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[赤涙は溢れ流れるまま。口元に刻まれているのは笑み。その下顎部は半ば昆虫頭部が如くに変貌している。翅根が震え…やがて、羽ばたき、乃木の身体を地上から持ち上げる。無造作に銃をぶら下げ構えれば、ズイハラの斜め上空より事も無げに身体へ撃つ。
翅根屍人、そして武器の優位性。
辺りへ、羽ばたく音が低音に響く。]
[自らに視線を戻すと、
視線と同じ高さに、赤い水面が揺らめいている。]
――携帯電話の電波塔、ね。
[仕舞って置いた名刺を取り出し一瞥。
ふっと息を吐くと、何も無かったかのように
名前も紙も消え去った。]
[望まず伏せた地面は、冷たかった。だが、それを消す程に、熱かった。――弾丸で貫かれた、胸が。――視界が、ちらつく。何処かから、遠く此方を見下ろしている、銃を構えた屍人の、視界。
己は、撃たれたのだ。気付かぬうちに、射程範囲に入ってしまっていた。心臓の鼓動に併せて襲う熱さと痛みを覚えながら、ゆっくりと、その事を理解した]
……は、……
[心臓からは外れているらしい。肺を貫かれたのかもしれない。苦しい。血液がどくどくと溢れ出る。寒い。熱い、のに。やられた。死。死ぬ? 死ぬ、のか。私は。こんなところで。化け物にやられて。
嫌だ。助けてくれ。駄目だ。痛い。私は――]
[苦痛と恐怖と絶望の意識が、遠ざかっていく。いつしか流れてきていた赤い水が、己が血と混じり合っていくのを、男は、「最期」に見た]
/*
ノギさんの接続が、怖い!
まあ、普通にやったら勝ち目ないですわー
単純に考えると、強さは人<半屍人<屍人 ちゅう話だわね。いや、イメージですけどね。
ズイハラが太刀打ちできるはずもなし、ですよなー ここは併せて屍人化して、魔獣大戦とか!(だめです)
[「ツチノコを探しに」というのは口からでまかせだから、向こうが干からびた何かをツチノコと呼称しても、さして興味を抱かずに進んでいく]
…………。
[ふと――
思いを馳せるのは“きょうかい”の向こう側]
……キャー!
おまわりさーん、大変です、あの人捕まえてくださーい!
[ネクタイごとバッドをぶんぶんふりまわすと、物騒度三割り増し。
大きな水音に気づいて動きを止めると、『ゴッ』という音とともに後頭部にぶつかった。自分の]
痛い……
[頭をさすりながら四つんばいで川に近づく]
ずいぶんと、大きいね。
[白んできた空。
赤い水の川を逆流する、大きな何かが浮かび上がる]
お食べ?
[差し出した、ツチノコかもしれないしそうではないかもしれない何かを、そのいきものはアンの腕ごと口に含んだ**]
あたしはおいしくないよ。
あっちのおねえさんの方が、きっとおいしい。
がっ
[銃声。右腕から赤いしぶき。
走る自分と飛ぶノギでは、結果は火を見るより明らかだが]
ち、くしょー 泣くか笑うか! どっちかにしやがれ!
[鞄を抱いた左腕でなくて良かったと思う。
バリケードめがけて走る、鉱山の出口へ――否、途中で見つけた、横道へ姿を隠す]
こなくそ。
[大音量放送中のラジオを前方に放り投げ、自らは物陰に隠れる。鞄から取り出すのは、魔よけの、杭。
一瞬でいい。ラジオに気をとられてくれれば。もし背後を見せれば――]
[それから、幾らかの時間が、経って。
――男は、閉じた目を再び開いた]
……
……あ、……ああ。……
[軋んだような声を零しながら、男は体を起こした。少しずつ、少しずつ。ゆらりと立ち上がる。とぷり。水が揺れ、僅かに跳ねる、音がした]
……
[きょとんとしたように、辺りを見回す。空を仰ぎ見る。その双眸から、赤い涙が零れ落ちた]
[渡った先に在るのは、
死者の住まう世界なのか。
人ならざる者の住まう世界なのか。
平行世界の類、という説もあるにはある。
いずれにせよ、一度渡ってしまえば戻ってこられないであろうことは、ふたりの間の固い共通認識だった]
……って、あの子何叫んでるのよ。
[焦燥滲む声と共に、進む速度三割り増し]
/*
思うに、魔よけの杭というか、それを知っているのはギンスイであってタケシではないというひどい視点漏れ。
そしてプレイ動画を最初だけみて怖くなった中の人は、ラジオを井戸に落とすという情報しかしらなくて、ノギさんの素敵な描写に追いつかなくてもうこっちが即死でいいと思うんです。
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