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花。
[噂に流れるような花は。
知れば知るほど摘まれることはないだろうと思う。
知らずに。
あるいは、半信半疑で。
のどから手が出るほど欲しければ、
なおのこと、代償の大きさを知っているはずだ]
……。
[くすり、と。
笑う気配は「コエ」に乗ったろうか]
何色だっけ。
[忘れてしまった。
子供たちが描いてくれたこの絵は、本物だろうか]
[境内にはいつしか人だかりが出来ていた]
祠ってのはどこにあるんだろう?
[呟きながら歩んでいく、その袂では小学生からお代に貰った星の砂がしゃらしゃら音を立てる]
[問いかけに言葉を返さなかったのは。
問いかけというにはまっすぐすぎる音に気づいたからというよりも。
そうするのが当然なのだと。
あったはずの理由を思い出せないまま、そう、思ったから]
なぁ、ところでさ。
[代金を払って品物を二つ。
両手に収めながら]
「今年の新作」ってあるけれど。
来年も来たら別な新作が出てるの?
[興味深そうに張り紙を見つめ]
さぁ…
何色だったなんて。
[風にかき消される様に。
それでも届く声色の柔さに耳を傾け。]
しらないな――。
[興味が無い、というよりは。
必要ないと言った方が正しいかも知れず。
シャラリと購入したばかりの星の砂の小瓶を揺らす。]
でも――
[近付く足音に其方を向く。其処にダンケの姿を認めると、手の内からカメラを下ろしつつ、一礼をし]
……。
[かけられた問いに、もう一度礼をして。
差し出されたソースせんべいを受け取った]
……
[ぱり。
せんべいの端を齧ると、小さく軽い音がした]
ふふ、動き回らなくても楽しめるのは良いことね。
十分楽しいわ。
[賑わう声、盆踊りの太鼓の音。
音に合わせ踊る人々、合間に聞こえる合いの手。
見て回れなくて詰まらないのでは、と聞かれるが、そんなことはないとモミジは思っている*]
半信半疑か。
はたまた思いつめての願いか判らんけど。
花盗人にとっては、それはそれは綺麗で魅惑な花に見えるんだろうね。
[少なくてもこの砂よりは、と予感した笑みを*ひとつ*]
ほら、
今もまた――誰かがまさに手を掛けようとしていたりしてね? 何も知らずにさ。
[会釈に、こんにちは、と改めて挨拶し]
全く、参ったよね。
チョコだソースだアンズだクリームだって、争奪戦。
[肩をすくめてみせる。
構えられるカメラに、小さく笑ってうなずく。
ポーズはとらない。ただ、たったま。
シンヤの口数の少なさが移ったように、黙ったまま微笑んだ*]
[祭を眺める女性や、カメラを構える少年を遠目に見ながら辺りを歩いてみたが、祠には辿り着けず。
どこか遠く、ギターの音色が聞こえてきた]
すっかり出来上がってんなぁ。
[歌姫を囲む、へべれけの村人たちに苦笑する。
風が強く吹いて、誰かの花飾りを天にさらった]
[ダンケが頷くのを見ると、もしゃもしゃと器用にせんべいを食べ切ってから、ファインダーを覗き込んだ。
数秒の間があってから、かしゃりとシャッター音が鳴る。撮り収められた、ダンケの姿。夏の風景の内の一枚。
カメラを下ろす、その時だけ、小さく笑って**]
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