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[部屋に忍び込んで一望する。
抱えあげたのは、先ほど布団へ潜ったばかりのエビコだった。
管理棟を抜け出すと、一番近い桜の木へ向かった]
はぁ……。
[エビコを抱えたまま、満開の桜を見上げる。女が身じろいだ]
寒さも間もなくなくなります。
[声をかけると、息が真っ白に現れ視界が霞む。
さく、と足音が聞こえて振り返ると]
乃木さん?
[そこに立っていたのは、鉈を手にした男だった]
放って置いて下さい。どうか。
[その声は、乃木に届いたのかどうなのか。
桜が揺れ、花びらが舞い散った。
風が遠吠えを模すように吹き荒れる]
[しばらく肩で息をしていたが、水を汲んでうがいをした]
けほ、けほ……。
[声を押し殺し、ぐっと目をつぶる]
[落ち着きを取り戻すと、再び管理棟へ戻り毛布に包まる。
ポケットから取り出したサイコロ型の物体は、昨日と同じ花が一輪*増えていた*]
[朝、目覚めると部屋の中を見回す。姿が見えない人もいるが、周囲の見回りでもしているのだろうか。窓の外に目をやれば、昨日よりも艶やかな桃色が舞っていて、しばし目を奪われる]
餌か……
[昨夜のノギの言葉が頭から離れない]
落とし穴でも掘るのか
でもこの中に犯人がいるなら、手の内さらけ出してるから無意味だな
[犯人逮捕なんて難しいのだろうな、とひとりごちる]
[眠るヨシアキの様子を見ながら、メモ帳を取り出して昨日見聞きしたことを備忘録として書き込んでいく]
ひとつめのたましい……
ふたつめ、みっつめと増えていくのだろうか
[コルクボードに貼られた遺体発見現場地図を眺めて、メモ帳にトレース*していく*]
[部屋を出てトイレに用を済まし帰ってくると、微かな違和感に気づく。
[一つはナオが眠りもう一つはこれから畳む自分の布団、もう一つの布団は畳まれていないまま無造作に置かれている]
布団も畳まずに行ってしまうなんて何か急ぎの用でもあったのかしら?
[虚ろな記憶でエビコがそこに居たことは覚えていた]
[自分の布団を畳みエビコの布団も畳むと居間台所にエビコがいないか探してみた]
いない。井戸へ水を汲みに行ったのかしら?
[管理棟の周辺エビコを探したが見つからなかった]
[もう一度みんなの休んでいる部屋へ戻るとナオと一緒の布団でロッカが寝ていることに気づいた]
やっぱ布団も畳まずに外出するなんて変よ。
ノギが何かを見つけてエビコを呼び急いで向かった?
[推理を巡らすが解決はしない。上着を羽織りエビコを*探しにいくことにした*]
[誰かの声が聞こえ、うっすらと目を開ける。
明るい場所、居間、だろうか。そして目の前には、掌サイズの白熊のぬいぐるみ。
しろくま?
覚醒しきらない意識を動かして、周りを見る。声の主はフユキ先生だった。
ほわり。胸の呪符がやわらかい暖かさを運んでくる。
先生は物の怪じゃない。安心していいんだと]
[頭が少しずつ覚醒するにつれ、昨日のことを思い出す。
昨日…ヌイさんと話そうと2人で書庫に行って…ああ、話そうとしてたはずなのに。緊張して勢いのあまり払おうとして…ああ、本棚にぶつけられて気を失ったんだなと。
そこで、ふと疑問に思い、右手を開いたり閉じたりする]
俺、生きてるよな…殺されて…ない…
[物の怪が俺を見逃すのか…
そう考えると、ヌイが物の怪なのは間違いなのか、とまた頭の中がぐるぐるし始める。
どちらにせよ、ヌイともう2人で会うのは難しくなる。物の怪だとしたら、これから俺はどうすればいい…
天井を見上げたまま、*深い思索に没頭していった*]
[とある丘の下の雪の上キラリと光る物体を見つけた]
これは....鉈?
[積雪状態を見るとそれは吹雪の後におかれたことは一目瞭然だった]
まさか!!!
[ホズミは鉈の発見場所周辺を細心の注意を払って調べた]
[居間の隅で、ぼんやりと目を開く。
違和感を覚え見やった右手の甲には、昨晩負ったと思しき切り傷があって顔を歪めた]
ああ……。
[利き手にこんな傷を負うシチュエーションなどあるのだろうか?
考えるが、体が酷く疲れていて、思考がままならない]
[丘の上に向かうと花びらが丘の上一面を完全に埋め尽くしていた]
なんでここだけこんなにも........
[積もる花びらに埋め尽くされている光景はなんとも異様だがその中に一つ小山となっている部分があることに気づく]
[駆け足で散花の小山に近寄り花びらをどけるとそこには変わり果てたノギとエビコが重なるように死んでいた]
ひっ.....
[不意の発見に後ずさりし恐怖が思考を支配する]
[数秒間現実を受け入れるまでの間思考が停止していたがやがて正気に戻り二人の遺体を確認する]
なんで.....なんで.......
[エビコは眠るような表情で死んでいたがノギは顔がぐちゃぐちゃにされており明らかな他殺と考えられるものだった。そして二人の腕に傷を発見する]
[身支度をして、スケッチブックを抱え外に出る。
この世界を、描き留めておこうと思った]
狂い咲き……。
[季節はずれの桜は、男の心をざわつかせる]
This is not the end.
It is not even the beginning of the end.
But it is, perhaps, the end of the beginning.
[呪文のように呟いた]
ホズミさん、どうしました?
[それは狂いそうなほど衝撃な事実であった。ホズミは涙し二人を顔に手をあてがい声にならない叫びをあげる]
ひっく..なんでこんなことに....うう
[不憫に思い二人を抱えようとするがホズミにそんな力はなくただノギの血で自身が赤く染まる]
私一人じゃむり.......
みんなに知らせなきゃ.......うう....
[鉈を持ち血染めの姿となりながら管理棟に向かう]
[赤黒い服と、手には鉈。
男は、ホズミの姿に目を丸くする]
[丘に駆けつけ見つけたのは、転がる死体二つ。
その腕に刻まれた文字列を見て、ため息を零す]
まだ足りないんですか?
[ホズミの元に戻ると、手にしている鉈を離させる。
衣服についた血の色を見て]
今の血ではありませんね。
やあ、どうしま……
[見かけたヌイとホズミの様子に言葉を失った。丘に向かうと、眠る遺体を一体ずつそっと抱え上げて管理棟へ向かうだろう*]
[通常つくはずもないような場所の切り傷にホズミはある答えに辿り着きヌイに対する表情が変わる....]
あなたが.....?なぜ....どうして.......?
エビコさんと、乃木さんが――。
[冬樹にそう答え、丘の上を示す。
現場保存は、乃木亡き今は意味がないように思えたので、抱えあげようとする冬樹を止めることはしなかった]
何か誤解をしていませんか?
[ホズミの表情を見て、困り顔で笑う]
[破いたスケッチブックの一枚で鉈を包み、腰の部分に差し込む。
どうにかホズミを抱えあげ、管理棟へ向かい始める。
ゆるやかに風が吹き花びらが散る中、男は歌を口ずさんでいた]
どこかに閉じ込めて置いた方がよかったのでしょうか。
[管理棟の入口で思い立ったが、乾いた笑いを零してその考えを否定する]
ナオさんかロッカさん起きてませんか?
[二人の姿が見えなければ、囲炉裏端にホズミを寝かせ、彼女の腕についている血を濡れタオルで拭くのだろう]
[例えばこの場で鉈を振り回せば、人々は慌てふためくだろう。
けれど、あの人が望むのはそのような恐怖ではないことを男は知っている]
騒ぐのなら、その時は。
[言い聞かせるように、ホズミの額に一瞬触れた]
[男は外へ出ると、井戸に鉈を放り込む。
水に沈み込む音を確認して、借家へと*姿を消した*]
[居間に戻ると、奥の部屋に続く廊下に視線を送る。]
アンさん…。
[もう戻らないのだということは分かっていた。壁にもたれて膝を抱き寄せると、泣くことも出来ずにぼんやりと窓の外を眺めた。]
[奥の部屋から戻ってきた大人たちの会話が耳に入る。]
ひとつめのたましい。
[なぜ夢で聴いたその言葉をみんなが繰り返すのか。どこでそれを知ったのだろう。あの本だろうか。]
[本を持ってくると、居間の隅で読み直す。古い古いお話。ひとつめのたましい。その言葉を見つけ出すことは出来ないうちに、エビコに管理人室へと促された]
エビコさん、あのね。
わたし、ひとつめのたましいって何処かで聞いたことがあるの…!
[布団に押し込められると、彼女は疲れた様子で居間に戻っていった]
ひとつめの。
[すぐに眠ることは出来ずに、布団の中で丸くなった]
…っ!
[はっと目を開く。まだ見慣れぬ天井。自分のいる位置を確認すると、息を吐いて起き上がった。]
ナオさん。
[隣で眠る人の名を呼ぶ。くるりと見回すが、狭い部屋に他の人は見当たらなかった。布団から抜け出すと寒さに身震いし、上着を肩にかけると居間に向かった]
[奥の部屋の人の気配に気がつかぬまま、居間に顔を出す。そこに残る人は少ない。台所をのぞくがいつもの火の気配もそこにはなかった。]
おはようございます。
[居間に戻ると昨日置いたままにしていた本と、利用者帳が重ねてあった。引き寄せられるようにそれを手にする。]
……これは。
[ちょうどヌイが帰ってきて、慌ててそれを閉じる]
あ。おかえりなさい。
…それは、スグルさん?どうしたんですか?
[担がれたスグルを見て駆け寄った]
[ロッカの心中を測りかねて]
そうですか。
「一つめのたましい
くるいさくはたましい
よみにささげてはしを」
腕に、傷がありました。それぞれ。
ひとつめのたましい。
くるいさくはたましい。
よみにささげてはしを。
腕に傷…?
それぞれ…ってアンさんとスグルさん?
[眉をしかめて、利用者帳を持ったままだったが、奥の部屋に向かったヌイを追った]
[扉が開かれる。そこに眠っていたのはアン、スグル、そして]
乃木さん…。
…………エビコ、さん?
[最後は声がかすれていた。半ば呆然と遺体に近寄ると、へたりと床に座り込む]
ど、して?
寝てるだけ…ですよね?
[乃木の隣にスグルを寝かせる。その腕には傷が見当たらない]
管理人さん、エビコさん、乃木さん、です。
[跪くと昨晩と同じ様に十字を切った]
やだ。嘘。
なんで、ですか…!
[十字を切る姿にいやいやと首を横にふる。知らぬ間に涙が溢れる。しばらく顔を伏せてしゃくりあげていた。]
[しばらく泣いていたが、やがて袖で涙をぬぐってヌイを見上げる]
あの…。
見ていただきたいものがあるんですが…。
[小さいが、はっきりした声で告げる。]
無差別殺人犯か、そうでなければ――
伝承の化物が襲い掛かったのかもしれないです。
道が通じるまで、ここにこうして置く他ありません。
[ロッカに手を伸ばしたが、すぐに引っ込めた]
[静かにヌイの言葉を聴いた。こうしておくしかないと言われると頷いた]
早く、うちに帰りましょうね。
帰れますよね。
[見よう見まねで、祈るように目を閉じた。瞼をあげると、先ほど見ていた頁を開いて利用帳を差し出す]
これ…。
誰が書いたのか知っていますか?
[その名前のいくつかが無造作な横線で消されており、脇には「丸」が添えられていた。スグル、乃木、エビコ、そして管理人アン。]
なんで、アンさんやエビコさん、乃木さんの名前まで書いてあるんでしょう。
それに、この丸と、……バツはなんでしょう。
[消されずに丸がつけられた名前がひとつ。バツをつけられた名前がひとつ]
[利用者帳を覗きこむが、全ての名と顔を一致させることが出来なかった]
誰かが、書いたのでは?
[バツがついた名を確認すると、ぴくりと顔を引き攣らせる]
私何してたんだっけ......
[自分の服が血染まりになってることで我に還る]
えと......
[自分の記憶を整頓しだすことにした]
そうだ!
ヌイの手の甲の切り傷!
昨日話してたときには確か無かったはずよ!扉修復もその前に終わっていたはずだしそこで怪我はしていない。
料理じゃあんなところは切らないし何か事故にしても明らかに傷が鋭利すぎるわ
落ちてた鉈には血がついていた
ノギエビコにはそんな切傷はないのに...
ノギが鉈を使って誰かと争っていたのならあの血は相手のものでしかない...
もうヌイとしか......
[二人を運んだ後、しばらく無言で遺体を見つめていたが]
学生さん……?
[運ばれてきたスグルの姿に、憔悴した顔を向け、大きく息をついた]
[どれ位眠っていたんだろう。
気付けばその部屋にはわたし一人だった。
確か夢心地で女の人はこの部屋で休むと言うような話を聞いていたから、ロッカさんもホズミさんもエビコさんもこの部屋で休んだ事だろうが、今は他の人たちの気配は無く。
ただ窓から零れ落ちる結露が、外気との差を教えてくれるだけだった。]
身体がだるくて寝ちゃってたけど、皆起きて行っちゃったのかな…。
[ゆるゆると状態を起こし、溜息を吐く。昨日は本調子ではないのに風に当たり、寒さを覚えた。それ故に一度は落ち着いた熱がぶり返され、夜半からわたしは再び火照る身体に苛まされていた。]
それにしても昨日の出来事は…
[ふと脳裏を過ぎった映像に、わたしは目を伏せ口を噤む。吹雪の中咲くことが有り得ないさくらが咲き、あまつさえ管理人のアンさんが遺体で見つかったのだ。しかもそれは他殺体だという。]
人攫いさんがそう言うってことは、やっぱり犯人はこの中に居るのかな…。
[昨夜人攫いさんから聞いた話。それは駐在所に勤めているらしい彼ならではの視点から紡がれる事も多く、またこの村に深く係わってきた人だから解る事も多くて。
信憑性に長ける言葉に、わたしは思わず耳を傾けていた。]
――戸が開けば獲って囲おうか…
――窓が開けば切って吸おうか…
化けさくら…根が檻のように…地中で囚われ根牢――
[昨夜人攫いさんが囁くように謡い語った言葉を反芻する。
窓から見えるさくらは、昨日より増して。色濃くなったように*思われた*]
食欲はないけど、何かお腹に入れておかないとね。
[居間を通り抜け台所へ向かう。長い一人暮らしのせいで簡単な食事なら作れる]
病み上がりの人もいるし、雑炊にでもしようか……
[火の入っていない竈を見下ろした後、米を炊き、野菜を刻む。肉は入れる気にならなかった。やがて小さなお椀を4つ用意し、それぞれに雑炊を入れると、霊安部屋へと持って行った]
[囲炉裏の上に雑炊の入った鍋を吊るし、茶碗と箸を用意する。食欲よりは、何かしていないといけないという気持ちが強かった]
戸が開けば獲って囲おうか…
窓が開けば切って吸おうか…
[ノギの言葉を思い出す。彼の祖母が子供を怖がらせようとしたおとぎ話かもしれないが]
桜……
[艶やかさを増した桜の花びら、管理棟へと戻る帰り道の肩にかかる重さ、いろんな物が思い起こされ、しばし感慨に*耽っている*]
汗掻いてたし…まだ熱っぽいけど気持ち悪いからお風呂入ろうっかな…。
温まれば熱も抜けそう…。
[ぼんやりさくらを眺める。その吸い込まれそうな美しさにわたしは逃げるように鞄から着替えを取り、お風呂場へと駆け込んだ。]
[脱衣場でホズミさんと会い、声を掛ける。
頭痛は良くなったようだったけど、顔色が悪そうに見えた。
どうしたのか訊ねようとしたけれど、あまり深入りされたく無いような雰囲気に見えたので、わたしはそれ以上の声は掛けずに浴室へと足を踏み入れる。
白く立ち昇る湯気は、全てを一瞬だけ忘れさせてくれるような気がした。]
[お風呂場から出ると、何処かおいしそうな匂いが鼻先を擽った。それは優しいお出汁の匂いで、わたしはすぐにエビコさんの顔を思い浮かべた。
ここに来てすぐにエビコさんが作ってくれたおうどんの味を思い出す。寒い夜。突然駆け込んできた見ず知らずのわたしに、エビコさんはにこにこと笑っておうどんを出してくれた。わたしはあの優しい味が大好きだった。
勿論、熱を出した時に作ってくれた卵雑炊も――]
エビコさぁん、おなか減ったょ…ってあれ?
[湯上りのまま、わたしは居間に顔を出す。
しかし出迎えてくれたのはさっき脱衣場ですれ違ったホズミさんや、囲炉裏の上に鍋を吊るして食事の準備をしているフユキさん達で、肝心のエビコさんが見当たらない。]
あれ?今日はエビコさんのおじやじゃない…?
『あ、でも…フユキさんが手伝いをしているだけかも知れないしね』
[ふと湧き上がった違和感に首を捻りながらも、わたしはいそいそと囲炉裏の近くに行き鍋を眺める。
誰かから勧められたら、遠慮なくその雑炊を口に*運ぶのだろう*]
いいえ、もう慣れてしまいました。
むしろ私は――。
[色はじわりと広がって、光を描こうとする]
解き放たれたいと思っているのかもしれません。
やあ。もう体調は平気なのかい?
[元気そうに居間に入ってきたナオに挨拶。彼女の口からエピコの名前が出ると、一瞬伏目がちに。事実はいずれ告げなくてはならないのだが、今は黙って食事をよそう。ナオがエビコを探す視線に、いたたまれなくなり]
ちょっと外の空気を吸ってくるよ
[ナオに言い残して、桜色の世界へと足を向けた]
この村で、一番うつくしいと思った景色を。
本当はキャンバスに描きたいのですが、あまり時間もありません。
[紙面から顔を上げ、冬樹に微笑んだ]
[気がついたらどれだけ時間がたっていたのだろう。居間ではナオが囲炉裏の傍にいた。そして囲炉裏には雑炊がかかっている]
もうこんな時間か。俺も腹減ったな。
[何があろうと人間腹がへる。腹が減っては戦もできぬ。食べられる時に食べておいたほうがいい。
そこへ、台所から戻ってきたホズミの姿を見つけ、声をかける]
あ、ホズミさん。ホズミさんも雑炊食べない?
[近くに立つ桜の幹を愛しそうに撫でながら]
そういえば駐在さんが言ってたね。桜の木には近よるなって。
艶やかに咲く為にヒトを喰らい、ヒトを喰らう為に艶やかに咲く……と
[ヌイの言葉を聞けば、驚いて]
呪い殺される、か。
非科学的な話だけど、ここにいるとそう違和感はなく思えるよ、ふふ。
[桜を見上げながら]
昨日、ヨシアキ君と何かあったのかい?
[お椀に雑炊を入れ、ホズミに手渡す]
はい。熱いから気をつけて。
[傍らで一緒に雑炊を食べようとする。口に運び、少し食べたところで、エビコさんにしては味がいまいちだということに気づく]
あれ?エビコさんにしては、めずらしいな。
[今日誰が居なくなっているかまだ知らないまま、彼女の名前を出した]
人狼……
[目を瞬いた後、ヌイの顔をまじまじと眺め、薄く笑いながら]
へえ、人狼ってヒトの姿をしてるものなのかい?駐在さんの話聞いて、桜か風の精か何かかと思ってたけど。
[悪魔祓いと聞いて、ヨシアキがどんな風にするのか想像して少し楽しそう]
おっと、これ以上絵の邪魔をしては悪いね。冷え込む前に戻っておいでよ。
……これ以上、誰かがいなくなるのはごめんだから。
[去り際にヌイにひらひらと手を振った]
[ヌイのこと、彼女に伝えるべきか。心の中で逡巡する。
しばらく考えて、意を決して話始める]
どこから話そうか…ちょっと長くなるかもしれないけど、最初から話そうか。
ホズミさんは、退魔師って知ってる?人には見えないものが見えて、悪霊を祓ったりする人たちのこと。…俺も、そんな一族の端くれ。ほんとおちこぼれみたいなモンだけどさ。
[懐から呪符を取り出す]
俺はたいしたことできないけどさ、これ、うちの総領のおばばさまがくれた符なんだ。
…こいつが、ヌイさんのことを、「人狼」だと指し示した…
信じたく…ないんだけどさ。それで話をしようとして…気がついたら頭に血が上ってた。かっとなって、どうにかしようとして…気がついたら、本棚にぶつけられてた、ってわけ。
信じてもらえるかわからないけど…人にこうやって説明するの、難しいなぁ。
[軽く頭を掻いて。笑われるかもしれないけど…どうにかしないといけないんだと、心の中でつぶやいて]
[ヌイと別れ、湖畔の桜を見上げる]
桜桜桜 桜桜 桜桜 桜 桜 桜
桜 桜 桜 桜 桜 桜桜 桜桜 桜
桜 桜 桜桜 桜 桜 桜桜
桜 桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜 桜桜桜
桜桜桜桜桜桜 桜桜桜桜桜桜桜桜桜 桜桜桜
桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜
[反らした身体をやがて地面に仰向けに倒すと、空をバックにした視界一面に広がる桜色の世界を見上げている]
[目を閉じてしばらく桜の海をたゆたった]
時間がない、か。
僕の時間もどれだけ残されてるのかわからないね。
[ヌイの言葉を思い出す。ノギやエビコ、スグルはヨシアキに呪い殺されたのかもしれない]
悪魔祓いね
[ネタ帳に記した後、起き上がり、桜色の花道を管理棟へと戻っていく]
[沈黙の流れるの中、すっくと立ち上がる]
判断はホズミさんにまかせるけど…
俺としては見えちゃったものは仕方ないわけで。
ノギさんとエビコさんは、管理人さんと同じところ、かな…会いに行ってくる。
[そのまま、囲炉裏を離れようとする]
[外がほのかに暗くなってきた頃、管理棟へと戻ってくる。扉の前、一度だけ桜を振り返り、ねめつける]
化け桜と……人狼か
[つぶやくと、暖を取ろうと居間へ向かう]
[わたしが雑炊を口にしていると、ヨシアキくんが目を覚ましていた。]
おはよう
[わたしは挨拶をして微笑んで向かい入れたけど。
ヨシアキくんは丁度台所から戻ってきたホズミさんの隣に座り、雑炊を盛って一緒に食べていた。その姿を見た時ほんの少しだけ胸が痛んだ。
こんな時に不謹慎だと思いながらも、チリチリと焼け焦げるような感情はとめられない。
わたしは不貞腐れながら雑炊を口にして、早々に立ち去った。エビコさんの姿を探す為に。]
[屋内にも関わらずかじかむほど寒い部屋。
四つの遺骸が並ぶ霊安室と貸した場所。いつの間にいたのだろう。そこに薬屋が佇んでいる。
言葉を捜すかのように、何を言えば全く思い浮かばないように]
……何だろうな。
[やっと、それだけを言った]
えびこさーん…何処行ったのぉ?
[外を探しに出るのは一人だったため出来なかった。もし一人で出て遭難なんて…考えたくも無い。]
もしかして…アンさんの弔いごとでもしているのかな…。
[遺体は奥の部屋に安置していると誰かの言葉を思い出す。もしアンさんの傍にいるのなら、お線香の一本でも上げてこようと思い、恐る恐る安置されている部屋へと向かった。
そこに遺体が増えている事なんて知らずに――]
――管理人室――
[そこだけひんやりと冷える部屋のドアをノックして、わたしは静かにドアを開けた。
そこには薬屋さんが静かに佇んでいた。]
薬屋さん…?どうしたんですか?こんな所で…。
[そこにはエビコさんの代わりに薬屋さんが居て。不思議に思いながらもわたしは声を掛けた。]
[すれ違いざま、ヨシアキは管理人室へ向かったのだろう、とふと思った。使用済みの食器を片付けながら、静かに俯いたままのホズミに気づくと]
どうかしましたか
まだ頭痛が治まりませんか?
[心配そうに声をかけた]
――人を。人を探していてね。
見つけたところだ。きっと、見つけたと思う。
[名を呼ばれても振り向かず、だがナオに答える。
薬屋は上着のポケットから手を出して、そっと人型を包む毛布をめくった。その顔を見る。
女だった。大人しそうな顔の。男の手は震えている。男は自分のそれに気づかずに、亡骸の頬に触れる]
……何だろう。苦しい。とても苦しい。
ひとを…さがして?
[一点を見つめたまま答える薬屋さんに、わたしは首をかしげながらその動作をただ見つめていた。
やがて毛布に伸びた薬屋さんの手元から現れたのは――]
エビ…コ…さん?うそっ…そんな――
[わたしはその顔を見て息を呑み口許を手で覆う。
苦しいと呟く薬屋さんの言葉には、何も返せずに。]
[泣いたせいか顔が火照っている。彼らの死を考えては浮かぶ涙を拭いながら部屋を出る。台所から出汁の良い香りが漂ってくる。込上げてくる感情を沈めるために、外へ出た]
あ…置いてきちゃった。
[利用者帳を奥の部屋に忘れてきてしまった。空になった手が涼しい。]
[震える指でゆるゆると他の者の毛布もめくり、亡骸を確認する。乃木。そしてスグル。
薬屋は自分の震える指に気づいて、震えをとめるようにその指を噛む。ぶつりとかすかに肉を噛みきって指を離す]
自分にここまで反吐がでそうになることもないな。
[疲れたように言うと立ち上がった]
[ナオに優しい言葉をかける余裕もなく、出て行こうとして、思い出したように一つだけ言う]
乃木の意志は私が継ごう。
[少なくとも、そうしようとして死にたいものだ。
そう付け足して、*その部屋を出た*]
[無意識に足を進めるうちに、初めに与えられた家屋にたどり着く。がらがらと音を立てて、玄関の扉を開く。ひんやりと冷えた部屋の空気が身を包む。]
一つ目の魂。
狂い咲くは魂。
黄泉に捧げては死を。
[歌うように刻まれた文字を唱える。湖と桜並木の見える窓辺に立つと、結露に濡れたガラス触れた。]
[薬屋さんの震える手が、新たに並んだ毛布を剥いで行く。そこでわたしは初めて毛布の数に気付く]
アンさん…エビコ…さん――そして他の二つは…?
[答えは聞かずとも薬屋さんの手で暴かれる。
次々現れる変わり果てた姿。]
そんなっ…人攫いさんまで…。
な・・・んで…?何でこんな事っ――
ねぇ!どうして?これもさくらの…根牢の呪いなの…?
[夢に出てきた言葉と同じ文字。消された名前。丸とバツ。]
…意味分かんないよ。
[指から温度が奪われていく。桜の木下に、人影を見た*気がした*]
[投げかけた問いは果して薬屋さんに向けたものだったろうか?
それはわたしにも解らなかった。
ただ、立ち去る間際。薬屋さんが零した言葉だけが救いに思えた。]
人攫いさんの意思…――
[それはどんな意思なのかは解らない。でも今わたしは…その言葉にただ縋るしかなく――]
こわい…こわいよ…ヨシアキくん――
[誰かに縋りたくて呟いた言葉は、仄かに温かい思いを寄せた歳の近い少年の*名前だった*]
[ヨシアキはふらふらと廊下を歩いていた。さほど遠くない管理人室に向かうだけのはずなのに、足どりがあまりに重すぎた…
管理人室の近くまで来ると、中からナオの声がする。
中に入るべきか、入り口でしばらく悩んでいた…]
?!
[自分の名前が聞こえる。助けを呼ぶような声…
悩む間もなく、ドアを開け中に入ろうとした]
私は......
生きたい......
死ぬなんて...
嫌だから......
私は......
犯人を知っているかもしれない...
私のしようとしていることは...
間違っているのかもしれない......
けれど......
ただ殺されるだけならば.........
[ノギとエビコを見つけた時の、ヌイとホズミの様子を思い出す]
あの時ですか
[外出の準備をするホズミに]
ちょっ……
もし本当にヌイさんが犯人なら、ホズミさん一人じゃ危険ですよ!
[ドアを開けると、ナオが振り返ってこちらを見た]
ナオ…
[彼女の後ろには、4つの毛布につつまれた塊。
何も言えずに、ゆっくり彼女に歩み寄る。近づいて、彼女にむけてそっと手を伸ばす]
先生...
あなたと一緒で認めるわけないでしょ?
冷静に考えて?
大丈夫だから...
二人で話しをさせて?
ね?
[フユキにキスをして帰るよう諭した]
[開いたドアから覗いた姿はヨシアキくんだった。]
あ…ヨシアキ…くん…、エビコさんが…人攫いさんが…スグルくんが…――
[声が震える。頬に温かい感触を感じた。それはわたしの涙だった。泣くなんてみっともないと思ったけど。でもわたしは――]
こわいの…いっぱい人が…っ――わたし…もう…人が死ぬのを見たくないの…
[差し出された手。その手の温もりを確かめるように。わたしはヨシアキくんの手を握り*頬に寄せた*]
[不意打ちに驚き、ホズミの瞳をじっと見つめる。彼女の意志の固さが見て取れる。ここで手放したら二度と会えないような気がして、それでも口をついて出るのは静止の言葉ではなかった]
絶対、戻ってきてくださいね。
[それだけを言うと、彼女の背中を見送った。桜の笑う声が聞こえたような、気がした]
[月光に照らされながらヌイのスケッチブックを覗き見て悪態をつく]
あんな惨劇の中お絵描きなんて気楽なものね?殺人鬼さん......
[手を確認すると傷が消えている。驚きながらも冷静になり淡々と悪態をつく]
その手......
まるでトカゲみたい
復元するの?とても人間じゃないわね?
[目の前の少女が涙を流している。小さな肩を震わせ、泣いている。
俺の手を握った彼女を、そっと抱きしめる。
自分の腕も震えてるのはわかっていた。それでも…それでも。
彼女を怖がらせないように、*そっと抱きしめた*]
[ホズミの手首を掴みぎりっと力を入れた。
首筋に微かに傷がついたのが感じられる]
どちらが殺人鬼ですか。
死にたくないなら放って置いてくれればいいだけですよ?
[呆れた口調で行って、取り落とされたナイフを湖へ蹴りつける]
ホズミさん。
私が死んだ方々に何かしたのを見たとでもいうんですか?
身に覚えのない理由でいきなりナイフを向けられても、困ります。
色々あって気が振れそうになるのもわかりますが、落ち着いた方がいいです。
[ホズミの肩を軽く叩き、荷物をまとめて立ち上がる]
探すべきは、人ではない得体の知れない何かです。
[一度振り返り、真顔でそう告げた]
[ホズミの背中を見送り、しばしその場に立ちつくしていたが]
……ああ、やっぱり行かなくては
[例え無駄かもしれなくても、どうして引き止めなかったのだろう。嫌われるのを恐れて失うのは本末転倒だ。悔いる時間も惜しい。急いで湖畔へと走り出す。足元で舞い散る桜が、ふわりと...の周囲を包み込み]
え?
[視界が桜の花びらに遮られる。ピンクのカーテン。かき分けてもかき分けても視界には桜以外の何も見えず……桜色の迷宮へと*迷い込んだ*]
――乃木。
[すぐ傍にいるように、死んだ男の名前を呼ぶ]
ここに怪物は存在するのか?
怪物はどんな姿をしている?
願わくば何かしたい。
ならば何をすれば良い?私は何を手伝えば良い?
判らない。私には。
[口惜しそうに目を瞑る]
君のしようとしたように殺せば良いのか。
それでは何を殺せば良いのか。
[判らない。ともう一度、ただ悲しそうに言う]
[男はゆるゆると立ち上がる。疲れきった老人のように]
『皆が無事いれるように手伝いたい』
そう言った。
『気に病みすぎなくて良い。大丈夫だ』
そう言った。
[――そう言ったのだ、と。
血を吐くような声で独りごちながら、歩き出す]
[歩きながら、男は茫洋と考える。
狂える開拓者となればいいのか。
手を取り合って、少なくとも正気を保つか]
――針は何だ?
[正答がある保証など微塵もない問い。
薬屋は呟く。*少なくとも餌は幾らでもあるに違いない*]
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