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な、なんか、くってる。
[見間違いかと目をこすって
厨房のもやもやをじいと見続ける]
なに、くってんだ…
そもそもくえんのか!!
[驚く場所が、違う]
そ、そこ。
[厨房の、コンロの近く。
鍋が置いてあるあたりを指差して]
…荒れてんのか…
[もそもそと遠くで籠もる声。
何を言っているのかよくわからないが、
なんだか憤っているらしい]
オレ、なんであんなん見えてんだ…?
[表情を引きつらせて首をひねって]
オレもてつだう!
[椅子からとん、と飛び降りて、
びくついているイマリの側に行った]
…ばんばんじーは、でざーとじゃない。
[もそっと、何かに反論するように呟いて
イマリが並べる材料を見れば目を輝かせた]
おーっ。
すげえ、プロっぽい。
[喫茶店の厨房自体がはじめてで
物珍しそうにきょろきょろと。
それでもある一角を見ては時折唸って]
もぉー
何でみんな見えねーんだよーっ
ほら、ほらそこだってそこ!
[もどかしげに地団駄を踏めばイマリに頼まれて]
お、おー。
わかった!
[棚のグラスをジャンプしながら一つずつ取り出して、
おしぼりを出して…と]
うわあああ。
なにすんだモヤったろー!
[目の前に人の形のモヤモヤ。
おしぼりをつかんだように見えて声を上げた]
[もやもやを見て、口を尖らせて。
べーーーっっと舌を出す。
お盆に置いたグラスに水を注いで、
そーっとそーっと席に運んで]
おー。へーきへーき。
[イマリに軽い調子で返事をするも
手元は重さでカタカタとしている]
お、おまたせしましたぁ。
[テーブルに近づいて油断したのか、
カタンとよろけて思わず裏返った声を出す]
[水とおしぼりをテーブルに一つ一つ置いて
すたすたと厨房へ戻ったと思えば、
おもむろに冷蔵庫を開けて]
オレも、つくるー。
[へっへへーとにっかり笑ってイマリを真似ながら、
サンデーグラスにバニラアイスを。
それから抹茶アイスとあんこ。
生クリームをコレでもかとかけて…
シロップ漬けのさくらんぼ…を手にとった時]
あ。
[イマリが作ったパフェのポッキーが、
ポキン、と折れて]
あー、それおっさんのパフェだぞ!
[じいいいい。
折れたポッキーが、てっぺんに刺さる]
モヤったろー…なにしてんだ。
[子どもながら少しあきれたように呟いて
冷蔵庫を開けて緑色の粉を見つけて取り出した]
コレ知ってんだぜ、まっちゃ、ってやつだろ?
[味見をしないでそれを生クリームの上に
さらさらとふりかけた]
…だまってコレでもくってろ。
[モヤモヤのある前に、自作のパフェをどん、と置く]
お、オレじゃないって
オレじゃ…
[イマリに叱られてたじたじになって
オレじゃねーのにとモヤモヤを睨む]
あいつがやったんだよ…
オレじゃねえってー
[鼻の下をこすった拍子に
手についた緑の粉が口に入った]
げ。か、かれえええっ
なんじゃこりゃ
[粉末ワサビだった]
うう、オレじゃねーのにー。
[ぷう、と頬を膨らませて厨房に回りこむ。
そこに見えるのは減っていくバニラアイス]
イマ、イマ、リ…
これだ、これっ!
[箱のアイスがみるみる減っていくのを
指差した]
[あっという間に空になったアイスの箱を
むすっとした表情で見て]
あー。全部くっちまった!
みんなの分のパフェ、つくれねーじゃん。
責任取れよな、モヤったろー。
[ぷうう、と頬を膨らまして
厨房を出たイマリに続いた]
おばけぇ?
[くっついていったイマリが座って俯いて言った言葉
今更ながらそれに驚いて]
おばけ…おばけ……?
え?
う、うわぁぁぁぁぁ
[すごくびっくりした。
お化けとは、思ってもみなかったから]
そうだよな、ふつー、おばけだよな。
なんで気付かなかったんだ…
[イマリの隣に座って、俯いた]
…アイスなら…あるぜ…
[俯いたまま、ぶすっとした声で]
アイツが、また出したらしい。
[厨房には真新しいアイスの箱が
出されているだろう]
[とん、と椅子を降りて厨房へ回り込む。
アイスの箱が開いていて、その脇に…
ステンレスの調理台の上にアイスで文字が]
なんてよむんだ、これ
[漢字はあまり読めなかった]
…何とか、参上。
[むむむむと腕を組んで唸って]
誰かーこれ、なんてかいてあんだ??
[誰かが厨房へ回ってきてくれたら、文字を指差す。
そこには『隼太参上』と]
ジュンタ?
[指した文字をミナツが読んで。
むうううと唸ってモヤモヤをみた]
ジュンタにーちゃんなのか?
…ポッキー折ったり
アイス食ったり、
パフェよこせって言ったり…。
[そんな奴だったかと]
うん、そこに…
[ミナツに、いる、と言いかけてモヤモヤなジュンタが
店の出口に向かうのを目で追った]
どこいくんだ?
にーちゃん?
[さすがにもうモヤったろーとは呼ばない]
[ジュンタの影がイマリを小突くような
素振りをしたのか、それを首をひねって見て]
そ、っか。
[影を追うように外を見れば]
あ、雪…
[ズイハラの言葉の通り、
雪は、あとわずか]
……あ、え?
おっさん?
…おっさん!
[はらはらとほどけていくのを
口を開けて見て…]
…うん。
[イマリの声にぐっと唇を噛み締めて
ポケットから携帯電話を出した]
…サッカー、教えてもらいたかったんだ…オレ。
[寂しそうに言いながら、携帯電話のボタンを
ぽちぽちとゆっくり押す]
おっさん…
[指は本文を綴る。
―雪に、願いを―]
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