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若い方々の保護者になって下さるでしょうかね?
そういうことには、興味のない方でしょうかね?
――かつての私のように。
[同意を求める態で、こつり。手の中の鍵が軽い。]
…記憶がなければ、重ねた筈の経験も焦燥の種。
せめて楽園が、楽園のままでありますよう。
[触れた名へ供えられた花はどれも枯れて久しい。]
[高い位置から見下ろす、さっきまで自分が立っていた場所。高さが変われば、世界はその色を変えるから。低い位置にいた時に、例えば悲しみに崩れそうになって。世界が、悲しみの色に染まってしまった時。そんな時には、登ればいいと思う。高い位置から、世界を見ればいいと思う。悲しみの藍に染まった世界が、見下ろせば透き通る青になる。見上げれば澄みわたる蒼になる。世界は、こんなにも美しい。そう、誰かに言われた気がするから。]
やっぱり、高いと気持ちいい。
[ぽつり、小さく呟いて。]
気持ちいい?
[聞こえた言葉を反芻してから、やおら立ち上がる。
右足を振り出し、樹からすとんと降りた。
屈伸の姿勢から両手を上に伸ばす格好へ]
ん。
[小道を歩き出すと、遠く、黒髪の少女と目が合った。
先に目をそらしたのは年上の少女の方]
おはよう?
[声をかけてから、道を更に進む。
やがてKnockerの背中を見つけて忍び寄ったが、裸足が枝を踏み折った]
グッドモーニング スイートダーリン。
[真っ暗な室内]
眠り姫は、『おはよう』なんて味気ない挨拶ではなくて、王子様のキスで目を覚ますのよ。
それから、レイディの着替えの時は、背を向けてね。
うふ。気持ちの問題よ。
[衣擦れの音と共に笑い声が響く]
[ぺたり
ぺたり]
[壁のディスプレイに灯りがともる。
女性は笑みを浮かべ、ディスプレイに軽やかに指を躍らせる。
表示されたのは、通り一遍のインフォメーション。]
ダーリン。あたくしの名前を教えて頂戴。
[7つの名前が映し出される]
……アン・プレーチェ・ライデン・ルリ・バク・テンマ・ペケレ……。
……ペケレって変わったお名前ね。
[少し間を置いて、ぷ、と噴き出す]
まぁ。ペケレってあたくしの名前なのね。
ペケレ……ペケレ。哲学的といえなくもないわね。
[歌うように名前を唱える]
7人の眠り姫はみんな起きてる。王子様頑張ったのね。
7人だと小人になっちゃうわ。
他の眠り姫はどこにいるのかしら?
[ディスプレイを指でぴんと弾く。反応は無い]
今は内緒なの?
つれないダーリン。
[くすくすと笑いながらディスプレイに背を向ける]
じゃあ。眠り姫たちに目覚めのキスでもしてこようかしら。
[扉が開き、明かりが室内に差し込む。
まぶしそうに目を細めた後、裸足のまま歩き出した]
[またひとつ――白い墓碑のひとつへ触れようとした折、
ぱきり
乾いた音が空気を響かせるのが聴こえ…指先を止める。]
……、
[石畳へ片膝をついたまま振り返ると、先刻樹上へ見た姿。
Knockerは立ち上がる。膝へは塵ひとつついては来ない。]
おはようございます? …お怪我はありませんか
[丁寧な辞儀を向けて、彼女の足元を見遣りながら言う。]
なぁ、ルリルリ。
喰われた夢は、どうやったら帰ってくると思う?
帰って来ないのかな?
[隣に残る少女に声をかけるが、答えは期待していない。]
いいお天気ね!
ダーリンあなたもそう思わない?
[ぺたり ぺたり]
[適当な扉を開き、たどり着いたのは、白い石の群]
お墓かしら?
[顎に手を当てて辺りを見回す]
あら、眠り姫さんたち、グッモーニン。
[墓碑群に居る人を見つければ笑顔で声をかける]
……しかし、私は間違いなく大人だろうね?
やたら老け顔の少年だったりはしないだろうね。
しないかね。それはよかった。
[ふう、と息を吐き]
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