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―回想―
[どこかで三枝の姿を認めれば嬉しそうに手を振る]
コハルちゃん!
あのね、六花ね、汽車見に行くのね。ナオちゃんとシンヤくんも一緒なのね。コハルちゃんも行くの?
[櫻木と三枝が知り合いで無いのもお構いなしに友達の友達はみな友達という風に喋る。
もしかしたら途中で三枝の塾の教師である近藤も合流するかもしれない。
そうして辿りついた駅にて、確かに警笛の音を聞いた]
[警笛の音が鳴った瞬間に視界が白とも黒とも付かない色に染まった。
気づいた時には電車の中で、線路を走る振動が足元から伝わる。
唐突に二宮アンの周囲を鬼火が取り囲んだかと思うと崩れ落ちる。
視線だけを動かし、その様子と周囲を見渡すも状況の把握が上手く出来ないのか、しばらくの間立ちすくんだままだった**]
[視線を巡らせた先には同行していた面々は勿論のこと、合流したばかりの三枝達や先生、練習試合があると別れたはずの寺崎ケンに知らない男の人、そして…
鬼火が自分達を取り囲み、歌うように言葉を発するのを聞く]
……六花、ここイヤなのね。
[しゃがみこんで耳を塞ぐが、この電車から降りれないということは本能的に感じ取っている]
[突然窓を叩く音がして顔を上げた]
ケンくん……。
[寺崎が椎名に視線をやるのを見て同じように視線を動かす。
何やら興奮状態の椎名やこの状況に歓喜すら見出している近藤の様子を見て恐怖を覚える。しかしそれより恐ろしかったのはあの鬼火]
アンちゃん……。
[抜け殻のように倒れている二宮の姿を見つつ、須藤と近藤のやり取りを聞く。現状がどういうものか、近藤が話す内容は理解が追いつくのに苦労する]
鬼さん、かくれんぼ?見つけなきゃいけないの?
[鬼火が発していた言葉を思い出す。嘘だと思いたいのに、幻だと思いたいのに脳裏に焼きついて離れない]
[帰る方法というのが投票、というところまでは辿りついたが、その投票の内容までは理解できていない]
須藤センセー、小鳥遊センセー、投票、するの?
隣の車両にバイバイするの?
[不安そうな顔で身近な大人に問いかけた]
[鬼火の言う通りなら、もしかしたら小鳥遊の中に鬼が潜んでいるのかもしれない。
だが、目線を合わせながら柔らかく返答してくれる声に今は少し癒された]
うん、信じたくないけど、でもあの火、怖いのね。
ここも変なのね。
[いきなりこの場所に居たという状況、先ほど寺崎が窓を殴ってもビクともしなかった]
隣の車両にバイバイする人、考えるのね。
[車両を移ってもらうということに賛同するように頷いた]
[小鳥遊と話していると近藤が動くのが見えた。そのカバンから落ちた絵を見て反応する]
あ!ロッカの絵なのね!
[自分のカバンの中身を見て落ちた絵が入っていないことに気づき、慌てて拾いに行く]
オジさん、拾ってくれたの?
ありがとうございます。
[他の人とは違う雰囲気に少々物怖じしつつ、お辞儀をした。何か声をかけられれば会話をするだろう。
それから近藤のやるべきことについての話に耳を傾けた]
[また誰かが狙われるという言葉にビクリとする。二宮だけでなく、また誰かがあのような姿になってしまうのだろうか…。
無意識に小春の服の裾を握りしめていた]
んっとね、六花は見分ける目か、聞ける耳のどっちか片方は言ってほしいのね。
今のままじゃ何も分からないのね。でも、皆一気に名乗っちゃうと鬼さんに狙われるんじゃないかって思うのね。だから、どっちかなの。
六花はどっちかというと見える目の人が出てきたほうがいいと思うのね。
[一生懸命考えながら言葉を紡ぎ出す]
そしてね、投票?って紙に書くのよね?
耳の人はそれで分かるようにしたらいいと思うのね。
[なんとか一通り話終えると息をついて壁に凭れた**]
[弓槻が話すのを聞いて思い出したように顔を上げる]
六花は意見出し合って、皆で票を揃えるのに賛成なのね。
あと、もし耳の人が投票ではーいすることになったのに追い出されそうになったならその時はすぐにはーいしてほしいのね。
[言い終わると周囲を見渡して、未だ状況を捉えられてないのか落ち込んだ様子の下級生達を見ると、鞄を漁りチョコレートの袋を出した。個包装されている一つを手に取り、先ほど声を上げていた鷹野に差し出す]
あのね、甘いの食べたら落ち着くのね。はい、どうぞ。
コハルちゃんもナオちゃんも、ケンくんもはい。
[手近に居る人にも渡すが、一人一人に渡して回るよりはとボイスレコーダーの隣に置いた]
皆も、お腹すいたら食べてね。
[そして椎名が自己紹介をしているのを聞いて自分も同じように倣い、車両の見回りに付いて行くことにした**]
―回想・近藤と―
[褒められれば嬉しいもので、顔を綻ばせて頷いた]
うん、六花が描いたのね。
皆きらきらしてるのね。街もね、人もね。
[少し絵を見て考えると、近藤に差し出す]
これ、あげるのね。
[喉が辛そうな様子にあまり無理をさせてはいけないと思い、傍に絵を置いてすぐさま元居た場所へと戻った]
[いつの間にか寺崎が別の車両を回っており、戻って他の車両の様子を話のを聞いた後、寺崎に軽くチョップをした]
こんな所で一人で行っちゃ危ないのね。メッ、なのね。
[しかし、じっとしているのも落ち着かず、汽車の内部がどうなっているのか自分でも見て回りたい気持ちがあり、椎名に付いて行く。
弓槻には残るよう促されたが、首を横に振った]
須藤センセーも居るし、1年の子達も落ち着くまでは仲いい子と一緒にいるのがいいと思うのね。
[仲がいい子とはいえ、この中に鬼が潜んでいるかもしれない。しかしすぐに誰かを疑うというのは自分でもまだ躊躇いがある。自分の気持ちを落ち着けたいが為に動きたいという気持ちもあった]
[椎名を先頭に車両を次から次へと歩く。いずれも同じように座席があるだけの場所を右左と見回していると椎名が声をかけてきた]
怖くない…わけじゃないのね。
でも、ちょっとでもここのこと知っておきたいのね。
[気が沈まないように気を使ってくれてるのだろうか、笑いかけてくれるのに対して同じように返した。
しかし、元の車両に戻れば横たわる二宮の姿と、重苦しい雰囲気にまた表情は曇る]
お話、聞くのね。
[ボイスレコーダーを再生していいか確認をして、聞き始めた]
[一通りレコーダーを聞き終え、元に位置に戻す]
皆にも言われてるけど、ケンくんが言う投票を伏せるってのは、皆鬼さん探すの困っちゃうと思うのね。鬼さん、かくれんぼしてるなら引っ張り出さなきゃいけないと思うのね。
小鳥遊センセーの話、臆病なことはないのね。六花も自分の考えとどっちがいいのか悩んだのね。
でも、出てきてないままだと見える力がどんな風に使われて、誰を見るかの決め方とか、もし投票が多かった場合とか、鬼さんがもしかしたら投票多い時に嘘ついて名乗っちゃうんじゃないかとか、考えたら決めることとか混乱とかも多いと思ったのね。
[話すことが多くて、自分のスケッチブックに書きながら、皆に伝わるように考えながら喋った。一通り話し終えると空気が抜けたように背もたれに身を預けた]
[足をぶらぶらさせながら皆の話を聞いていたが、弓槻の言葉に顔を上げた]
シンヤくんが鬼さん見える人なのね?凄いのね。
六花はできないのね。
[言うと椅子から降り、マシュマロの袋に手を入れて{2}個取り出すと、元の席に着いた**]
[近藤の話を聞いてあっと声を上げる]
言っちゃってごめんなさいなのね。
六花、その案いいと思うのね。
あのね、どっちか片方出る案の、真ん中の案だと思ったのね。
[んーとと何度か言い、続けて言いたいことを纏める]
見たい人は見える…占い師さんに任せるってことでいいのね?
六花もそれでいいのね。
この案でやって、もしハッキリと決めちゃったら、その人の狙われやすいかもしれないのね。その人が耳の人とか、もし…もし、シンヤくんが偽者だったとして、本物だったりしたら大変なことになるのね。
だから六花は希望出すけど、占い師さんに任せたいのね。
[弓槻を偽者と仮定することを心苦しく感じ、もしを強調した]
まだ、誰を隣にバイバイするか決められないけど、オジさんとヨシアキくんは希望しないのね。
どっちも案の良い悪いの何を選んだのか分かりやすかったし、混乱しないよう対処も出してて鬼さんっぽくないと思ったのね。
今思ったのはこれくらいなのね。六花、ちょっと静かにしてるのね。
[喉を押さえて着席した**]
[コハルがクッキーを出したのを見て嬉しそうに声を上げて席を立った]
コハルちゃんのクッキー!いただきまーす!
[全部食べてしまわないように控えめにクッキーを頬張る]
纏めとかは皆が言ってるので賛成なのね。
後は考え纏めるからちょっと待ってなのね。
んっとね、隣の車両にバイバイ希望するのはバクくんなのね。
一番自分の考えがわかんないのね。提案もちょっとしてるけど、そこからどうしたいとかさっぱりなのよ。
協力してここから出よー!っていうのがわかんないの。
[一緒に車両を見て回った時の笑顔を思い出してしゅんとする]
見てほしい人はね、ナオちゃんなのね。次がクルミちゃん。
ナオちゃんね、話しの流れに乗ってるともどっちでも問題無いっていう風にも見えて悩むのね。でも、一応自分は見える人に出て欲しいけど、って希望は強調してるのね。もしかしたら切欠が無いと何を言ったらいいのか分からないのかもしれないのね。
こう考えてぐるぐるしてるのね。鬼さんじゃなかったらいいなぁ…。
クルミちゃんはね、おかしなとこ無いけど、一番話しに紛れてるように見えたのね。
あと、ケンくん皆気にしてるけど、六花は違和感というより無防備って思ったのね。
一言で言うと、オジさんやコハルちゃんと同じー!
[友人と意見があったのが嬉しいのか、両手を上げて表現した]
[咳き込みながら]
ほんとにバクくんでいいのかって考えてたけど、変えたら混乱させちゃうし、なんで変えたか説明できなさそうなのね。
ごめんね。
[椎名の様子にオロオロしている]
票、書いたのね…。
[バクを追うべきか悩んだが、彼を推した自分が追ってもどうしようもないだろうと思い、見送るしか出来なかった]
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