情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
[茶で温まった体を覆う鳥肌は既に消えている。
レイヨの言葉に男はピクリと動き、
それから訪れるのは、――長い、沈黙。
レイヨが問いを投げる前の、ゆうに二倍。
耳で揺れるプレートは、引き千切ろうと思えば出来るもの。
だが男はずっと、最初から今までそれをせず、ただ耳元に目立つそれを揺らしている]
…――此れは、
[若しレイヨが言葉を発しようと息を吸ったならそれに重なるように。
低い声は冷たい空気の中、波立てず発せられた]
俺の――…「名」であり、
…俺の存在を赦すもの、だ…――
――ドロテアは、ドロテアの出来ることをする。
…そうして、あの娘を
我々が無力にするのではないか?
密かにでも奪わぬなら、それしか出来ないと
突きつけるようなものじゃないかと―――否、
[激さずとも豊かな感情は、他者へ伝わるに易い。
声音の芯へ籠る力をふっと抜き、蛇遣いは詫びた。]
すまんな、やつあたりだ。
[見慣れた癖はただ見つめるに止めて、酒が良いと真顔で言われれば、零すは嫌味のない苦笑で。]
ウォッカなら。
[相手が本気なら茶をすすりながら棚を親指で示し、飲めばいいというスタンスは相手がトゥーリッキだから。]
――少なくとも、お前に実のある話だったなら
"危険"を冒す価値はあったわけだ。
[個室に二人。それは今も同じ状況。]
それが俺にも実の在る話なら聞きたいところだが
そうでないなら、しまっとけ。
[椅子に背を預けてお茶をまた一口。]
[ドロテアの話には黙って相手の声を聞く。
目をそらすことは決してしない。
詫びる相手には 構わんさ と添える声音は柔い。]
どうにか出来るなら、どうにかしている。
――が、代わってやることは出来ない。
[長老は言う――ドロテアにはまじないに関わる力はなく、狼使いの可能性もない人間と。
それはつまり。]
まじない師の延命。
――"暴虐を阻む"力を、命を対価に行使するに似ているな。
……無論、諦めたくはない気持ちは、ある。
[長い沈黙を急かさずも無理に問う気はないから、口を開きかけたところで低い声。語られる間はマティアスの顔ではなく、耳元で揺れる飾りを見ていた。
浮かぶ疑問もあれど問いはひとつと先に断ったからか、告白を添えてくれた彼に更に問う事はしない。彼が語り終えてもすぐには言葉を返さず、眼差しを細め小さな告白を裡に反芻する]
…お呼びする名、今は変更せずおかせて下さい。
お訊ねしておいてすみません。
[マティアスの両耳にかかる重さを想えど、語らずに仕舞い置く。キィキィキィ…――謝辞は紡がず、彼の手の中のカップへ注ぎ足す温かい茶に籠めた。
視線の交わる事はなくも、交わす言葉があれば訥々と語る声。彼が小屋を出る折にはアルマウェルはまだテントにいたか問い、薄着の彼へ膝掛けを*差し出すだろう*]
…うむ。次に貰うとする。
[示された棚、酒瓶の位置を覚えると確とうなずく。
何しろ今はレイヨの茶で腹が膨れていると素振りして手にしたあたたかなカップで寛いで暖を取っている]
そんなところだな。
因みに、今は"危険"を冒してるつもりはない。
[歓談には遠い状況下、過ごすひとときは静か。
ドロテアについて想うことをカウコが語る声へと
蛇遣いは耳を傾けひとつふたつ相槌を挟みもする。]
ちから、か。
…… ああ。気持ちは無力ではないはずだな。
ドロテアのも…お前のそれも。
もしも、だな。
もしも袂を分かつことがあるなら、カウコ。
[やがて彼のもとを辞する折には、
ひとときの暖と時とに礼を伝えて。]
先に一発入れさせてくれる
くらいのサービスは、――あるんだろう?
[戸口で少し押し黙ると…笑まず軽口を*叩いた*。]
…「名」とは、只個体を識別するものだ…
――俺と分かれば、何でもいい。
[盲と呼ばれようがザトウと言われようが、自身は注意を向けるだろう、と、想う。
ただ存在を赦される、それに男は温もりを感じるから]
…――謝る必要は、無い…
[足された温もりを感じ、顔をそちらへと向け
彼の細めた眼差しは見えぬけれど、それは今鋭いものではないのだろう、と男は推測していた]
[それからいくつかまた言葉を交わし、茶を飲み干すと
男は杖を片手に扉へと向かおうと床を擦る。
そして、掛けられた声と手に]
――アルマウェルは、居た。
…――有難う、此れは、…
[暖かい。
語尾消す癖の侭、外へと出た。
暗い常なる夜の中、冷たい風が頬を叩く。
細かい雪がキラキラと紅いオーロラと共に光る中
男は左右に揺らし雪抉る杖の先と足跡を着け、
遠吠えの中、何かを探すように―― あるく*]
[次にと告げる声にはゆるく頷き、続く言葉に一言。]
……――奇遇だな。
[本当にその一言だけを返す。
気持ちは無力ではないと告げる声に僅かに表情緩め]
そう言われると、救われる――主に俺が。
[口元は笑んで見せるも複雑さは消えない。]
[それから多少の会話はあったか、やがて席を立つトゥーリッキの言葉。ifを語る間には口を挟まず聞き]
そりゃ"どっち"の前提だ?
[笑まぬ軽口には冗談めいた――けれど単純でない問いを投げ]
――其の時は、一発と言わず腕の一本くらいくれてやる。
が、腕は惜しいし不利だからそうならんことを願う。
[軽口の声音には笑み含ませて。
相手は何か言ったか、部屋から去った後には片付けを始めてぽつりと落とす独り言に憂いは*含ませず*]
ちっとばかし無防備かもな、 …お互い。
[狼の遠吠えが聞こえる。耳を打つ。
あてもなく歩くときはいつもそうするように、瞳を伏せて雪に足の痕をつける。
片側には村の灯、もう片側には森の影。極光の下伸びた影が、揺らぐ]
信用、か。
疑いがかけられた時点で、信用も何も無いだろうと思ってしまうのは――流石に薄情だろうか。
[受け止められる先のない言葉は、静かに宵闇に溶けて]
――いや。
漂白の民と、少し。
[対なるものの声と共に、一つの魂が死に招かれたことを知った。
小さく苦笑しながら、付け加える]
お前も、流れてきたのだったな。
私はこの地しか知らぬ身であるが故……
[言葉を濁してから、かけられた問いに答えた]
『おおかみ』、さ。
――だが、私の心は常に狼と共に在る。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了