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…。
……。
シンヤ…?
[ふと感じた気配に、手にした銃ごと振り向いた。
ひとがまともに観察すれば、その銃が的屋のコルク銃であることは知れるだろうが]
[眼差しは、鬼ごっこして遊んだ幼い頃とかわらない]
[くらり。視界が歪んで、意識が遠のく。しかしほどなく変わり映えのない屋台の並ぶ祭りの景色がもどってくる]
また、誰か来たの?
[呆けた表情で呟いて、視界の隅に少年たちの姿を捉えたような*]
[境内の砂利を踏み、フユキ達に歩み寄る]
…シンヤさんが消えて…あの人が鬼だったのなら、もう、神隠しは起こらないと思っていました。
今朝、占いで見えたのは、誰かに連れられて行く、リウさんの姿。
[もう隠す必要のない手紙を、広げてみせる。『誰が鬼だか、当ててごらん』**]
まだ…鬼は、います。
成る程。考えられる事は
書かれている人といない人には違いがある
其れを書いている誰かが他に。隠したのはその誰か
ヒナさんが言っていた事
シンヤは、人では無い者
其の通りなのかも知れない
其の手紙を書いたのは恐らく人間じゃあ無いんだろう
残っているのは、4人
…やあ、ヒナさん リウさんが?そうか…
……
そうだろうね、まだ鬼は居る
さて それは、*誰だろうね*
「とまっちゃだめ」
[制止する声に引き止められ、
気づけばまた年回りの違う八月の日。
祭りの賑わいが耳を掠める。]
…また増えた、のか?
[誰からともなくはじめたような子ども遊び。
害虫と看做され、息絶える筈の蝶がひらひらと舞う。
費やす代償は、僅かな時間の変わりに――*]
ヒナさんに どうやら僕は、
見つからなかったみたいだね
君は僕を、かくれんぼも上手だと、
言ってくれるのかもしれない
じゃあこのまま
今年も僕を見つけられなかったら
皆で一緒に 鬼ごっこだね
其の後に、君を探しに行こうかな
お話も、書くけどね
隠れてしまった君も探そう
ありがとう。
[10歳の僕は、うちわで座敷童を扇いだけれど、ここからじゃとどかないみたい]
ありがとう。
[それでも扇ぐことはやめない]
ありがとう。
[たくさん話がしたいなと、思った。
あの幼い頃みたいに。
みんなと遊んだ毎日を、あの子と夜が更けるまで話し合った頃みたいに]
誰が鬼だか当てて欲しいってことですかね。
[ヒナの手元を一瞥してから、自分の手紙を破って紙ふぶきを舞い散らす]
当てられるかもしれませんね。
もう、三択まで来たんですから。
それとも、大昔のように本当の生贄を捧げて神様に乞いましょうか。
五穀豊穣、無病息災、無事の帰宅。
おかえりなさい、あたたかいうちへ。
[チョウのように風に舞う白い紙片。
合間合間に、終わらない夏祭りの景色が*チラつく*]
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