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[夕暮れ時の森の中、学校帰りの少女が一人。
あたりにカラスの鳴く声がいくつも聞こえる]
カラスさん、なぜ黒いの……不気味。
絵の具で、真っ白。
[カラスが一斉に飛び立つ羽音]
いなくなった。
[飛び去る黒い影を残念そうに見つめた後
再び歩き始める。
やがて一軒の日本家屋へと*入っていく*]
人、いっぱい。
……お祭り?
[広間にいる人たちに一礼をする。
黒板に歩み寄ると]
……地球を、七回半
[頭に残るフレーズを口にする。白墨を手に取ると、文字を書き始めようとして]
……ネ ヤ?
[フユキに書かれた小さな文字をそっと指でなぞる。
ぴき、と大きな音が響き、眼鏡に縦にヒビが入った]
問題。
「よーかん」と「ぼーりんぐ」の相関関係について
400字詰め原稿用紙2枚以内で、説明せよ。
[何も持っていない手だけが、エアジャグリングをしている]
灯り……集蛾灯?
[戸棚に近づくと、そこに置かれた蝋燭をじっと見つめ]
リウ、レン、ソラ、ルリ、テンマ……フユキ。
[蝋燭に書かれた名前を一人ずつ読み上げて、点呼を取っていく]
お休みの人、手、上げて。
……いない?
[そこにいる人数を数え、首を傾げる。
やがて自分を数に入れて、納得したように手をぽんと打つ]
名前と顔、一致しない。
視覚で、認識。
[机の上に置かれたノートを一枚破り
鉛筆を手にして、レンの顔を描いていく]
……できた。
[ノートに描かれているのは、帽子とサングラスとマフラー姿。
余白に「レン」とマジックで大きく書くと
黒板の空きスペースに、セロテープでぺたりと貼る。まさしく手配写真]
ソう、美 シかっタの。
腹、イっ い?
[ザ……ザザッ……
波の音を思わせるノイズが入る]
ああ、違うの。
周波数は、合わせないと。
混線は、楽しいから。
楽しいは、癖になるから。
平気。楽しいも繰り返せば、単調。
お茶は、○○県民さんが1本1本丁寧に作った。美味しく飲んでもらえるように。
だから飲まないで噴き出しちゃいけません。
……ね。
[窘めるように一言]
湯飲み、だめ?
[ジャグる手を止めて湯飲みを置くと、じーっとレンを見つめている]
……人は?
人ジャグリング。
[レンの謝罪の言葉に満足げに頷き
続く言葉には口の端をわずかに上げて笑む]
え、ルリちゃん?
[何かを思い出そうと手を顎に当てる仕草。
やがて手をぽんと打つ。
広間にルリの姿を見つければ
ノートを破り、ルリの姿をスケッチし始めるだろう。
完成すれば、最後に紙に一本の縦線を*入れた*]
[レンがサングラスを外した時に
その下の目をじっと見ようとする。
つられるように空へと視線を向け]
空……ソラ……
変わらない?
[湯飲みにお茶を注ぎ、両手でずずーと啜る]
……そう。
[湯飲みを机に置くと
ネギヤが座っていた椅子に向かい頷く]
餅肌は、ジャグリングに、向かない。
[また湯飲みを手に、お茶を飲む。
どこからか柱時計の時報が聞こえてくる。
その数は、(04)個**]
こう。
[ルリに見せるように、戸棚の中にあった火付きの蝋燭を使ってジャグリング。
最後は口で蝋燭をキャッチしたり。火の着いたまま、戸棚へと戻す]
そう。ちょうど半分には分けられない。
トッピングの乗ったお誕生日のケーキと一緒。
だからね、独り占めするの。
[眼鏡に入ったヒビに、視界を二つに分けられたまま]
[レンのサングラスをじっと見つめ、首を横に振る]
……ううん、変わる。
地球を七回半から、護られてる。
人気がない所でジャグリング……寂しい人。
おひねり、もらえない。
……何を、見てるの。
[窓際で外を見るソラに背後から近づく]
ネギヤ?ザクロ?
[庭に下りるソラとレンを、立ったまま呆然と*見下ろしている*]
……ううん、簡単。
でも知らなくても、いいこと。
それに、知っても、忘れる。
ここは、分岐点。
人が留まることは、できないから。
[眼鏡にぴしり、と亀裂が入る]
そう、言葉遊び。
言葉は、目に見えないもの。
忘れられてしまうもの。
存在は曖昧で、不確定。
忘れるのは、簡単。
たった、地球を七回半。
それさえも不確実、だけれど。
[眼鏡にヒビが入る音が大きくなる]
[ルリのつぶやきが聞こえると、小さく頷く]
だって、手を離したら、
なくなってしまう。
お人形さん……ぼろぼろ。
[二本の足で庭に降りる。
臭いを嗅ぐように、すん、と一つ鼻を*鳴らした*]
[白いシーツをかけられた人形に
供えられた菊の花をぼんやりと眺め
シーツにじんわりにじむ血に]
赤……羊羹の色。
[ソラに倣うように、広間へと往復、火をつけた線香を地面に刺す]
そう、名前さえも、不確実。
今のあなたも、フユキ
以前のあなたも、フユキ
名前で存在を特定することは、できない。
あなたがフユキなのは、どうして?
[戸棚の中、名前の書かれた蝋燭を見る]
タクミでも、一緒。
……そう。
名乗るから、存在する。
フユキだと言えば、それはフユキ。
ふユキだと言 ば、そレがフユ 。
存 すルと言えば、そレは 在す 。
[ザッ…ザザッ……とノイズ音と共に、目の前が砂嵐に*覆われていく*]
……羊羹、食べ過ぎると爆発する。
食べすぎ注意。ご利用は計画的に。
[レンに指差された羊羹の原材料表記を読み上げていく]
お砂糖、小豆、寒天、栗、ネギヤ……ゆ――。
[最後の一言を読み上げる瞬間、
眼鏡がぱきりと音をたてて、*砕け散った*]
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