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冷え性 ロッカは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
…だめだめ、ホズミ。聴こえていないよ。
[茶屋の奥から場違いな身なりの女性が顔を出す。ホズミが団子を食べる様子をにこにこしながら見守っている老婆の耳元へ屈み]
テレビ局がー。この辺をっ、写しに来るんだってさー、
かあさん。
今日は何食べよっかなあ。
[鼻歌を歌いながら下駄箱で靴を変えようとしてはたと手を止める]
傘、部室だ。
[あーあ、と大げさにため息をついて部室へ*引き返す*]
ばーちゃんも昔より耳遠くなったねー。
[ヘイケの言葉に相槌を打ちながら]
そういえば、そんな格好してどっか行くの?
今時流行りの婚活とやらのお手伝い?
[とヘイケに尋ねる]
[たまにしか訪れない実家。客に供されたみたらし団子の焼き加減は記憶にあるそのままに。]
ちゃんと聞こえてるのは、注文だけなのねえ。
[そっと溜息を漏らすと、年老いた母親とホズミの話を根気づよく通訳する作業に*取り掛かった*]
[火鉢の側に丸まり部屋の中をきょろ、きょろ。]
……んなぁーう?
[老婆が火鉢に十分あたって水気が飛んだスカーフを巻き直してくれる。老婆が注文を聞きに店に戻った後もしばらく火鉢の側に丸まっていたが]
みゃあ〜。
[ヘイケが店に出るのを見てぴょん、と跳ねるように立ち上がり、店のほうへ]
うん、ここが田舎だからって、
面白おかしく写すんじゃないの、って話しよ。
[ニュアンスをうまく伝えられないことに苦笑しながら、母親に語りかける。語尾上がるホズミからの問いには顔を上げて]
逆よ逆、帰ってきたとこ。
あら〜… ホズミにお見合い話
持ってきたって行ったらどうするの?
仕事には支障ないってのは大したもんだね。
注文だけでも聞こえるんだからさ。
[ヘイケの言葉に頷くが]
あ、そうなんだ……って
正直お見合いとか言われてもピンと来ないわ。
何だかんだでやってきてるしね。
[手をひらりとさせてNOの返事]
[そこへ奥の方からスカーフを巻いた猫が歩いてくる]
みゃああああ
[猫の物まねで気を惹こうとするが、猫は果たしてどんな反応をすること*やら*]
―部室―
あれー、ワカバいつの間に帰っちゃったんだろ?
ま、いっか。明日で。
……ん?
[部室の隅に立てかけられているのは、見覚えのある*傘*]
―火鉢前―
お気に入りの場所譲ってもらって悪いにゃあ。
ポチさんありがとうですにゃ。おかげで体があったまったにゃ。スカーフもあったかぬくぬく。
にゃあ。もちろんですよ、お婆さんが寂しがらないようにまた遊びにきますにゃー。ポチさんも触れられないのは難儀でしょうが、お婆さんを見守っていてくださいですにゃー。お気持ちはきっと届きますにゃ。
[ヘイケが店に出て行ったのを見て]
みゃあ?お店がにぎやかになってきたみたい?
ではでは、ウミは皆さんのところに行きますにゃ。
ポチさんまたですにゃ。
[ヘイケに続いて店のほうへ]
[茶屋の奥から出てくるなり、迷わずホズミの足元に擦り寄る]
…んな〜ぁう。
[鳴き真似に鳴き返すと、
足元を何度もすりすりすりすりすり。
鼻をひくつかせながらホズミの顔を見て]
にゃ〜あ。
[すりすりすりすりすり。
どちらかというと食べているみたらし団子のをほう見て]
ごろにゃ〜〜〜〜あ。
ホズミさんこんにちはですにゃ。
みゃあ〜……あまーいあまーいいいにおい。
もしやこれはっ…!!
[ホズミの足にすりすりすりすり]
みたらし団子っ♪みたらし団子っ♪
[すりすりすりすり]
ウミにも分けてくださいにゃー、たべたいたべたいみたらし団子〜〜〜〜!!!
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