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――ワカバさん。……大丈夫ですか?
[現れた姿を見て、その名を呼ぶ。少し間を置いてから続けて問いかけた。土で汚れて見える白衣と、沈んだような様子に向けて。尋ねる男の声もけして明るくはないものだっただろうが]
大丈夫なら、良いのですけれど。
……こんな状況で、平気かどうかなんていうのも、妙な話でしょうけれどね。
[眉を下げて僅かばかり笑み]
私を?
……セイジさんの、お母さんが。
[続けられた問いかけには、瞬き、驚いたような顔をした後、困惑したような表情になった。じっと、思案するように沈黙していた後]
……本当のところは、知りません。
実際に何があったのかは。
ですが……
[何かしら躊躇うように、呟くように零した]
不慮の転倒による死亡。
……それだけにしては、奇妙なところがある事故だったという事は、覚えています。
当時は私も若かったですし……あまり真剣には考えませんでしたが。
……
もしかしたら、あれは……
「事故」では、なかったのかもしれない。
[曖昧な言葉は、しかし神妙に]
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