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えっとね。どれもおいしいのー。
みんな食べてみるといいと思うよ。
あ、おばあちゃん、お茶ありがとう。
[お茶をのみつつ、鈴カステラをぱくり]
ああ、いいですよね酢昆布と緑茶。
[言ったものの、酢昆布を飲み込むことは中々出来ずに、やけに長い咀嚼を経た]
落ち着いたら、明るいうちにみんなでここ出ませんか?
そんな長居する予定じゃないんでしょう。
[ゼンジの提案に、大きく頷く。このペンションを覆う、重い雰囲気に胸がざわついていたのだった]
そうね。一息ついたら、出ましょうか?
このまま電話も繋がらないんだとすれば、町まで行くしかないでしょうし。
あ。大丈夫よ。
ジロウちゃんたちやパパには、町に行く途中で会えるかもしれないわ。
何しろ、一本道ですからね。
[ルリに向かって言う]
スピード狂じゃないから心配しないように。
[ルリにそう言ってから、外を見つめる。
木陰に、鳥の姿が見え隠れした]
ん、そうだね。
[緑茶を飲み干すと立ち上がり*車へ向かうことにした*]
私は荷物といえばこの鞄くらいだから、すぐに行けるわよ。
セイジくん、ルリちゃん、用意が済んだら玄関へいらっしゃいね。
待ってるわね。
[ゼンジの後をついて、食堂を*出て行った*]
[ゼンジおにいちゃんもボタンおばあちゃんも、準備をして出ていってます]
うん。るりもお部屋から荷物とってきます。
準備ができたら玄関ね。はい。わかりました。
[さっきもらったお人形をぎゅっと抱きしめて、*食堂を出て行った*]
ぎゃーーーーー!
[木綿のハンカチーフを引き裂いたような悲鳴が木霊した。
車のボンネットに、嫌がらせのように鳥の落し物が]
撃ち落とすぞコンニャロー!
[バサバサバサと、鳥が羽ばたく*音がした*]
[荷物を取りまとめていると、窓際に置いておいたビンに気がつきました。
窓のそばにいって、外を見ます。
まだ、昼なのに。
月の光に照らされてるような錯覚に襲われて、身体をぴくりと震わせました]
い…や…
身体が熱い。熱い。
おなか、すいた。のどが、かわいた。
[手に持った人形が、ぽとり、*床に落ちました*]
[立ちあがり、ゆるゆると歩き出す。
自分の部屋へ行く前に、奇妙なオブジェが合った場所を見る。]
ひとおおかみ。かいぶつ。
[物憂げに呟き、一人言をはじめる]
ひとが考えるかいぶつは、いつもひとだ。
と、ぼくは思う。
常に怪物にならないように気をつけなければならない。
深淵を覗き込むものは、深淵にも覗き込まれているから。
[言って、思いなおしたようにノミを適当な場所にそっと置く]
というか、間違えて自分に突き刺しそうだ。
[くすりと笑った]
似合わないことをせずに、とんちで何とかしてみよう。
――ね。お姉さんたち。
駄目だったらゆっくり歌でも聞かせてよ。
[自分が死ぬのは悪くない。と思わなくもないしね。
とか言って、部屋へ向かった。
準備ができたら、すぐに玄関に行くだろう*]
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