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[柔く響く、耳触りの心地よい声に。
すっと目を細め]
今年も無事ひまわりは咲いたわね。
ーー嬉しい?
[主語のない問いかけは、それだけで
意味深に辺りへと響き渡る]
ふふ。だったら、ね。
[立候補という相手の顔を覆う眼鏡に指を伸ばし]
その顔、見せてくださる?
その姿じゃあ……本当にアナタが「レンさん」かわからないわ?
[わらいごえ、に返すのは、弧を描く鮮やかな紅。
結局指は、相手に触れずに降りるのだが]
私は、ね。
神様は居ればいいと思う。
そうしたら……
捕まえてみんなを帰して貰うことも、出来るものね?
――――、うん。
約束。
[“おおかみさま”の面を持ち上げて見上げて、硝子の向こうの眼を見て謂った。
遠い祭り囃子。
不思議と蝉の声は途切れていた。]
[ひまわり迷路の前。
人生に迷いがちな姿が、長い影を作り出す。]
人狼童子、ですって。
一体どんな物語だったのかしら?
[消えた者が携えて居たと、噂に高い台本を手に。
懐かしむように目を細める。
自らの手は汚さずに捧げた身の存在を。
今は知る由も無く。]
[ふと、聴こえた涼やかな声に伏せていた目を上げる。
暫く聴き入るように黙り込んだ後]
…嬉しい、か。
[ここを後にした数人の姿を脳裏に過ぎらせ。]
――不幸でなければ、それでいい。
まあ、ね。
神様の力に比べれば、劣るのだろうな。
[首を傾ぐ姿に、]
ただ。道をくるくるにするか、まっすぐにするか。
屹度、それくらいは……ね、……
ん、しかし……、
考えてみれば、”音痴”という宜しくない要素も関係するのだろうか。
[ぽつっ。相手に対して失礼までも口にした。]
そうね、不幸でなければ…
[ぱしゃり、跳ねる金魚の水音は
涼しげに扇ぐかみさまの団扇に描かれた
絵に等しく似るように。]
そろそろまた、時間かしら?
[尋ねるはまた、さびしがり屋か
はたまた、賑やかが好きな神様への誘い
…顔を?
[弧を描く紅を前に、数拍の沈黙の後]
望みは繋げておきたいからなぁ。
では、これっくらいだが。どうぞ勘弁願いたい。
[指先で押し上げ、少しだけずらした眼鏡の端より、
ちらりと現れた瞳は、蒼。]
ワタシは、レン。いつもいつまでも変わらないよ。
[眼鏡を、元の位置へ戻した。]
ふふふふ。そうかい。良い心構えだ。
神様の捕獲に挑戦してみりゃ、いいさ。
[笑声の尾をひきつつ、盆踊り会場の方へと*]
[いつもの白衣姿のまま、くわえタバコで屋台の間をふらりふらりと歩き回る]
景気はどうだい?
[射的やわたあめなどの屋台を開いている古い友人に声をかけ。
そのまま二言三言話して、ふらりと次の屋台へ]
こどものはなし?
[一度だけ見憶えのある、
そう、去年自分だけはひまわりの約を
一方的に結んだ相手に微笑み]
かみさまに近いもの、かしら?
[嘯く]
――君が連れて行くのも、俺が連れて行くのも良かろうよ。
[風に運ばれてきた金色の粉に目を細め、応える。]
神さんは…誰がお望みであろうな。
だって、童って、こどものことですよね……?
[ふと、祭で謡うクルミのことが頭を過ぎる]
かみかくしは、こどもの悪戯なんでしょうか。
[ゆっくり地面を踏みしめて、迷路の入り口に近づく。
ゼンジの顔をまっすぐに見上げた*]
川倉千代衣並でしょう。
[失礼な物言いにも、めげずに胸を張る。
頑なと思っていた。
だから眼鏡がずらされれば、呆気にとられて蒼色を見つめた]
……。その瞳に免じて、信じてあげる。
[再び弧を描く紅は先ほどより緩く。
笑い声にふと、手紙が示す「場所」は、神様のところだろうかなどと思ったりした]
[から、ころん。
おおかみさまのお面をつけて駆けていく。
ぴちゃん、と金魚の跳ねる音。
今年も祭りは恙無く開かれ。
ひらり、あげは蝶が舞う。
丁度屋台を冷やかしていた白衣姿の横を茜色はすり抜けた**]
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