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[渡された書類に、順番に目を通す。二度繰り返した。
頭が酷く重い]
引き抜きとかそんな大層なことじゃない。
最近人手が足りないってだけで……
[折りたたんで仕舞うと、封筒をテンマの胸に押し当てて俯く]
どこでも行けばいいよ。
……引き止めてくれるか知りたかっただけなのに。
[ぎゅっと拳を握り、呟いた]
同じ職とかいらない。
[首を横に振り、涙をこらえて顔を上げる]
隠しごとすんな、バカ!!
[早業で取り出したペンで、テンマのデコに「ばか」と描いた]
そんな秘書持った覚えない!
センセイ、日名さんだって東京に誘われてること隠してたじゃないですか!
俺は日名さんにいまの事務所に入れてもらってからずっと、追いつきたくて、自分で日名さんのことをセンセイと呼ぶたびに遠くに感じて、いつか離れていくんじゃないか不安で、だから。
[額に何か描いてきたヒナの手を掴むと]
1年4ヶ月です。
必ず戻って来ますから、だから…待っていてくれませんか。
まさかこう来るとは予想だにせず……。
あたしの中のヒナはぐるぐるしておるよ。
次の発言で寝よう。
モミジさん、出にくかったらごめんなさい。
離して。
[小さな声で言ってから、もう一度トーンを上げて同じ言葉を繰り返した]
センセイって呼べなんて一度も頼んでないでしょう……
てっちゃんが勝手に呼んだのに。
ぜっっったい待たない。
居場所なんて取っておいてあげない。
[負け犬のように捨て台詞を吐くと、床に落ちていた背広を投げつけて部屋を出て行った。
あの真っ白い部屋へと、*駆け抜けていく*]
↑ここまで、パーマ前髪のテンマでお送りしました。
引き続き、美術部の新星ミナツの提供でお送りします。
しかし今後どうするんだヒナ?
ゆっくり寝たら落ち着くのかしら。
[離して、というヒナの語調に思わず手を緩める]
俺だけ「日名さん」なんて呼べる訳ないじゃないか。
[言い募ろうとして背広を投げつけられて視界を塞がれる。慌てて引き剥がすとヒナが廊下に消えるのが見えて追い駆ける]
日名さんっっ!
[廊下に飛び出した時にはすでに姿はなく、足音を頼りに*駆け出した*]
えー追いかけられてるーーーーー!?
このままずっと逃げようかな!
個人事務所かと思ってたけど、違うんだね!?
というわけでおやすみなさい。
なんだか色々と突っ走っててすみません…。
お星様…みえない。
[壁に持たれて、ずるずるとその場にへたれこんだ。]
やだなぁ…1人でいるのがしんどいから、
星を見に出たのに…、
テンマくんに会えて、なんだかいっぱい人と会えて、
嬉しかったのに。[甘酒をくぴり…]
…ヌイさんともっとお話したかったなぁ。
何を話していいかわからなくて、
遠くから見てるだけになってしまった…。
もう…会えないのかな?
[1人でしょんぼり…ぼんやりとしている。]
ぼーくのこの気持ちーわかってくーれたーらー
きーみのいつものーほほえーみーみせてー…
何で着いて来るのー!?
[廊下の角からパンプスを投げ付けた。
テンマの額めがけて時間差で両足分。
最初の部屋に入り鍵をかける。
肩で息をして、扉の所で体育座り]
神様、仏様、流星群様、三毛ランジェロ様……
[膝を*抱え込んだ*]
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