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[『3階、スポーツ用品売り場で、私は、ネギヤさんを殺した。』
それが、私の日記に書かれてある、未来だった。
それが、私の守りたいものを守るための、選択だった。]
[近くの壁に凭れながら、私は>>289 眉を寄せたゼンジさんの表情を思い出す。
そこには、ちゃんと考えてものをいいなさい、っていうおばあちゃんの小言つき。
飴を持たされたのだって、元はといえばそれがきっかけだった。飴を舐めている間は、おとなしく考えていられるし、甘さが頭を動かしてくれるんだよ、って。]
…………んー……。
[詳ただ私は、守りたいものの為に、戦うって決めただけ。
それが何であるかを考えろというゼンジさん自身の中が見えなくて、もやもやする。
もやもやを放っておくのは嫌だ。けど、伸ばした手が掴み切れないような感覚に、幾ら考えても唸るしか出来なくて。何にせよ。]
………また、話してみなきゃ。
[それが実現出来るかどうかは、分からないけれど。]
[手元の日記が更新されていく。
『私は、4階に移動する。』
『私は、包丁を構えてネギヤさんを、』
日記は、まるで私の意志に応えるみたいに内容を増やしていく。それだけ、選択しうる未来が多いということでも、あるのだろうけど。
いつか、デンゴくんが言っていた言葉を思い出す。日記に書かれているではない、もっと別の選択があるはずだ、って。
つまり、日記に書かれていない行動だって、取れる。
私はゆっくりとエスカレーターを上がる。
大丈夫、って自分に言い聞かせるみたいに、何度か胸を撫でて。
>>294 聞こえたのは、ネギヤさんが叫んだ声。
ネギヤさんの背中は、私の前方にあった。
2番の子とソラさんが対峙しているのは、ネギヤさんの向こう。あれならば、私の行動を日記で見る余裕は、きっと無いだろう。
私はそっと、音を立てないようにネギヤさんの方へと近づく。]
[2番の子と、ソラさんの遣り取りが少し遠くに聞こえる。それが距離のせいか、自分の緊張のせいかは、分からないけど。
ネギヤさんに近づきながら、私は鞄の中の包丁を取り出す。そして私は、果物ナイフをブレザーのポケットに忍ばせて、鞄を捨てる。
端末は、反対のポケットの中だ。まだ、点滅していない。
両手でしっかりと包丁の柄を持ち、]
―――……ごめんね、ネギヤさん。
[少し離れた距離からの、一声。
それを契機に、地面を蹴って。
包丁の刃ごと、ネギヤさんに体当たりをしようと、駆け出した。]
[>>316 ソラさんの叫び声がする。
>>319 カノウくんが、名前を呼ぶ。
私は、止まらない。
仲間が、出来ることをしているのだから、ここで止まるなんて、出来ない。
ネギヤさんの身体にぼすんとぶつかるようにして、手にしていた包丁が何かを刺した。
がつ、という鈍い感触は、肉ではない、何か硬いもの。
>>336 驚いたようなネギヤさんの声と、傾ぐ身体に、刺したものがネギヤさんの日記であると「思いこんだ」]
………だって私、決めたから。
ちゃんと、全部背負う、って。
[大きな身体が、うつ伏せに倒れるのに合わせて、包丁からタブレットが抜ける。
私は、うつ伏せの身体の首筋に、包丁を宛がう為に屈もうとする。]
[>>345屈みこんで、ネギヤさんの首筋に包丁を宛がう。
日記を壊すだけでも、相手は死ぬ。それは分かっている。けれど、あの、7番さんのような綺麗な死にざまでは、駄目。私は、ちゃんと、自分の手を汚さないといけない。
端末は、光らない。新しい未来を教えはしない。
つまり、最後の項目は変わらず、「私は、ネギヤさんを、殺した。」のまま。
ネギヤさんは妖精だとか何だとか、って聞いたけど、まさか急所まで人間と違う、ってことはないはず、で。]
―――……おやすみなさい。
[言葉と共に、首の血管を切るつもりで、包丁の刃を皮膚の奥へと押し込もうとする。
>>342 解散の声は、何処か遠く。ぼんやりとだけ、聞こえていた。]
……ネギヤさんだって、ずるい。死んだふり、なんて。
だって、私は我儘なことをしてるだけ、だから。
どういう理由でも、私は人を殺すんだよ?
だから、……だから、綺麗なままの手じゃ、ダメなんだよ。
誰かを傷つけたひとと同じように誰かを傷つけて、
誰かの世界を壊して、誰かを殺して、……それを全部受け止めるのが、生き延びる人間の、責任、だから。
[包丁を持っていた手を、地面に押さえつけられる。
空いた手は、ブレザーのポケットの中でそっと、果物ナイフを掴む。]
私は、生き延びたい。生き延びて、神様になって……全部、無かったことにするの。
こんなこと、起こらなくて、世界はどれも残って、誰も死なない、ようにするの。
[派手に鳴っていたクラッカーの音も、ソラさんの悲鳴も、見ない。
簡単に死んだりしない、って、信じてるから。
だから私は、目の前のことだけをこなそうとする。
私の、成すべきことだけを。]
……死んで、なかったもん。
[嘘を吐かれていたことを根に持つように呟く。
武道の嗜みなどはないから、手を引かれることの意味は分からない。
ただ、ネギヤさんの体重が背後にのしかかろうとするのを察すれば、
逃れる為に身動ぎしつつ、ポケットに手を突っ込んで果物ナイフを取り出そうとする。]
私が死んだら、誰がやってくれるか分からないから、死ねないよ。
生き残っても、元の世界に戻らないつもり、だから。
大事な野球道具で人を傷つけておいて、今更野球続けてもいられないし……おばあちゃんにも、合わせる顔が、無いし。
でも、私は私の世界が好き。だから、守りたい。
まだ全員とは話せてないけど、ここにいるみんなだって……きっと、悪い人じゃない。
だから、私は神様になって、全部、……全部、元に戻す。
生き残って、神様になるよ。
それが、どんなことでも、私は後悔しない。
[ぽつ、ぽつと落とすそれは、多分、初めて明かす、私の本当の願い。]
[果物ナイフを持つ腕を押さえようとする足を、腕で払い、足にナイフを突き立てようとする。]
それは……仕方ないよ。
でも、きっと私が何かやってるんだなー、っていうのは、分かってくれると思う。
チームだし、……親だから。
それに、戻ってももう元の生活には多分、戻れない。
……何なら、みんなから、私の記憶も消しちゃえばいいし、ね。
あと、自棄になんて、なってないよ。私なりに考えた結果、だから。
だから……自棄なんて、言われたくない。
[ナイフがネギヤさんの足を裏を傷つける感触。
これならば、血で滑るだろう、と更に抵抗を強くしようとした矢先。]
……!
[首に、強い衝撃が走り、ぷつん、と意識が途切れた。
手の平から、ネギヤさんの血のついた果物ナイフが、落ちる。]
……ネギヤさん。
鬼は、悪者じゃないよ。鬼は、敵じゃないよ。
ネギヤさんの言葉は、まるで、鬼が悪者みたいだけど……そうじゃない、よ。
鬼だって、人間だから。
チート日記は卑怯だけど……使ってる人間が、みんな卑怯なわけじゃ、ないんだよ。
[私の言う仲間の中にいる鬼を、きっとネギヤさんは気付いてるんだろう。
私を縛りあげて、何をする気かは、分からないけれど。
仲間の邪魔には、なりたくない。
私は、守りたいものの為に戦っている、から。
手足を縛られたまま、私はごろりと転がる。
転がって進む先には割れた陶器の破片が散らばっている。
そこを目指して、転がっていこうとする。]
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