙に重く見える足取りで戻る背>>79にややお気楽な声を投げかけた]
……さて、と。
[当初の目的を果たした所で、は、とため息をつく]
どーすっか、なぁ……。
[いつもなら、感覚に任せて写真を撮りに行くところだけれど。
何となく、何となく──そういう気分になれなくなって。
もう一つ、息を吐いてがじ、と後ろ頭を軽く掻いた。**]
[ここで突っ立っていても仕方ない。
そう思ったけれど、どうにも気が乗らない]
……んー、ちょっと、歩くか。
[まずは気分転換するべきか、と。
そう呟いて、遊歩道を歩きだそうとして]
……?
[根拠はない。
ないけれど、誰かに呼ばれたような気がして振り返って]
……っ!
[いろが広がったのは、一瞬。
霞纏って揺れる藤色は柔らかく──けれど、瞬きする間にそれは消え失せる]
……なーん、なの。
[ぽつり、零れ落ちる呟きは小さく掠れたもの]
疲れてんのかなあ……。
……藤の花、かぁ。
[ここに来る前にいた場所──つまり実家の裏山には、野生の藤が群生している場所があって。
子供の頃は、よくそこで遊んでいた、けれど。
いつからか、そこには行かなくなっていた。
理由や切欠は、記憶のどこにもないけれど]
……なーんで、だっけ。
[ふと、そんなことを考えたのは、先ほど見せられた写真があまりにも見事だったから……かも、しれない]
……ま、今考えるべきは、そこじゃないかぁ。
[ふる、と首を振って泡沫のような物思いを振るい落とす。
今考えるべき事は、多分、きっと]
……今日の夕飯。
[と、もう一つあるのは、またもぽいしておいた]
どーすっか、なぁ。
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