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ニーナが本当に気になるなら、
ちゃんと応えるし、隠したりしねぇよ?
……ま、俺のケジメみたいなもんでさ。
[膨らんだ頬を突きつつ]
…あんまり上手くいきそうになかったら、
俺が頃合見計らってニーナを呼び出してもいいし。
返事を聞きたい、ってね。
[合宿所に付くと、また明日、と笑って*男子のスペースへと*]
…聞いて欲しいよ?本当は。
[身を起こし着替えながら、昨日のニーナの言葉を振り返る]
けど云ったら、ニーナに幻滅されそうでちょっと怖いんだ。
こんな事で悩んでるなんて、可笑しいんだろうっても思ってるから。
女々しいって分かってるだけにさ。
前……ニーナに色々云ったけどさ、
俺は過去を変えたいんじゃなくて…ぶっちゃけ捨てたかったんだよな。
高校時代の話じゃなく、もっと前の事だけど。
[独り言のような呟きの為、相手に届いているかは定かではないが]
[昨夜。あの後、相手が自分の後を追ってきた事を知っているのかいないのか。暫くすると合宿所に戻って眠りについていたようで。
身を起こすと、わしゃりと頭を掻いた。]
…はー…何やってんだか。
[呟いて息を吐くと、気を取り直すように身支度を整える。
移動して洗顔等を済ませた後、食堂へと姿を見せて]
…おにぎり?
1つ頂きます、ってね。
[見つけたおにぎりを手にとって、ぱくりと口に含む。*吉*]
しっかし…俺あっちに戻ってちゃんと仕事出来るんだろーか。
[普通の味がするおにぎりを安堵したように食べつつ、
既に高く上った日を見て、苦笑した。]
……さて、と。
今日は俺たち、演技しなきゃいけねぇようなもんだし。
気合いれないとなー。
[気合いれる程でもないのかもしれない。]
やっぱ、ニーナは優しいな。
[聴こえてきた声にくつくつと笑い]
…んじゃ、聴いてもらおっかな。
長いから多少聞き流してくれて構わねぇよ。
ニーナはさ、俺が小中を街の学校出てたってこと知ってる?
嘘だと思うかもしれねぇけど、俺、其の頃人付き合いが上手くいかなかったんだよな。両親は仕事の関係で忙しかったし、周りとの関係も希薄でさ、…一時期ちょっと辛かった。
そんな頃に授業で朝顔を育てることになってな。それがさ、自分の手で育っていくのを見て嬉しかったんだよ。馬鹿みてぇな話だけど、自分の無しでは存在しない其れに、必要とされた気がして。
……で、それからはずーっと花を育ててた。
親の関係で高校はこっちに移って、皆と馬鹿騒ぎもするようになって。それでも花を育てるのは止められなくて…ってこの辺は俺ずっと花弄ってたから知ってるか。
だからさ…何て云うかな。俺にとって花を育てることって、花が好きだからじゃなくて、必要とされてる実感が欲しかったからなんだよな。
…別に、自分自身そう思ってやってたワケじゃねぇんだけどさ。
それが高校の時、「自己満足だよな」って云われてさ。
ギルが花を育ててるのは自分が満足する為だよな、って。其の時初めて気づいた。
でも本当は其の事は忘れてたんだよ、俺。弱い部分を抉り出されたような気がして、記憶から追い出してたんだよな。
それが此処に来て、あの光景を見て思い出した。
……懐かしいの一言で、終わらせられたら良かったんだろうけど。
けどニーナと話してて、好きなことは好き、嫌いなことは嫌いだって…そういう単純さでいいんじゃねぇかなって思ったんだ。
俺はやっぱり花を育てるのが好きだし、始まりがどうであれ、今はそれでいいんじゃねぇかって。
ま…だから俺が捨てたいって云ってたのは、あの頃の自分のこと。花を育てる事で自分の存在意義を見出してた、甘ったれの馬鹿な自分を捨てたかったんだよ。昔は。
今はもう平気。
馬鹿な俺でも受け止めてくれる人がいるし?…なんてな。
長くなって悪かったな。もうちょっと手短に話せるかと思ったんだけど。つーか…なんか恥ずかしいな、こうやって話すの。
[今更になって恥ずかしくなったようで、ちょっと項垂れた]
…よし。
[ちょっと復活した様子]
そうそ、演技しなくっちゃいけねぇんだよな。皆の前で。
俺も正直苦手なんだけど……まぁ、どうにかなるだろ。
[投槍だ]
俺も喋ってて一体何処まで続くのかと…
[真顔]
それがニーナのおかげ、ってコト。
お前はそんなこと思ってたワケじゃねぇだろうけどさ。
さて、俺はそろそろ食堂に戻り始めるかねー。
[食堂へと戻ってくると、人影に目を細め]
たっだいまー…お、何かいい匂いがする。
夕飯もう出来てんの?
[匂いの元を探るように、視線を巡らせる。
ニーナが視界に入ると少し何事かを逡巡したが、結局視線は机に置かれた箱の元に]
…何これ、花火?
はは、昨日は着ぐるみで、今日は花火か。
飽きなくていいなー。飯の後に皆でやんの?
……演技って、キツイな。
俺は一生役者になれそうにねぇ。
[未だ何もしていないのに]
飯の後か、花火の時にでも、
こっそりニーナを呼び出そうかと思ってんだけど。
俺たち、きっと相当不審者だよな。
[妙に動きづれぇ、と苦笑しつつ]
つーか此れが演技だとバレた時を想像すると…
ああ…おう、分かった。
…本当にな。
皆絶対、なんとなくは気づいてるだろうし…
[眉尻を下げて苦笑したまま、頬を掻き]
…
…マシンよりコッチの事で怒られそうだよな。
なんか隠してる意味があるのかねぇのか分からなくなってきた、俺。
…無い、よな。
[息を吐き出しつつ]
…
…つまり今、こうして演技してる意味はないのか。
だからって…ここで突然、無線機のコトをバラすってワケにも…
[微妙な事態になった、と、首を捻った]
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